結論(30秒でわかる要点)
外国人介護士の採用費用は、採用ルートと在住状況によって大きく異なるが、適切に設計すれば日本人採用より長期コスパに優れる。
- 国内在住の特定技能外国人を採用する場合、初年度総額は64万〜197万円程度が目安
- 海外から新規採用する場合は89万〜239万円程度、ただし3年定着すればコスト優位になりやすい
- 技能実習・育成就労ルートは初期費用が低め、特定技能は即戦力採用に向きコスパが高い
対象者:外国人介護士の採用を検討している施設長・経営者・人事担当者向けの記事です。
> ⚠️ 制度は随時更新されます。費用相場や制度要件は最新の厚生労働省公式資料および専門家にご確認ください。
はじめに

「外国人介護士を採用したいけれど、費用がどれくらいかかるのかわからない」「日本人を採用するのと比べてどちらがお得なのか?」——介護施設の経営者や人事担当者から、こうした疑問をよく耳にします。
厚生労働省の調査によれば、2040年には介護職員が2022年比で57万人不足するとされており(2022年実績:215万人、2040年必要数:272万人)、外国人介護士の活用はもはや選択肢ではなく必須の戦略になりつつあります。特定技能「介護」の在留者数は2025年12月末時点で67,871人(受入見込数13.5万人に対する充足率50.3%)に達し、制度開始から約6年で急増しています。
しかし、費用体系が複雑で「結局いくらかかるのか」が見えにくいのが現実です。
この記事でわかること:
- 採用ルート別(特定技能・技能実習・EPA)の費用シミュレーション
- 初期費用・ランニングコストの内訳と相場
- 日本人採用との長期コスト比較
- 費用を抑えるための具体的な3つのポイント
外国人介護士の費用シミュレーション|採用ルートと費用構造の基礎知識

「外国人介護士 費用シミュレーション」とは
外国人介護士を採用・雇用するにあたって発生する初期費用・月額費用・年間コストを採用ルート別に試算し、日本人採用との比較や最適な採用戦略を検討するための分析手法のこと。
対象となる主な採用ルート:
- 特定技能「介護」(国内在住者・海外からの新規採用)
- 技能実習(育成就労)
- EPA(経済連携協定)
- 在留資格「介護」(介護福祉士取得者)
費用が発生する主なタイミング:
- 採用前(人材紹介手数料・ビザ申請費用・渡航費など)
- 採用後(登録支援機関への委託費・在留資格更新費・研修費など)
- 毎月(給与・支援委託費・福利厚生費)
外国人介護士の採用が増えている背景
介護業界における人手不足は構造的な問題です。厚生労働省のデータによれば、2026年には2022年比で25万人の介護職員が追加で必要とされています。国内での人材確保が限界を迎えるなか、外国人介護士の受け入れは現場の崩壊を防ぐための現実的な解決策として注目されています。
特定技能「介護」の在留者数は2024年末の44,367人から2025年末には67,871人へと急増しており、
国籍別ではインドネシア(21,139人・31.1%)、ミャンマー(19,803人・29.2%)、ベトナム(10,401人・15.3%)が
上位を占めています。
費用が複雑になる主な要因
外国人介護士の費用が「わかりにくい」と感じられる理由は、以下の要因が絡み合っているためです。
- 採用ルートによって費用構造が異なる(特定技能・技能実習・EPAで全く異なる)
- 国内在住か海外在住かで初期費用が大きく変わる
- 支援業務を外部委託するか自社対応するかで月額コストが変動する
- 建設業など一部の分野では追加の団体費用が発生する
- 助成金・補助金の活用有無でネットコストが変わる
採用ルート別!外国人介護士の費用シミュレーション

Step1:特定技能「介護」の費用シミュレーション
特定技能「介護」は、即戦力または経験者を採用できる点が特徴です。費用は「国内在住者の採用」と「海外からの新規採用」で大きく異なります。
【国内在住の特定技能外国人を採用する場合】
| 費用項目 | 相場(1名あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 人材紹介手数料 | 15万〜90万円 | 定額制または年収の20〜30% |
| 在留資格切替申請費 | 10万〜15万円 | 行政書士への依頼が一般的 |
| 住居準備費 | 10万〜50万円 | 社宅提供の場合は変動 |
| 健康診断費 | 1万円程度 | 年1回 |
| 登録支援機関委託費(月額) | 2万〜3万円/月 | 義務的支援の外部委託 |
| 在留資格更新費 | 4万〜5万円/回 | 更新時に発生 |
| 初年度総額目安 | 64万〜197万円 | 給与・法定福利費は別途 |
登録支援機関委託費の業界相場は、低価格帯で1.5万〜2万円/月、標準帯で2万〜3万円/月、高価格帯で3万〜3.5万円以上/月とされています(対応言語・在留申請代行の有無・委託人数によって変動)。上記表の「2万〜3万円/月」は業界の標準帯に位置する数字です。
※上記はあくまで一般的な相場の目安です。介護ケアジャパンでの正式な料金プランは「採用費用のご案内」でご確認いただけます。
【海外在住の特定技能外国人を採用する場合(追加費用)】
| 追加費用項目 | 相場 | 備考 |
|---|---|---|
| 渡航費(航空券) | 4万〜10万円 | 企業負担が一般的 |
| 現地送り出し機関費用 | 20万〜30万円 | 現地での選考・教育費用 |
| 入国前健康診断 | 1万〜2万円 | 現地での受診費用含む |
| 海外採用の初年度総額目安 | 89万〜239万円 | ルート・紹介会社により変動 |
Step2:技能実習(育成就労)の費用シミュレーション
技能実習(現在は育成就労制度への移行が進行中)は、未経験者をゼロから育てるルートです。監理団体(組合)を通じた受け入れが必要となります。
| 費用項目 | 相場(1名あたり) | 備考 |
|---|---|---|
| 監理団体入会金・初期費用 | 30万〜50万円 | 現地面接渡航費・入国前講習費含む |
| 監理費(月額) | 3万〜5万円/月 | 指導・監査料として毎月発生 |
| 3年間の総額目安 | 138万〜230万円 | 給与・法定福利費は別途 |
Step3:技能実習から特定技能への移行ケース
すでに技能実習で在留している外国人を特定技能に移行させる場合は、渡航費や住居準備費が不要なため、最も低コストで済みます。
| 費用項目 | 相場 |
|---|---|
| 在留資格変更申請費 | 10万〜20万円 |
| 住居準備費(既入居のため最小限) | 4万〜5万円 |
| 登録支援機関委託費(月額) | 2万〜3万円/月 |
| 移行時の初期費用目安 | 17万〜29万円 |
技能実習から特定技能への移行は、コスト面で最も有利な選択肢の一つです。すでに施設の文化や業務に慣れているスタッフをそのまま継続雇用できる点も大きなメリットです。
日本人採用との長期コスト比較|3年間でどちらが得か

3年間の総コスト比較シミュレーション
外国人介護士の採用費用を「高い」と感じる方も多いですが、日本人採用と長期で比較すると見え方が変わります。以下は給与・法定福利費を除いた、採用・管理にかかる外出しコストのみの試算です。
| 比較項目 | 日本人(人材紹介) | 技能実習(育成就労) | 特定技能(支援委託) |
|---|---|---|---|
| 初期採用費 | 約105万円 | 約40万円 | 約60万円 |
| 月額管理費(3年分) | 0円 | 4万円×36ヶ月=144万円 | 2.5万円×36ヶ月=90万円 |
| 3年間の合計 | 約105万円 | 約184万円 | 約150万円 |
| 定着リスク | 早期離職リスクあり | 定着率:高 | 定着率:中〜高 |
数字だけ見ると日本人採用が安く見えますが、これは「3年間同じ人材が在籍し続けた場合」の試算です。介護業界の高卒就職者の3年以内離職率は約4割とされており(参考記事より)、1年で退職して再度採用費が発生するリスクを考慮すると、外国人材のコストパフォーマンスは決して劣りません。
外国人介護士が定着しやすい構造的な理由
特定技能の在留資格は「その職種・分野での就労」と紐付いているため、日本人のように「業界そのものを離れる」という選択が取りにくい構造になっています。外国人介護士が転職・離職を検討するのは主に「より待遇の良い施設を見つけたとき」か「職場の人間関係が悪化したとき」です。
つまり、待遇と職場環境を整えることで、定着率を大きくコントロールできるという点が、
日本人採用との大きな違いです。
費用を抑えるための3つのポイント

ポイント1:自社支援への切り替えを目指す
登録支援機関への委託費(月2万〜3万円)は、自社で支援業務を担える体制を整えることでゼロにできます。
最初は外部委託でノウハウを蓄積し、2人目・3人目の採用時には自社支援に切り替えるのが現実的なステップです。
自社支援のメリット:
- 月額委託費(年間24万〜36万円)が不要になる
- 外国人スタッフとの関係構築が深まる
- 施設独自のサポート体制を構築できる
ポイント2:助成金・補助金をフル活用する
「人材開発支援助成金」を活用すれば、日本語研修や実務者研修にかかる経費・賃金の一部が助成されます。また、各都道府県が独自に設けている「外国人受入環境整備補助金」なども活用できるケースがあります。採用を依頼する支援機関や行政書士が助成金に精通しているかどうかが、実際の節約額に大きく影響します。
ポイント3:中間マージンの少ない紹介ルートを選ぶ
一般的な大手紹介会社では、国内の紹介会社と現地の送り出し機関の両方に手数料を支払う構造になっています。現地に自社拠点を持ち、選考から教育まで一貫して対応できる紹介会社を選ぶことで、中間マージンを削減し、初期費用を大幅に抑えることが可能です。
具体的な受け入れ事例|費用シミュレーションの現場での活用
事例①:特別養護老人ホームでの特定技能採用(国内在住者)
関東のある特別養護老人ホーム(定員80名規模)では、国内在住の特定技能外国人を2名採用しました。人材紹介手数料は1名あたり45万円、在留資格申請費が各12万円、住居は既存の社宅を活用したため初期費用を大幅に抑えられました。登録支援機関への委託費は月2.5万円で、初年度の総コストは2名合わせて約150万円(支援委託費含む)に収まりました。
この施設では採用1年後も2名が継続勤務しており、「日本人スタッフの採用・離職コストと比較しても、十分に見合う投資だった」と担当者は振り返っています。
事例②:グループホームでの技能実習から特定技能への移行
近畿のあるグループホーム(定員18名)では、技能実習生として3年間勤務したスタッフを特定技能へ移行させました。移行費用は在留資格変更申請費のみで約15万円。すでに施設の業務に慣れているため、研修コストもほぼゼロで済みました。
移行後は登録支援機関への委託を継続しつつ、2年目から自社支援に切り替える計画を進めており、ランニングコストの削減も実現しています。
よくある質問(専門家に聞く)
外国人介護士の採用・費用に関して、看護師・介護福祉士であり、GENSAI Career Consulting Corp代表の大町潤一氏によく寄せられる質問をご紹介します。
Q. 費用を抑えられると聞きましたが、なぜ可能なのですか?
「費用のことって、やっぱり気になりますよね」と大町は施設経営者の立場をよく理解しています。
一般的な大手紹介会社だと、1名あたり75万〜145万円くらいが初期費用の相場なんです。
| 項目 | 費用相場 |
|---|---|
| 国内人材紹介手数料 | 30万〜60万円 |
| 現地海外送り出し機関手数料 | 20万〜40万円 |
| 在留資格申請代行費 | 10万〜15万円 |
| 渡航費(航空券) | 5万〜10万円 |
| 住居初期費用 | 10万〜20万円 |
| 合計 | 約75万〜145万円 |
「この中で特に大きいのが、国内の紹介会社と現地の送り出し機関、両方に手数料を払うことなんです」
介護ケアジャパンが費用を抑えられる理由
「私たちは、フィリピンに実際の拠点を持っているので、国内紹介と現地送り出し、両方を一つで運営しているんです」
つまり、中間マージンが発生しない仕組みです。
「2015年からフィリピンで事業をやってきたからこそ、現地で直接、候補者の選考から教育まで一貫してできる。それが、費用を抑えられる一番の理由ですね」
「『安いから不安』ではなく、合理化して必要品質を確保していると考えていただければと思います」
介護ケアジャパンの採用費用プランは、初期費用を抑えたい施設様向けの「プラン1」と、月額コストを抑えたい施設様向けの「プラン2」の2種類をご用意しています。
プラン1(初期費用重視)
- 初期費用:99,800円/名(税込・期間限定キャンペーン価格、通常250,000円)
- 月額登録支援費:22,000円/名(税込)
プラン2(月額コスト重視)
- 初期費用:インドネシア250,000円/名、フィリピン200,000円/名(税別)
- 月額登録支援費:16,500円/名(税込・業界最安水準)
業界全体の登録支援機関委託費の相場は、低価格帯で1.5万〜2万円/月、標準帯で2万〜3万円/月、高価格帯で3万〜3.5万円以上/月とされています。介護ケアジャパンの月額登録支援費(16,500円〜22,000円)は、この相場の中でも標準〜低価格帯に位置しています。
※フィリピン採用の場合は、いずれのプランも月額監理費10,000円/名(税別)が別途発生します。航空券代・在留資格申請サポート費は両プラン共通で別途となります。最新の料金・詳細は「採用費用のご案内」でご確認ください。
Q. 採用人数が少なくても(1〜2名)、対応してもらえますか?
「もちろんです!」と大町は即答します。
「むしろ、1〜2名の小規模採用こそ、丁寧にサポートしたいと思っています」
大手紹介会社の場合:
- 「まとまった人数でないと対応できない」と断られることも
- 小規模施設は後回しにされがち
私たちの場合:
- 1名からでも対応可能
- むしろ、少人数の方が丁寧なマッチングができる
- 施設の文化に合う人材を選びやすい
小規模採用のメリット:
- じっくり育成できる
- 職員との関係が深まりやすい
- トラブル時の対応がしやすい
「小規模だからこそ、『この人』という信頼関係が大事です。一緒に良い人材を見つけましょう」
制度に関するよくある質問
Q1. 特定技能「介護」は訪問系サービスにも従事できますか?
A. はい、2025年4月21日以降、一定の要件を満たすことで特定技能「介護」外国人が訪問系サービスに従事できるようになりました。主な要件は以下の3点です。
- 研修修了:介護職員初任者研修・生活援助従事者研修・介護職員基礎研修・実務者研修のいずれかを修了していること
- 実務経験:介護事業所(施設・通所・短期入所系サービス)での実務経験が原則として通算1年以上あること
- JICWELS適合確認:受入機関がJICWELS(国際厚生事業団)に必要書類を提出し、「適合確認書」の発行を受けること
なお、実務経験が1年未満の場合は、JLPT N2合格と同行訪問(OJT、原則6か月)が追加で必要となります。制度の詳細は厚生労働省の最新資料でご確認ください。
Q2. 特定技能「介護」の受入上限はありますか?
A. はい、特定技能「介護」の5年間の受入見込数(上限)は135,000人と設定されています。2025年12月末時点で67,871人が在留しており、充足率は50.3%です。今後の状況変化には注意が必要です。
Q3. 外国人介護士の給与はどのくらいが目安ですか?
A. 特定技能外国人の給与は、日本人と同等以上の水準が法律で義務付けられています。介護職の月給の平均的な相場はおよそ21万円前後とされています。給与水準を下回ることは認められないため、採用前に地域の賃金相場を確認しておくことが重要です。
Q4. 登録支援機関への委託は必ず必要ですか?
A. いいえ、必須ではありません。自社内に支援業務を担える常勤の担当者がいる場合は、「自社支援」として登録支援機関への委託なしで対応することも可能です。ただし、支援体制の要件を満たす必要があるため、特に受け入れ初期は外部委託からスタートし、ノウハウが蓄積されてから自社支援に切り替えるケースが多いです。
Q5. 技能実習(育成就労)と特定技能、どちらを選ぶべきですか?
A. 施設の状況によって最適解は異なります。
- 育成重視・未経験者を長期育成したい場合:技能実習(育成就労)
- 即戦力・コスパ重視・採用スピードを重視する場合:特定技能
特定技能は入職まで約4〜6か月と比較的短期間で採用でき、月額の支援委託費も抑えやすい設計になっています。紹介手数料を抑えられれば、トータルコストで最も有利になるケースが多いです。
まとめ
外国人介護士の費用シミュレーションを通じて、以下の3点が明らかになりました。
- 採用ルートと在住状況によって費用は大きく異なる:国内在住の特定技能採用なら64万〜197万円、海外からの新規採用なら89万〜239万円が初年度の目安
- 3年間の長期視点で見ると、外国人介護士は日本人採用より定着率が高く、コストパフォーマンスに優れるケースが多い
- 自社支援への切り替え・助成金活用・中間マージンの少ない紹介ルート選択の3つがコスト削減の鍵
まずは自施設の状況(規模・採用人数・予算・育成方針)を整理したうえで、専門家への無料相談から始めることをおすすめします。費用の全体像を把握してから採用計画を立てることで、想定外のコスト発生を防ぐことができます。介護ケアジャパンの料金プランの詳細は「採用費用のご案内」からご確認いただけます。
> ⚠️【YMYL注意】本記事の費用相場・制度情報は執筆時点の情報をもとにしており、今後変更される可能性があります。最終的な判断は、最新の厚生労働省公式資料および専門家(行政書士・登録支援機関等)にご確認ください。
出典・参考
- 出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」…特定技能1号67,871人(2025年12月末時点)・受入見込数135,000人・国籍別ランキングの根拠
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…2022年実績215万人・2026年必要数240万人・2040年必要数272万人の根拠
- 厚生労働省「外国人介護人材の確保・定着」2025年資料…2024年末時点の特定技能1号44,367人・技能実習15,909人・在留資格「介護」12,227人・EPA3,180人の根拠
- 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」(社援発0331第40号・老発0331第12号、2025年3月31日付)…2025年4月21日施行の訪問系サービス従事要件変更の根拠
- 厚生労働省「外国人労働者の在留資格区分別賃金及び対前年増減率」…外国人介護職の給与水準の参考根拠
- 登録支援機関の費用相場ガイド(2026年7月時点の調査記事)…登録支援機関の月額委託費(低価格帯1.5万〜2万円/標準帯2万〜3万円/高価格帯3万〜3.5万円以上)の根拠
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。