特定技能介護協議会とは?加入義務・申請前加入ルール・手続きを解説

目次

結論(30秒でわかる要点)

特定技能介護協議会とは、介護分野で特定技能外国人を受け入れるすべての施設が加入を義務づけられている、厚生労働省が所管する公的組織です。

  • 加入は法的義務:協議会に加入していない場合、特定技能「介護」の在留申請に必要な手続きが進められず、
    採用スケジュールに大きな支障が出る
  • 入会のタイミングが変わった:2024年6月15日以降、在留申請の「前」に加入が必要(旧ルールから変更)
  • 事務局は国際厚生事業団:入会証明書の発行まで申請から概ね2週間を要する

対象者:これから特定技能外国人の介護士を受け入れる予定の施設担当者・管理者の方

⚠️ 本記事の情報は執筆時点のものです。制度は随時更新されるため、最新の公的資料(厚生労働省・出入国在留管理庁)で必ずご確認ください。

はじめに

はじめに|介護現場のイメージ

「特定技能外国人を採用したいけれど、協議会への加入って何をすればいいの?」「加入しないとどうなるの?」——そんな疑問を持つ施設担当者の方は少なくありません。

特定技能制度は2019年4月に施行されて以来、介護分野での受入人数は急増しており、2024年12月末時点で44,367人(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)に達しています。一方で、手続きの複雑さから「協議会への加入が遅れて採用が頓挫した」という事例も後を絶ちません。

この記事では以下の点をわかりやすく解説します。

  • 特定技能介護協議会とは何か、その役割と目的
  • 加入しないとどうなるか、加入のタイミングと手順
  • 2024年に行われた手続き見直しの内容と注意点
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特定技能介護協議会とは何か|基礎知識と設立背景

用語の定義

特定技能介護協議会とは:介護分野において特定技能外国人を受け入れる施設が加入を義務づけられている、厚生労働省が所管する公的な組織のことです(40字)。

正式名称は「介護分野における特定技能協議会」で、事務局は公益社団法人国際厚生事業団(外国人介護人材支援部)が担っています。

協議会が設立された背景

日本の介護業界は、深刻な人手不足に直面しています。厚生労働省の推計によれば、2022年時点で215万人だった介護職員は、2026年には240万人、2040年には272万人が必要とされており(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)、国内人材だけでの確保は困難な状況です。

こうした背景から、2019年4月に在留資格「特定技能」が新設されました。しかし、外国人材の受け入れを野放しにすると、労働環境の悪化や不適正な雇用管理が生じるリスクもあります。そこで設けられたのが「協議会」という仕組みです。

協議会の主な活動内容

協議会は単なる登録機関ではなく、以下のような多岐にわたる活動を行っています。

  • 特定技能制度の趣旨や優良事例を受入施設へ周知する
  • 受入施設が法令を遵守しているかを確認・啓発する
  • 就業構造や経済情勢の変化に関する情報を収集・分析する
  • 地域別の人手不足状況を把握し、大都市圏への集中を防ぐ対策を検討する
  • 受入れの円滑かつ適正な実施のために必要な情報・課題を共有・協議する

協議会に加入することで、施設側は制度改正の最新情報をタイムリーに受け取れるというメリットもあります。

加入義務と未加入のリスク|なぜ必ず入らなければならないのか

加入は法律で義務づけられている

特定技能協議会への加入は、「出入国管理及び難民認定法(入管法)第19条の17」に基づいて義務づけられています。これは任意参加ではなく、法的な要件です。

加入が義務となる主な対象は、介護分野で特定技能外国人を受け入れる受入機関です。

登録支援機関についても、支援業務を委託される場合には、協議会や関係機関から求められる
協力・情報提供に対応する必要があります。実際の手続きでは、
受入機関・登録支援機関の役割を確認したうえで進めることが重要です。

なお、特定技能「介護」は直接雇用が原則です。訪問系サービスについては、2025年4月21日以降、一定の要件を満たす場合に従事できるようになりました。具体的には、介護職員初任者研修課程等の修了、介護事業所等での実務経験、訪問業務に関する研修、同行訓練、緊急時対応体制などが求められます。

加入しないとどうなるか

協議会に未加入のまま在留資格申請を行うと、以下のような深刻な問題が発生します。

  1. 在留資格認定証明書が発行されない:採用予定の外国人が日本に来られない
  2. 入管での審査が長期化:採用スケジュール全体が後ろ倒しになる
  3. 監督官庁から指導を受ける:施設としての信用を損なうリスクがある
  4. 必要な人材を確保できない:事業計画や現場運営に支障をきたす

「協議会の加入は後からでもいい」と考えていると、採用が完全に止まってしまいます。特に2024年6月以降は、申請「前」の加入が必須となったため、早めの対応が不可欠です。

加入の流れと2024年の手続き見直し|具体的なステップ解説

加入の流れと2024年の手続き見直し|具体的なステップ解説|介護現場のイメージ

2024年6月15日施行:加入タイミングの重要な変更

かつては、特定技能外国人を受け入れてから一定期間内に協議会へ加入すればよいとされていました。しかし、2024年2月15日付の厚生労働省告示第66号により、在留諸申請を地方入管局に行う「前」に協議会の構成員となることが義務化され、同年6月15日に施行されました。

この変更により、協議会への加入が採用プロセスの最初期に位置づけられることになりました。

入会の具体的な手順(Step形式)

Step 1:介護分野における特定技能協議会の入会システムから申請
令和6年5月27日以降は、新システムを使用して入会申請を行います。申請は、協議会事務局である公益社団法人国際厚生事業団の案内に従って進めます。旧システムは使用できないため、必ず最新の入会システムを利用してください。

Step 2:事務局による内容確認
申請後、公益社団法人国際厚生事業団(外国人介護人材支援部)の事務局窓口で内容が確認されます。申請内容に不備がある場合は差し戻しが発生し、やり取りが完了するまで追加の時間がかかります。

Step 3:入会証明書の受領(概ね2週間)
事務局の確認が完了してから、入会証明書の発行まで概ね2週間を要します。差し戻しがあった場合はさらに時間がかかるため、余裕を持ったスケジュールで動くことが重要です。

Step 4:在留資格申請へ進む
入会証明書を取得した後、地方入管局への在留資格申請を行います。

旧システムから新システムへの移行(既加入施設向け)

2024年5月26日以前にすでに協議会へ加入していた施設は、以下の2つの手続きが必要でした。

  • 新システムへの移行手続き:移行用コードを使ってシステムを切り替える
  • 入会証明書の更新手続き:旧様式の入会証明書は2025年1月1日より無効となった

旧様式の入会証明書は2024年12月31日までは移行措置として使用可能でしたが、2025年1月1日以降は新様式への更新が必須です。移行用コードの再発行には2〜3週間かかり、郵送費も施設側の負担となるため、紛失には十分注意が必要です。

申請時の主な注意点

  • 申請書類に不備があると差し戻しとなり、採用スケジュールが大幅に遅れる
  • 別の事業所で受け入れを行う場合、事業所単位で加入が必要なケースがある
  • 受け入れ人数に変更が生じた際は、協議会への届出が義務づけられている場合がある
  • 登録支援機関による手続き代行が認められていない分野もあるため、事前確認が必要

実際の運用事例から学ぶ|スムーズに進んだケースとつまずいたケース

実際の運用事例から学ぶ|スムーズに進んだケースとつまずいたケ...|介護現場のイメージ

成功事例①:早期加入で採用スケジュールを守った施設

関東のある特別養護老人ホームでは、採用活動を開始すると同時に協議会への加入申請を進めました。入会証明書の取得に約2週間かかることを見越して、採用面接と並行して申請を行ったため、在留資格申請のタイミングに間に合わせることができました。

担当者は「最初は協議会への加入が何のためにあるのか分からなかったが、制度改正の情報が届くようになり、運用面でも助かっている」と話します。早めに動くことで、採用活動全体がスムーズに進んだ好例です。

成功事例②:登録支援機関と連携してミスなく完了

関西のある介護老人保健施設では、初めての特定技能外国人受け入れにあたり、登録支援機関に支援業務を委託しました。書類チェックや申請サポートを専門家に任せたことで、差し戻しなしに一発で申請が通り、予定通りの時期に外国人介護士を迎えることができました。

ポイントは「自分たちだけで抱え込まない」こと。特に初めての受け入れでは、制度の細かいルールを把握しきれないことも多いため、専門家の力を借りることが結果的に時間とコストの節約につながります。

よくある質問(専門家に聞く)

介護ケアジャパン・GENSAI Career Consulting Corp代表の大町潤一氏(元看護師・介護福祉士)に、外国人介護士の受け入れに関する現場目線の疑問をぶつけました。

Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?

「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。

一番伝えたいこと

「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」

私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。

それは:

1. 受け入れる側の覚悟

  • 最初は時間がかかることを理解する
  • 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
  • 文化の違いを楽しむ心

2. 外国人介護士のポテンシャル

  • 真面目で一生懸命
  • 学ぶ意欲が高い
  • 利用者様を大切にする心

3. 長期的な視点

  • すぐに結果を求めない
  • 信頼関係を築くのに時間をかける
  • 3年、5年後の姿を一緒に描く

「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」

「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」

最後に

「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」

「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」

Q. 元看護師・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?

「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。

元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:

1. 現場目線での人材選考

  • 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
  • 技術だけでなく、人柄や適性を重視
  • 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ

2. 実践的な教育プログラム

  • 現場で本当に必要な技術を優先
  • 教科書的な知識より、実際の動きを重視
  • 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える

3. 施設側の悩みに寄り添える

  • 「受け入れる側」の大変さを理解している
  • 現実的なアドバイスができる
  • 一緒に問題を解決する姿勢

「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」

制度に関するよくある質問

Q1. 特定技能介護協議会への加入に費用はかかりますか?

A. 介護分野の協議会への加入費・年会費は無料です。ただし、建設分野や工業製品製造分野など一部の分野では会費が必要なため、分野ごとに確認が必要です。介護分野においては費用面での負担なく加入できる点は、施設にとって大きなメリットといえます。

Q2. 入会証明書はどのくらいで発行されますか?

A. 申請内容の確認が完了してから、入会証明書の発行まで概ね2週間を要します。申請書類に不備があり差し戻しが発生した場合は、やり取りが完了してからさらに2週間かかります。採用スケジュールに余裕を持って、早めに申請することをおすすめします。

Q3. 特定技能外国人が訪問介護に従事することはできますか?

A. はい。
2025年4月21日以降、特定技能外国人も一定の要件を満たす場合に訪問系サービスへ従事できるようになりました。

主な要件として、介護職員初任者研修課程等の修了、介護事業所等での実務経験、訪問業務に関する研修、責任者等による同行訓練、利用者・家族への説明、ハラスメント防止体制、緊急時対応体制の整備などが求められます。

ただし、誰でも直ちに訪問介護へ配置できるわけではありません。実際に従事させる場合は、厚生労働省の最新通知や必要な手続きを確認したうえで進める必要があります。

Q4. 協議会の構成員遵守事項とはどのような内容ですか?

A. 2024年5月27日施行の改正入会規程により、入会証明書に記載された「構成員遵守事項」を守ることが明記されました(第3条第3項)。また、法令・規程・遵守事項が守られていないと認められる場合、協議会が当該構成員の脱退手続きを行うことができると定められています(第7条第2項)。具体的な遵守事項の内容は、協議会事務局または厚生労働省のホームページでご確認ください。

Q5. 複数の事業所で受け入れる場合、協議会加入は1回でよいですか?

A. 複数の事業所で特定技能外国人を受け入れる場合は、受入機関としての加入状況に加えて、受け入れる事業所ごとの情報登録・追加手続きが必要になる場合があります。

同じ法人内であっても、別の事業所で新たに特定技能外国人を受け入れる場合は、事前に協議会事務局の案内を確認してください。申請漏れや登録情報の不備があると、在留申請や受け入れスケジュールに影響する可能性があります。

まとめ

特定技能介護協議会は、外国人介護士を受け入れるすべての施設にとって「避けて通れない最初のステップ」です。

  • 加入は法的義務:未加入では在留資格申請が受理されず、採用自体が不可能になる
  • 2024年6月以降は在留申請「前」の加入が必須:旧ルールとは異なるため、過去の情報に注意
  • 入会証明書の発行まで約2週間:余裕を持ったスケジュールで早めに動くことが成功の鍵

「まず協議会への加入申請を進める」——この一歩を早めに踏み出すことが、スムーズな採用につながります。手続きに不安がある場合は、登録支援機関や専門家への相談も有効な選択肢です。

⚠️【YMYL注意】本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。特定技能制度は法改正・告示改正が頻繁に行われるため、実際の手続きにあたっては必ず最新の厚生労働省・出入国在留管理庁の公式資料、または専門家にご確認ください。

出典・参考

  • 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日(https://www.mhlw.go.jp/)…特定技能「介護」受入人数・国籍別ランキング・受入上限(135,000人)・在留者数推移の根拠
  • 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(https://www.mhlw.go.jp/)…2026年・2040年の介護職員必要数(240万人・272万人)の根拠
  • 厚生労働省告示第66号「介護分野における特定技能協議会 手続きの見直しについて」令和6年2月15日公開・令和6年6月15日施行…在留申請前の協議会加入義務化の根拠
  • 介護分野における特定技能協議会(公益社団法人国際厚生事業団 外国人介護人材支援部)公式サイト…入会手続き・新旧システム移行・入会証明書に関する情報の根拠
  • 厚生労働省「外国人介護人材の確保・定着」2025年資料…特定技能1号(44,367人)・技能実習(15,909人)・在留資格「介護」(12,227人)・EPA(3,180人)の根拠
  • 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別合格率・国家試験受験理由・職場支援内容のデータの根拠
  • 法務省「特定技能における分野別の協議会について」(https://www.moj.go.jp/)…協議会の活動内容・業種別一覧の根拠

この記事の監修者

大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。

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