特定技能介護の試験は何語で受けられる?対応言語・試験内容・申込方法を解説

目次

結論(30秒でわかる要点)

特定技能「介護」の試験は、技能試験が13言語・日本語試験は日本語のみで受験でき、母国語で技術知識を確認しながら日本語力も問われる二段階構造になっている。

  • 重要ポイント①:介護技能評価試験は13言語対応、日本語が苦手でも受験しやすい
  • 重要ポイント②:介護日本語評価試験は日本語のみ、合格基準は80%以上と高め
  • 重要ポイント③:2試験とも受験料は約2,000円、CBT方式でコンピューター受験
  • 対象者:特定技能「介護」での就労を目指す外国人、または採用を検討している介護施設の担当者
  • ⚠️ 制度・試験内容・受験料は随時更新されるため、必ず厚生労働省・プロメトリック公式サイトで最新情報を確認してください。

はじめに

はじめに|フィリピン人介護士のイメージ

「介護の特定技能試験って、何語で受けられるの?」「日本語が苦手でも受験できる?」——外国人介護人材の採用を検討している施設担当者や、これから日本で介護職として働きたい外国人の方から、こうした質問が絶えません。

特定技能「介護」の試験制度は2019年にスタートし、2024年12月時点で特定技能1号の在留者数は44,367人(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)にまで拡大しています。制度の普及とともに、試験の仕組みや言語対応への関心も急速に高まっています。

この記事でわかること:

  • 介護技能評価試験・介護日本語評価試験それぞれの対応言語
  • 試験の内容・問題数・合格基準の具体的な数字
  • 受験申込から当日の流れまでのステップ
  • 施設側が知っておくべき支援のポイントと専門家の見解
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特定技能「介護」試験の基礎知識|2種類の試験と言語の違い

特定技能「介護」試験の基礎知識|2種類の試験と言語の違い|フィリピン人介護士のイメージ

用語の定義

特定技能「介護」試験の言語とは、介護分野の特定技能1号を取得するために必要な「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」において、受験者が問題文を読み解くために選択できる言語の種類のことを指す。

2つの試験の概要と対応言語

特定技能「介護」で就労するためには、以下の3つの要件を満たす必要があります。

  1. 日本語試験:国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)またはJLPT N4以上に合格
  2. 介護技能評価試験:介護の知識・技術を問う試験に合格
  3. 介護日本語評価試験:介護現場で使う日本語能力を問う試験に合格

※技能実習2号(介護職種)を良好に修了した場合、介護技能評価試験・介護日本語評価試験が免除されます。

この2つの試験において、「言語の選択」が大きなポイントになります。

試験名 対応言語 問題数 試験時間 合格基準
介護技能評価試験 13言語(日本語・英語・ベトナム語・インドネシア語・タイ語・ビルマ語・モンゴル語・ネパール語・クメール語・中国語・ウズベク語・ベンガル語・ウルドゥー語) 45問 60分 総得点の60%以上
介護日本語評価試験 日本語のみ 15問 30分 総得点の80%以上

(出典:厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」・プロメトリック公式サイト)

13言語対応の背景と意義

介護技能評価試験が13言語に対応している理由は、受験者の国籍が多様であることに加え、「介護の技術・知識」そのものを公平に評価するためです。日本語力が十分でなくても、介護の専門知識があれば試験に臨める設計になっています。

2024年12月時点の特定技能「介護」在留者44,367人の国籍内訳を見ると:

  • 1位:インドネシア 12,242人(27.6%)→ インドネシア語対応
  • 2位:ミャンマー 11,717人(26.4%)→ ビルマ語対応
  • 3位:ベトナム 8,910人(20.1%)→ ベトナム語対応
  • 4位:フィリピン 4,538人(10.2%)→ 英語・タガログ語(学習テキスト)対応
  • 5位:ネパール 3,602人(8.1%)→ ネパール語対応

上位5か国で全体の9割以上を占めており、これらの言語はすべて試験でカバーされています。(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)

介護技能評価試験・介護日本語評価試験の詳細内容

介護技能評価試験・介護日本語評価試験の詳細内容|フィリピン人介護士のイメージ

介護技能評価試験の科目と出題構成

介護技能評価試験はCBT(コンピューター・ベースド・テスティング)方式で実施されます。試験会場のパソコンに表示された問題を、マウスやキーボードで回答する形式です。

学科試験(40問)の内訳:

  • 介護の基本:10問
  • こころとからだのしくみ:6問
  • コミュニケーション技術:4問
  • 生活支援技術:20問

実技試験(5問):

  • 生活支援技術に関するCBT形式の実技問題

合計45問・60分、合格基準は総得点の60%以上(27問以上正解)です。

受験者は試験開始時に言語を選択でき、日本語・英語・ベトナム語・インドネシア語・タイ語・ビルマ語・モンゴル語・ネパール語・クメール語・中国語・ウズベク語・ベンガル語・ウルドゥー語の13言語から自分に合った言語で問題文を読むことができます。

介護日本語評価試験の科目と難易度

介護日本語評価試験は日本語のみでの出題です。問題数は15問・30分と短いですが、合格基準が80%以上(12問以上正解)と高めに設定されています。

出題内容の3区分:

  • 介護のことば:5問(介護現場で使う専門用語)
  • 介護の会話・声かけ:5問(利用者への声かけ表現)
  • 介護の文章:5問(記録・申し送りなどの文章読解)

この試験は「介護現場で実際に使える日本語」に特化しており、難解な文法や抽象的な表現は出題されません。ただし、合格ラインが80%と高いため、介護専門用語の事前学習は欠かせません。

試験の累計合格者数と海外受験の拡大

2019年4月から2025年1月までの累計合格者数:

  • 介護技能評価試験:120,220人(国内40,722人、海外79,498人)
  • 介護日本語評価試験:113,572人(国内40,553人、海外73,019人)

(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)

注目すべきは、海外受験者が国内受験者の約2倍に達している点です。試験は現在13か国(日本を含む)で実施されており、フィリピン・カンボジア・ネパール・インドネシア・モンゴル・タイ・ミャンマー・インド・スリランカ・ウズベキスタン・バングラデシュ・ベトナムでも受験が可能です。

受験申込から合格通知までの具体的な手順

受験申込から合格通知までの具体的な手順|フィリピン人介護士のイメージ

Step1:プロメトリックIDの作成

すべての受験者は、まず試験運営機関「プロメトリック」のウェブサイトでIDを作成します。

注意点:

  • 一人で複数のIDを取得することは禁止(発覚した場合、受験結果が無効になる可能性あり)
  • パスポート情報またはe-KTP情報は、本人確認書類の記載どおりに入力する
  • 氏名情報は39文字まで登録可能

Step2:試験の予約

プロメトリックIDでログイン後、受験したい国・試験日・会場・支払い方法を選択します。

  • 予約可能期間:試験日の59日前〜3営業日前(23:59 日本時間)まで
  • 試験日が土日・日本の祝日の場合は4営業日前まで
  • 個人払い:クレジットカード
  • 企業・団体払い:バウチャー(クーポン券)を購入して使用

受験料は約2,000円(2025年1月より改定、最新料金はプロメトリック公式サイトで確認)

Step3:試験当日の流れ

  1. 試験開始45分前から会場への入場開始
  2. 試験開始30分前までに到着(遅刻した場合は受験不可)
  3. 本人確認書類(パスポート等の原本)を提示
  4. コンピューターで受験・言語選択
  5. 試験終了後、画面に結果が表示される

Step4:合否確認

  • 試験終了直後:画面に結果表示
  • 試験後5営業日以内:プロメトリックのマイページでスコア・結果通知書を閲覧可能

再受験に関する重要な注意点

  • 不合格の場合、試験日の翌日から45日間は同じ試験を受験不可
  • 言語が異なっても、科目が同じであれば「同一試験」とみなされる
  • 45日以内に再受験し合格が判明した場合、合格が取り消される可能性あり

施設担当者が知っておくべき支援のポイント

施設担当者が知っておくべき支援のポイント|フィリピン人介護士のイメージ

合格率に影響する日本語レベルの現実

介護福祉士国家試験における日本語レベル別合格率のデータは、特定技能試験対策を考える上でも参考になります。

日本語能力レベル 介護福祉士国家試験合格率
N1保有者 86.7%
N2保有者 53.4%
N3保有者 25.2%
N4保有者 25.0%
N5保有者 12.5%

(出典:令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」)

日本語レベルが高いほど合格率が大幅に上昇しています。介護日本語評価試験の合格基準が80%と高めに設定されているのも、こうした背景と無関係ではありません。

施設が提供できる学習支援の実態

外国人介護人材が国家試験を受けた際の職場からの支援状況(複数回答):

  • 施設職員に勉強を教えてもらった:36.0%
  • 日本語の先生に教えてもらった:26.7%
  • 勤務時間やシフトの調整:24.8%

(出典:令和6年度老人保健健康増進等事業調査)

施設側の支援が合格率に直結することがわかります。特定技能試験においても、職場内での学習支援体制の整備が重要です。

厚生労働省提供の無料学習ツール

厚生労働省の補助事業として、以下の学習支援コンテンツが無料提供されています。

  • 「にほんごをまなぼう」(公益社団法人日本介護福祉士会WEBコンテンツ):N3程度・特定技能試験対策向けの日本語自律学習支援ツール
  • 介護特定技能評価試験学習用テキスト:日本語・英語・クメール語・インドネシア語・ネパール語・モンゴル語・ビルマ語・ベトナム語・中国語・タイ語・ウズベク語・ベンガル語・ウルドゥー語・タガログ語・ヒンディー語の15言語版を公開(令和7年3月改訂2版)
  • 外国人のための介護福祉専門用語集:英語・クメール語など多言語版あり

これらのツールを施設内学習に活用することで、受験準備のコストを抑えながら合格率を高めることができます。

よくある質問(専門家に聞く)

介護業界の専門家である大町潤一氏(元看護師・介護福祉士、GENSAI Career Consulting Corp代表)に、外国人介護士の採用・育成に関する現場目線の疑問をぶつけました。

Q. 元看護師・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?

「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。

元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:

1. 現場目線での人材選考

  • 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
  • 技術だけでなく、人柄や適性を重視
  • 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ

2. 実践的な教育プログラム

  • 現場で本当に必要な技術を優先
  • 教科書的な知識より、実際の動きを重視
  • 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える

3. 施設側の悩みに寄り添える

  • 「受け入れる側」の大変さを理解している
  • 現実的なアドバイスができる
  • 一緒に問題を解決する姿勢

「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」

Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?

「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。

一番伝えたいこと

「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」

私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。

それは:

1. 受け入れる側の覚悟

  • 最初は時間がかかることを理解する
  • 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
  • 文化の違いを楽しむ心

2. 外国人介護士のポテンシャル

  • 真面目で一生懸命
  • 学ぶ意欲が高い
  • 利用者様を大切にする心

3. 長期的な視点

  • すぐに結果を求めない
  • 信頼関係を築くのに時間をかける
  • 3年、5年後の姿を一緒に描く

「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」

「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」

最後に

「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」

「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」

制度に関するよくある質問

Q1. 介護技能評価試験は何語で受験できますか?

A. 2025年時点で、日本語・英語・ベトナム語・インドネシア語・タイ語・ビルマ語・モンゴル語・ネパール語・クメール語・中国語・ウズベク語・ベンガル語・ウルドゥー語の13言語に対応しています。受験者は試験開始時に自分が読みやすい言語を選択できます。一方、介護日本語評価試験は日本語のみでの出題です。

Q2. 特定技能「介護」の試験は海外でも受験できますか?

A. はい、受験可能です。2025年1月時点で、日本国内(47都道府県)に加え、フィリピン・カンボジア・ネパール・インドネシア・モンゴル・タイ・ミャンマー・インド・スリランカ・ウズベキスタン・バングラデシュ・ベトナムの計13か国で試験が実施されています。海外合格者数は国内の約2倍に達しており、現地での受験が主流になりつつあります。

Q3. 試験に不合格だった場合、すぐに再受験できますか?

A. 不合格の場合、試験日の翌日から起算して45日間は同じ試験を受験できません。また、言語が異なっても科目が同じであれば「同一試験」として扱われるため、言語を変えて再受験することも45日間はできません。45日以内に受験して合格が判明した場合、合格が取り消される可能性があるため注意が必要です。

Q4. 試験の合格基準はどのくらいですか?

A. 2つの試験で合格基準が異なります。介護技能評価試験は総得点の60%以上(45問中27問以上正解)、介護日本語評価試験は総得点の80%以上(15問中12問以上正解)です。介護日本語評価試験の方が合格ラインが高いため、介護専門用語や声かけ表現の事前学習が特に重要です。

Q5. 特定技能「介護」の試験に合格すれば、自動的に在留資格が取得できますか?

A. 試験合格は在留資格「特定技能」取得の要件の一つですが、合格しただけでは在留資格が保証されるわけではありません。在留資格認定証明書の交付申請や在留資格変更許可申請を行っても、必ずしも許可されるとは限りません。合格後は出入国在留管理庁への申請手続きが別途必要です。また、訪問系サービスは特定技能「介護」の対象外であり、直接雇用のみが認められています。

まとめ

この記事で解説した特定技能「介護」試験の言語と制度の要点を整理します。

  • 介護技能評価試験は13言語対応:日本語が苦手でも母国語で介護の知識・技術を問われ、合格基準は60%以上(比較的取り組みやすい設計)
  • 介護日本語評価試験は日本語のみ:介護現場の専門用語・声かけ・文章読解が問われ、合格基準は80%以上(事前学習が不可欠)
  • 施設側の支援が合格率を左右する:職場内での学習サポートや勤務シフトの調整が、外国人スタッフの試験合格・定着に直結する

外国人介護人材の受入れを検討している施設の方は、まず厚生労働省が無料提供している学習テキストや「にほんごをまなぼう」を活用した支援体制を整えることから始めてみてください。

試験制度や受験料・実施国は随時更新されます。最終的な判断は必ず厚生労働省・プロメトリック公式サイトの最新情報をご確認のうえ、専門家にご相談ください。

採用から育成まで一貫したサポートをご希望の方は、介護ケアジャパン・GENSAI Career Consulting Corpへお気軽にご相談ください。

出典・参考

  • 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000207395.html)…特定技能1号在留者数・国籍別ランキング・試験実施国・受入上限・施設種別データの根拠
  • 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…2026年・2040年の介護職員必要数データの根拠
  • 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(https://www.mhlw.go.jp/stf/seisakunitsuite/bunya/0000207395.html)…試験概要・試験言語・合格基準・学習テキスト配布情報の根拠
  • 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別合格率・職場支援内容・受験動機データの根拠
  • プロメトリック「介護特定技能評価試験」公式サイト(https://pf.prometric-jp.com/testlist/care/index.html)…試験申込手順・受験料・予約ルール・再受験規定の根拠
  • 国際交流基金「JFT-Basic 国際交流基金日本語基礎テスト」(https://www.jpf.go.jp/jft-basic/)…日本語試験(JFT-Basic)の概要・A2レベル基準の根拠
  • 公益社団法人日本介護福祉士会「にほんごをまなぼう」…外国人介護人材向け無料日本語学習コンテンツの根拠

この記事の監修者

大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。

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