外国人介護士を採用するメリットとは?活躍事例と現場の評判

目次

結論(30秒でわかる要点)

外国人介護士は、単に人手不足を補う存在ではありません。利用者との信頼関係を築き、働きながら国家資格を目指す人もいます。2026年9月には、インドネシア出身の訪問介護ヘルパーが高齢者から感謝され、利用者から指名される姿が報じられました。

  • 実話:兵庫県の訪問介護事業所で働くインドネシア人ヘルパーは、利用者から「いつも感謝ばっかりです」と評価されています。
  • 最新調査:外国人介護スタッフの訪問系サービスへの従事について、77.1%が何らかのプラス面を挙げました。
  • 安心の鍵:受け入れ事業所の研修・同行訪問などの仕組みを示すと、自分が訪問介護を受ける際に「気になる」人は44.7%から35.1%に低下しました。
  • 将来への挑戦:北海道では、インドネシア出身の介護職員が入職4年で介護福祉士国家試験に合格した事例も公表されています。

対象者:介護施設・訪問介護事業所の経営者、採用担当者、介護職員、外国人介護士の活躍を知りたい方

※本記事は2026年10月16日時点の公表情報・報道を基に構成しています。紹介する体験談は取材元の報道・事業者発表に基づき、当社独自のインタビューではありません。調査結果は意識調査であり、すべての利用者や事業所にそのまま当てはまるものではありません。

「外国人介護士に任せて大丈夫?」その答えを考える実話

外国人介護士の受け入れには、日本語や生活習慣の違いを心配する声もあります。一方で、実際の現場では、利用者と外国人スタッフの間に信頼関係が生まれています。

2026年9月1日のFNNプライムオンラインでは、インドネシア出身の訪問介護ヘルパー、イルナワティさん(当時28歳)に密着。兵庫県芦屋市の訪問介護事業所「ロジケア」で働く姿が紹介されました。

訪問先の92歳の女性は、掃除を丁寧に行うイルナワティさんについて「いつも感謝ばっかりです」と語っています。事業所の現場責任者も、イルナさんを希望する利用者が多いと話していました。

来日当初は掃除機の使い方など、日本の暮らしに特有の作業にも戸惑ったといいます。それでも利用者の生活を理解し、仕事を身につけていったことが報じられています。
出典:FNNプライムオンライン(2026年9月1日)

ここで伝えたいのは、外国人だから特別に優れているという話ではありません。相手の暮らしを尊重し、丁寧な仕事を積み重ねれば、国籍を超えて信頼は生まれるということです。

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外国人介護士の訪問介護、77.1%が「プラス面」を回答

2026年10月7日、NTTデータ経営研究所とNTTドコモビジネスXは、外国人介護スタッフが訪問系サービスに従事することへの生活者の意識調査を公表しました。対象は全国の20歳以上の男女1,053人。調査は2026年7月8日~12日に実施されています。

調査項目結果
訪問系介護サービスの担い手不足を問題と捉える86.3%
外国人スタッフの訪問系サービスへの従事に何らかのプラス面を挙げる77.1%
人手不足解消につながると期待する65.7%
自分が訪問介護を受ける場合、外国人スタッフの担当が「気になる」44.7%
受入体制の仕組みを提示した後、同様に「気になる」35.1%

出典:NTTデータ経営研究所「外国人介護スタッフによる訪問系介護サービスに対する生活者の意識調査」(2026年10月7日)

77.1%は「外国人介護士の訪問を希望する人」の割合ではありません。人手不足の解消など、少なくとも一つのプラス面を挙げた人の割合です。実際に自分の自宅へ来てもらう場面では、不安も残っています。

不安は「外国人だから」ではなく、情報不足からも生まれる

この調査で興味深いのは、訪問介護の受け入れ体制を説明した前後の変化です。研修、同行訪問、緊急時の支援体制など、事業所に求められる仕組みを示すと、外国人スタッフが担当することを「気になる」と答えた割合は44.7%から35.1%へ、9.6ポイント低下しました。

また、安心して受け入れるために重要なこととして、「問題なく日常会話ができる日本語能力」を67.5%が選択。情報を示された場合に「受け入れやすくなる」と答えた割合は、日本語能力73.7%、緊急時の連絡体制71.7%、慣れるまでの同行訪問71.4%でした。

つまり、前向きな受け入れを進めるには「外国人材が頑張っている」と伝えるだけでは足りません。利用者・家族が知りたい情報を、事業所が具体的に示すことが重要です。なお、この数字は質問への回答が変化した結果であり、実際の利用行動の変化を検証したものではありません。

働きながら国家資格に挑戦。入職4年で介護福祉士に合格した事例

外国人介護士の活躍は日々のケアだけではありません。資格取得を通じて、長期的に日本の介護現場で働く道を切り開く人もいます。

2026年5月、外国人材支援を行うNINAITEは、北海道の社会福祉法人白老宏友会で働くインドネシア出身のレンディさんが、入職4年で介護福祉士国家試験に合格した事例を公表しました。

資格取得を目指して仕事と学習を両立し、受け入れ法人も学習や職場での成長を支えたという事例です。本人の努力に加え、施設側がキャリア形成を支えることの重要性を示しています。
出典:NINAITE・PR TIMES(2026年5月15日)

訪問介護のイルナワティさんも、FNNの取材時点で介護福祉士の国家試験合格を目指して学習を続けていました。外国人介護士を短期的な労働力としてだけでなく、専門職として育てる視点が求められます。

日本人のベテラン介護士も語る、外国人スタッフとの関わり

ホーム社の連載「なぜ外国人に介護されると笑顔になるのか」では、介護現場の日本人ベテラン職員による座談会が公開されています。外国人スタッフが一生懸命に働く姿や、利用者との感情のやり取りが話題になりました。

もちろん、国籍だけで人柄や介護技術を判断することはできません。しかし、現場で働く一人ひとりの良さに気づき、強みを生かすという視点は、日本人職員にも外国人職員にも共通するものです。
出典:ホーム社・室橋裕和氏連載(2025年11月14日)

介護施設が外国人材を迎えるためにできること

外国人介護士の活躍を支えるのは、本人の努力だけではありません。施設・事業所が働きやすい環境を整えることで、利用者の安心にもつながります。

  • 日本語・介護用語の支援:伝達が難しい内容は、やさしい日本語や写真、実技を組み合わせて説明する。
  • 同行指導と相談窓口:独り立ち前のOJTと、困った際の連絡先を明確にする。
  • 利用者への丁寧な説明:担当者の研修歴、介護技術、緊急時の対応を伝え、不安や疑問を聞く。
  • キャリア形成:介護福祉士資格の取得など、中長期で成長できる道筋を示す。
  • 双方に配慮した職場づくり:外国人材にも日本人職員にも、指導負担が一方的に偏らない体制をつくる。

厚生労働省の2025年10月末時点の集計では、日本で働く外国人労働者は257万1,037人と過去最多になりました。外国人介護人材を考えるうえでも、人数の確保に加えて、安心して働き続けられる環境づくりが大切です。出典:厚生労働省「外国人雇用状況」(2026年1月30日公表)

よくある質問

Q1. 外国人介護士に訪問介護を任せられますか?

A. 特定技能「介護」などの外国人材も、所定の要件と事業所側の受入体制を満たせば訪問系サービスに従事できます。ただし、在留資格・研修・実務経験などの条件や必要な手続きは制度によって異なります。受け入れ前に最新の公的資料を確認してください。

Q2. 77.1%が「外国人介護士を歓迎」しているという意味ですか?

A. いいえ。外国人介護スタッフが訪問系サービスに従事することについて、人手不足解消など何らかのプラス面を挙げた人の割合です。「歓迎する」「ぜひ担当してほしい」と回答した割合ではありません。

Q3. 外国人介護士の採用で施設の離職率は下がりますか?

A. 採用だけで離職率が下がるとは言えません。今回紹介した資料も、外国人材の採用によって特定の施設の離職率が何%改善したと実証したものではありません。業務分担、教育、相談体制、既存職員の負担も含めて検討する必要があります。

まとめ|「ありがとう」が生まれる介護現場を、国籍を超えて

外国人介護士に感謝する高齢者、国家資格に挑戦するスタッフ、その働きぶりを見つめる日本人ベテラン職員。今回紹介した実話には、外国人介護人材が日本の介護に関わる前向きな姿があります。

一方で、言語・生活習慣の違いに対する不安を軽視することはできません。2026年の意識調査が示したのは、研修や緊急時の体制を伝えることが、安心感につながり得るという点でした。

介護ケアジャパンでは、国籍にかかわらず介護の仕事に向き合う人を尊重し、受入事業所と働く人の双方にとって持続可能な外国人介護人材の活用を考えていきます。

出典・参考

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