特定技能介護の応募条件とは?必要な試験・日本語レベル・受け入れ要件を解説

目次

結論(30秒でわかる要点)

特定技能「介護」の応募条件とは、外国人が介護分野で合法的に就労するために満たすべき技能・日本語・年齢などの要件を指し、試験合格または技能実習2号修了が主な取得ルートとなる。

  • 重要ポイント①:介護技能評価試験と介護日本語評価試験の両方に合格する必要がある
  • 重要ポイント②:2025年4月から訪問介護への従事も一定条件のもとで解禁された
  • 重要ポイント③:在留期間は通算5年(特定技能2号は介護分野には設けられていない)

この記事は、特定技能「介護」への応募を検討している外国人の方、および外国人介護士の受け入れを検討している施設担当者の方に向けて書いています。

⚠️ 本記事の内容は執筆時点の情報に基づいています。制度は随時更新されるため、最新情報は厚生労働省・出入国在留管理庁の公式資料でご確認ください。

はじめに

はじめに|フィリピン人介護士のイメージ

「特定技能『介護』に応募したいけれど、どんな条件を満たせばいいのかわからない」「施設として外国人介護士を受け入れたいが、何から始めればいいか迷っている」——そんな疑問を持っている方は多いと思います。

特定技能「介護」は2019年に創設された在留資格で、介護分野の深刻な人手不足に対応するために設けられました。制度の仕組みは少し複雑ですが、ポイントを押さえれば決して難しくはありません。

この記事でわかること:

  • 特定技能「介護」の応募条件(試験・日本語・年齢など)
  • 資格取得までの具体的なステップと注意点
  • 施設側(受け入れ機関)が準備すべき要件
  • 2025年4月の訪問介護解禁など最新の制度変更
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特定技能「介護」の応募条件とは何か

特定技能「介護」の応募条件とは何か|フィリピン人介護士のイメージ

用語の定義

「特定技能『介護』の応募条件」とは、外国人が介護分野で特定技能1号として就労するために満たすべき技能・日本語能力・健康状態などの要件の総称を指す。

介護分野における人手不足の現状

特定技能「介護」が注目される背景には、日本の介護業界が直面する深刻な人材不足があります。

厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によると:

  • 2022年の介護職員数:215万人
  • 2026年に必要な介護職員数:240万人(2022年比+25万人)
  • 2040年に必要な介護職員数:272万人(2022年比+57万人)

この不足を補う手段のひとつとして、特定技能「介護」による外国人材の受け入れが急速に拡大しています。実際、制度開始直後の2019年12月末時点でわずか19人だった在留者数は、2024年12月末時点で44,367人にまで増加しています(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。約5年間で2,300倍以上という驚異的な増加ペースです。

特定技能「介護」の対象者と非対象者

対象となる方(応募できる方):

  • 介護技能評価試験および介護日本語評価試験の両方に合格した方
  • 介護分野の技能実習2号を修了した方(試験免除)
  • EPA介護福祉士候補者として在留期間を満了した方(4年間)
  • 在留資格「介護」を持つ介護福祉士(在留資格変更のケース)

対象外となる主なケース:

  • 試験に合格していない、かつ技能実習2号も修了していない方
  • 日本語能力の要件を満たしていない方
  • 欠格事由(犯罪歴など)に該当する方
  • 訪問介護に従事する場合で実務経験1年未満の方(2025年4月以降の新ルール)

特定技能「介護」の応募条件を満たすための具体的ステップ

特定技能「介護」の応募条件を満たすための具体的ステップ|フィリピン人介護士のイメージ

Step1:介護技能評価試験と介護日本語評価試験に合格する

特定技能「介護」の取得に必要な試験は2種類あります。

介護技能評価試験の概要:

  • 試験時間:60分・計45問(筆記40問+実技5問)
  • 筆記:介護の基本・こころとからだのしくみ・コミュニケーション技術・身体介護
  • 実技:CBT方式で実施
  • 受験料:約2,000円

介護日本語評価試験の概要:

  • 試験時間:30分・計15問
  • 内容:介護の専門用語・コミュニケーション・介護記録
  • 受験料:約2,000円

2019年4月から2025年1月までの累計合格者数は、介護技能評価試験が120,220人、介護日本語評価試験が113,572人に達しています(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。

試験は国内47都道府県に加え、フィリピン・インドネシア・ベトナム・ミャンマーなど13か国で実施されており、海外にいながら受験することも可能です。

Step2:日本語能力の確認

介護日本語評価試験に合格することで日本語要件を満たせますが、実際の介護現場では日本語能力が定着率や国家試験の合格率に大きく影響します。

令和6年度の調査によると、介護福祉士国家試験の日本語レベル別合格率は以下のとおりです(出典:令和6年度老人保健健康増進等事業調査):

  • N1保有者:86.7%
  • N2保有者:53.4%
  • N3保有者:25.2%
  • N4保有者:25.0%
  • N5保有者:12.5%

日本語能力が高いほどキャリアアップにも有利なため、N3以上を目指すことが現実的な目標と言えるでしょう。

Step3:雇用形態・就業場所の条件を確認する

特定技能「介護」で働く際には、以下の雇用・就業条件を満たす必要があります。

  • 雇用形態:フルタイムでの直接雇用のみ(週5日以上・年間217日以上・週30時間以上)
  • 就業場所:介護福祉士国家試験の受験資格要件において「介護」の実務経験として認められる施設
  • 業務内容:身体介護および関連業務(掲示物管理・物品補充などは付随的に限る)
  • 報酬:日本人が従事する場合と同等以上

2025年4月からの重要変更点:
訪問介護・訪問入浴介護・夜間対応型訪問介護などの訪問系サービスへの従事が解禁されました。ただし、従事できるのは「介護事業所等での実務経験が1年以上ある特定技能外国人」が原則です。

注意点・よくある落とし穴

  • 特定技能「介護」には2号がない(他分野と異なり、介護分野は既存の在留資格「介護」があるため)
  • 在留期間は通算5年が上限。5年後にさらに日本で働き続けたい場合は、介護福祉士を取得して在留資格「介護」への移行が必要
  • 労働者派遣(派遣社員)での就労は原則不可(直接雇用が条件)
  • 夜勤は技能実習と異なり、1年目から1人体制で可能(ただし安全確保のため6か月程度は日本人スタッフとチームで対応することが推奨される)

受け入れ施設側が知っておくべき条件と手順

受け入れ施設側が知っておくべき条件と手順|フィリピン人介護士のイメージ

受け入れ可能な施設の種類

特定技能「介護」の外国人を受け入れられる施設種別の上位5位は以下のとおりです(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日、2024年7月時点):

順位 施設種別 受入件数
1位 特別養護老人ホーム 7,827件
2位 病院 2,446件
3位 認知症対応型共同生活介護 2,340件
4位 特定施設入居者生活介護 1,996件
5位 介護老人保健施設 1,931件

上位5施設で全体の75.6%を占めており、特別養護老人ホームが最も多く受け入れています。

受け入れ機関(施設側)が満たすべき主な要件

  1. 労働・社会保険・租税に関する法令を遵守していること
  2. 過去5年以内に出入国・労働法令違反がないこと
  3. 1年以内に同種業務の労働者を非自発的に離職させていないこと
  4. 特定技能外国人の支援計画を作成し、適切に実施できること
  5. 就労開始後4か月以内に介護分野の特定技能協議会へ加入すること
  6. 3か月に1回以上、支援責任者等が外国人本人と面談を実施すること

受け入れまでの手順(国内採用の場合)

  1. 外国人が試験合格または技能実習2号修了
  2. 雇用契約の締結
  3. 1号特定技能外国人支援計画の策定
  4. 地方出入国在留管理局への在留資格変更許可申請
  5. 就労開始
  6. 協議会申請システムへの外国人情報入力・必要書類の提出

特定技能「介護」に応募する外国人の国籍・動向

特定技能「介護」に応募する外国人の国籍・動向|フィリピン人介護士のイメージ

現在、特定技能「介護」で働く外国人の国籍は多岐にわたります。2024年12月末時点(計44,367人)の国籍別ランキングは以下のとおりです(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日):

順位 国籍 人数 全体に占める割合
1位 インドネシア 12,242人 27.6%
2位 ミャンマー 11,717人 26.4%
3位 ベトナム 8,910人 20.1%
4位 フィリピン 4,538人 10.2%
5位 ネパール 3,602人 8.1%

上位5か国だけで全体の9割以上を占めています。また、外国人介護人材が国家試験を受けた理由(複数回答)として最も多かったのは「日本で介護職として働き続けるため(68.9%)」であり、長期的なキャリアを描いて日本に来ている人材が多いことがわかります(出典:令和6年度老人保健健康増進等事業調査)。

よくある質問(専門家に聞く)

介護ケアジャパン・GENSAI Career Consulting Corp代表の大町潤一氏(元看護師・介護福祉士)に、現場目線でよくある疑問にお答えいただきました。

Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?

「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。

一番伝えたいこと

「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」

私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。それは:

1. 受け入れる側の覚悟

  • 最初は時間がかかることを理解する
  • 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
  • 文化の違いを楽しむ心

2. 外国人介護士のポテンシャル

  • 真面目で一生懸命
  • 学ぶ意欲が高い
  • 利用者様を大切にする心

3. 長期的な視点

  • すぐに結果を求めない
  • 信頼関係を築くのに時間をかける
  • 3年、5年後の姿を一緒に描く

「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」

「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」

最後に

「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」

「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」

Q. 元看護師・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?

「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。

元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:

1. 現場目線での人材選考

  • 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
  • 技術だけでなく、人柄や適性を重視
  • 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ

2. 実践的な教育プログラム

  • 現場で本当に必要な技術を優先
  • 教科書的な知識より、実際の動きを重視
  • 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える

3. 施設側の悩みに寄り添える

  • 「受け入れる側」の大変さを理解している
  • 現実的なアドバイスができる
  • 一緒に問題を解決する姿勢

「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」

制度に関するよくある質問

Q1. 特定技能「介護」の応募条件として、介護福祉士の資格は必要ですか?

A. 特定技能「介護」に応募するために介護福祉士の資格は必須ではありません。介護技能評価試験と介護日本語評価試験の両方に合格すれば、資格なしでも応募できます。ただし、在留期間の通算5年を超えて日本で介護職を続けたい場合は、介護福祉士を取得して在留資格「介護」へ移行する必要があります。

Q2. 特定技能「介護」の応募条件に年齢制限はありますか?

A. 特定技能「介護」には明確な年齢上限は設けられていません。ただし、実際の求人では18歳以上を対象とするケースが一般的です。試験に合格し、在留資格の要件を満たしていれば、幅広い年齢層の方が応募できます。

Q3. 特定技能「介護」の応募条件として、日本語能力試験(JLPT)の合格は必要ですか?

A. 介護日本語評価試験に合格することで日本語の要件を満たせるため、JLPTの合格は必須ではありません。ただし、介護福祉士国家試験の合格率はN2以上で大幅に上昇するデータがあり(N2:53.4%、N3:25.2%)、長期的なキャリアを考えるならJLPT N3以上の取得を目指すことが現実的です。

Q4. 訪問介護に従事するための特定技能「介護」の応募条件は何ですか?

A. 2025年4月21日以降、特定技能外国人が訪問介護に従事することが認められました。従事できる条件は「介護職員初任者研修課程等を修了し、介護事業所等での実務経験が1年以上あること」が原則です。また、受け入れ施設は利用者・家族への事前説明など5つの遵守事項を満たす必要があります。

Q5. 特定技能「介護」の受け入れ上限数はどのくらいですか?

A. 令和6年4月からの5年間における受入見込数(上限)は135,000人とされています(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。以前の51,000人から大幅に引き上げられており、今後さらなる受け入れ拡大が見込まれています。

まとめ

特定技能「介護」の応募条件について、重要なポイントを整理します。

  • 外国人側の主な条件:介護技能評価試験・介護日本語評価試験の両合格(または技能実習2号修了)。在留期間は通算5年で、2号制度はなく、キャリアアップには介護福祉士取得が必要
  • 施設側の主な条件:直接雇用・フルタイム・法令遵守・支援計画の策定・特定技能協議会への加入(就労開始後4か月以内)
  • 2025年の最新変更:訪問介護への従事が一定条件のもとで解禁。実務経験1年以上が原則要件

制度の詳細は随時更新されますので、最終的な判断は必ず最新の公的資料(厚生労働省・出入国在留管理庁)または専門家にご確認ください。

外国人介護士の受け入れや応募条件について、さらに詳しく知りたい方は、介護ケアジャパン・GENSAI Career Consulting Corpへお気軽にご相談ください。一緒に最適な方法を考えさせていただきます。

出典・参考

  • 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日(https://www.mhlw.go.jp/)…特定技能受入上限・国籍別ランキング・在留者数推移・試験合格者数・施設種別受入状況の根拠
  • 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」(https://www.mhlw.go.jp/)…2022年・2026年・2040年の介護職員必要数データの根拠
  • 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」(https://www.mhlw.go.jp/)…日本語レベル別合格率・国家試験受験理由・職場支援内容の根拠
  • 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -介護分野の基準について-」(https://www.moj.go.jp/)…訪問介護従事条件・雇用形態・支援計画要件の根拠
  • 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117_00001.html)…試験概要・対象施設・協議会加入要件の根拠

この記事の監修者

大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。

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