特定技能介護の上限人数とは?受入枠13.5万人・施設ごとの制限を解説

目次

結論(30秒でわかる要点)

特定技能の上限人数とは、国が産業分野ごとに定めた「5年間で受け入れ可能な外国人材の最大数」であり、超過した時点で新規受入が停止される制度的な枠組みです。

  • 重要ポイント①:介護分野の5年間受入上限は135,000人(2024〜2028年度)
  • 重要ポイント②:介護・建設の2分野は施設(法人)ごとの受入人数制限も別途あり
  • 重要ポイント③:外食分野は2026年4月に上限到達で新規受入が一時停止された実例あり

対象読者:外国人介護士の採用を検討している施設管理者・経営者、特定技能制度の基礎から理解したい方

> ⚠️ YMYL注意:制度の上限人数・運用ルールは政府の方針変更により随時更新されます。最終判断は出入国在留管理庁・厚生労働省の最新公的資料または専門家にご確認ください。

はじめに

はじめに|フィリピン人介護士のイメージ

「特定技能で外国人介護士を採用したいけれど、そもそも何人まで雇えるの?」「上限に達したら採用できなくなるって本当?」——そんな疑問を持つ施設担当者の方が増えています。

実際、2026年4月には外食分野で特定技能1号の受入が上限到達により一時停止されるという出来事がありました。介護分野でも同様のリスクがゼロではない以上、制度の仕組みを正確に理解しておくことは、採用計画を立てるうえで欠かせません。

この記事でわかること:

  • 特定技能「介護」分野の受入上限人数と現在の進捗状況
  • 施設ごとに設けられた個別の受入制限ルール
  • 上限到達による受入停止が起きた場合の影響と対策
  • 専門家が語る、外国人介護士受入に向けた心構えと実践的なアドバイス
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特定技能の上限人数とは何か|制度の基本を理解する

特定技能の上限人数とは何か|制度の基本を理解する|フィリピン人介護士のイメージ

用語の定義

特定技能の上限人数とは、国が特定産業分野ごとに定めた「一定期間内に受け入れ可能な外国人材の最大数」であり、超過した場合は新規の在留資格認定証明書の交付が停止される制度上の枠組みです。

上限人数が設けられている背景

特定技能制度は2019年に創設されました。深刻な労働力不足に対応するための制度ですが、無制限に外国人材を受け入れることは、日本人労働者の雇用環境や社会インフラへの影響が懸念されます。そのため、政府は産業分野ごとに「5年間の受入見込数(上限)」を設定し、定期的に進捗を公表しながら管理しています。

2026年1月に閣議決定された最新の方針では、特定技能19分野・育成就労17分野を合わせた5年間の受入上限はトータル1,231,900人とされています(出典:参考記事3)。

なぜ上限管理が重要なのか

  • 採用計画への直接的影響:上限に達すると、在留資格認定証明書(CoE)の交付が停止され、新規採用ができなくなる
  • 分野間の格差:分野によって上限の大きさが大きく異なり、枠の消化スピードも異なる
  • 予告なく停止される可能性:外食分野の事例が示すように、上限到達は急速に進む場合がある
  • 施設単位の制限もある:介護・建設分野では、法人ごとの受入人数にも別途制限が設けられている

介護分野の特定技能上限人数と現状|数字で理解する

介護分野の特定技能上限人数と現状|数字で理解する|フィリピン人介護士のイメージ

介護分野の受入上限と進捗

厚生労働省の公表データによると、介護分野における特定技能の受入見込数(5年間上限)は 135,000人 です(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。

適用条件として、以下の点が定められています:

  • 訪問系サービスは対象外(訪問介護・訪問入浴介護など)
  • 直接雇用のみ(派遣雇用は不可)

在留者数の推移を見ると、制度開始からの増加は顕著です:

時点在留者数
2019年12月末(制度開始)19人
2023年12月末28,400人
2024年6月末36,719人
2024年12月末44,367人

(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)

約5年間で約2,300倍という急増ぶりです。135,000人という上限に対して、2024年12月末時点で44,367人が在留しており、上限の約33%に達しています。残り枠はまだあるものの、増加ペースが続けば数年以内に上限が意識されてくる可能性があります。

施設(法人)ごとの受入人数制限

介護分野では、全体の上限とは別に、1つの法人が受け入れられる特定技能外国人の数にも制限があります。これは建設分野とともに、介護分野特有のルールです。

具体的な上限数は制度運用要領で定められており、施設の規模や日本人等の常勤介護職員数との比率が基準となります。採用を検討する際は、自施設の現在の常勤職員数をもとに、受入可能な上限を事前に確認することが重要です。

国籍別・施設種別の受入状況

2024年12月末時点(44,367人)の国籍別内訳は以下のとおりです:

  1. インドネシア 12,242人(全体の27.6%)
  2. ミャンマー 11,717人(全体の26.4%)
  3. ベトナム 8,910人(全体の20.1%)
  4. フィリピン 4,538人(全体の10.2%)
  5. ネパール 3,602人(全体の8.1%)

上位5か国で全体の9割以上を占めています(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。

受入施設種別では、特別養護老人ホームが7,827件と最多で、病院(2,446件)、認知症対応型共同生活介護(2,340件)、特定施設入居者生活介護(1,996件)、介護老人保健施設(1,931件)と続きます(2024年7月時点)。

上限到達リスクへの備え方|採用計画の立て方

上限到達リスクへの備え方|採用計画の立て方|フィリピン人介護士のイメージ

Step1:自社の分野と受入枠を正確に把握する

まず確認すべきことを整理します:

  1. 自施設が該当する特定産業分野の確認(介護・建設など分野ごとにルールが異なる)
  2. 分野別の5年間受入上限数と現在の消化状況を確認(出入国在留管理庁の四半期公表データを参照)
  3. 施設(法人)単位の受入上限の確認(介護分野は常勤職員数との比率で決まる)
  4. 訪問系サービスの除外確認(訪問介護など一部サービスは対象外)

Step2:採用時期を前倒しで計画する

外食分野の事例が示すように、上限到達は予告なく急速に進むことがあります。以下の点を意識した採用計画が重要です:

  • 採用を検討しているなら、早めに在留資格認定証明書の申請を進める
  • 上限の消化状況は四半期ごとに公表されるため、定期的にチェックする習慣をつける
  • 「まだ余裕があるだろう」という楽観的な見通しは危険。外食分野の教訓を活かす

Step3:複数の採用ルートを確保しておく

特定技能の上限到達リスクに備えるため、他の在留資格も視野に入れた多角的な採用計画が有効です:

  • 技能実習(育成就労)からの移行:技能実習2号を良好に修了した場合、特定技能1号の試験が免除される
  • 在留資格「介護」:介護福祉士国家資格取得者が対象。2024年12月末時点で12,227人が在留
  • EPA(経済連携協定):2025年4月時点で3,180人。フィリピン・インドネシア・ベトナムが対象国

注意点・コツ

  • 特定技能は直接雇用のみのため、派遣での受入はできない
  • 施設の常勤介護職員数が変動すると、受入可能上限も変わる場合がある
  • 登録支援機関の選定は早めに行い、書類準備に十分な時間を確保する
  • 上限到達後に在留中の外国人材の更新は停止されない(新規申請が停止されるだけ)

上限到達が現実になった事例から学ぶ|外食分野の教訓

上限到達が現実になった事例から学ぶ|外食分野の教訓|フィリピン人介護士のイメージ

外食分野で起きたこと

2026年4月、外食業分野の特定技能1号の受入が政府により一時停止されました。上限の50,000人に達する見込みとなったためです。

この停止により、大手チェーンでは以下のような影響が生じました:

  • 試験受験を予定していた人材が受験できなくなった
  • 将来的な正社員登用計画を見送らざるを得なくなった
  • 人材の奪い合いが懸念されるようになった

業界関係者からは「受け入れペースの急上昇に対し、業界内の認識が遅れた」という声があがっています。

介護分野への示唆

介護分野の特定技能在留者数は、2024年6月から12月の半年間だけで36,719人→44,367人と約7,648人増加しています。このペースが続けば、上限135,000人への到達は決して遠い将来の話ではありません。

外食分野の教訓から介護分野の施設が学べることは以下の3点です:

  1. 「まだ枠がある」という油断は禁物:増加ペースは加速することがある
  2. 採用計画は余裕を持って前倒しで立てる:申請から採用まで数か月かかることを考慮
  3. 上限到達後の代替ルートを事前に検討しておく:育成就労・在留資格「介護」なども視野に

よくある質問(専門家に聞く)

Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?

「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と、元看護師・介護福祉士であり、GENSAI Career Consulting Corp代表の大町潤一氏は真剣な表情で語ります。

一番伝えたいこと

「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」

私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。

それは:

1. 受け入れる側の覚悟

  • 最初は時間がかかることを理解する
  • 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
  • 文化の違いを楽しむ心

2. 外国人介護士のポテンシャル

  • 真面目で一生懸命
  • 学ぶ意欲が高い
  • 利用者様を大切にする心

3. 長期的な視点

  • すぐに結果を求めない
  • 信頼関係を築くのに時間をかける
  • 3年、5年後の姿を一緒に描く

「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」

「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」

最後に

「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」

「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」

Q. 元看護師・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?

「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町氏は語ります。

元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:

1. 現場目線での人材選考

  • 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
  • 技術だけでなく、人柄や適性を重視
  • 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ

2. 実践的な教育プログラム

  • 現場で本当に必要な技術を優先
  • 教科書的な知識より、実際の動きを重視
  • 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える

3. 施設側の悩みに寄り添える

  • 「受け入れる側」の大変さを理解している
  • 現実的なアドバイスができる
  • 一緒に問題を解決する姿勢

「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」

制度に関するよくある質問

Q1. 特定技能の上限人数は、どこで最新情報を確認できますか?

出入国在留管理庁が四半期ごとに特定技能外国人の在留者数を公表しています。また、厚生労働省の介護分野に関する資料でも受入状況が確認できます。上限の消化状況は急速に変化する場合があるため、定期的な確認をおすすめします。公的機関のウェブサイトを直接参照するのが最も確実です。

Q2. 施設(法人)ごとの受入上限はどのように計算されますか?

介護分野では、受入施設の常勤介護職員数(日本人等)に対して、一定の比率を超えて特定技能外国人を受け入れることができないルールがあります。具体的な計算方法は厚生労働省の運用要領に定められており、施設の規模によって異なります。採用を検討する際は、登録支援機関や行政書士などの専門家に確認することをおすすめします。

Q3. 上限に達した場合、現在在留している特定技能外国人はどうなりますか?

上限到達による受入停止は、新規の在留資格認定証明書(CoE)の交付停止が中心です。すでに特定技能の在留資格を持って在留している外国人の更新については、停止されないと考えられています(出典:参考記事3)。ただし、制度変更が行われる可能性もあるため、最新情報の確認が必要です。

Q4. 特定技能1号と2号で上限人数のルールは違いますか?

上限人数の管理は主に特定技能1号に対して設けられています。特定技能2号は在留期間の更新に上限がなく、家族帯同も可能なため、長期的な人材確保に適しています。2025年6月末時点で特定技能1号は333,123人、2号は3,073人が在留しており、2号への移行が増加傾向にあります(出典:参考記事4)。

Q5. 介護分野で特定技能を活用する際、訪問介護は対象外と聞きましたが、なぜですか?

訪問系サービスが対象外とされているのは、施設内と異なり1対1での業務が多く、日本語コミュニケーションや安全管理の面で求められる水準がより高いためです。また、利用者の自宅という閉じた環境でのケアには、より高度な対応力が必要とされることも背景にあります。訪問介護での活用を検討する場合は、在留資格「介護」(介護福祉士取得者)などの別ルートを検討してください。

まとめ

特定技能の上限人数について、押さえておくべきポイントを整理します:

  • 介護分野の5年間受入上限は135,000人。2024年12月末時点で44,367人が在留しており、上限の約33%に達している。増加ペースを踏まえると、計画的な採用が重要
  • 介護・建設分野は施設(法人)ごとの受入制限もある。全体枠に余裕があっても、自施設の受入可能数を事前確認しなければ採用できないケースがある
  • 外食分野の上限到達・受入停止は他人事ではない。業界全体の認識が遅れると、採用計画が突然崩れるリスクがある。四半期ごとの公表データを定期チェックしたい

採用を検討中の施設担当者の方は、まず登録支援機関や専門家に相談し、自施設の受入可能数と現在の上限消化状況を確認することから始めてみてください。

介護ケアジャパン・GENSAI Career Consulting Corpでは、元看護師・介護福祉士の専門家が現場目線で採用から定着まで伴走支援しています。まずはお気軽にご相談ください。

> ⚠️ 【YMYL注意】 本記事に記載の制度内容・上限人数は執筆時点の情報に基づきます。制度は政府の方針変更により随時更新されますので、最終判断は出入国在留管理庁・厚生労働省の最新公的資料、または専門家(行政書士・登録支援機関等)への確認をお願いします。

出典・参考

  • 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日(https://www.mhlw.go.jp/)…介護分野の受入上限135,000人・在留者数推移・国籍別ランキング・施設種別受入状況の根拠
  • 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…2026年・2040年の介護職員必要数(2,400,000人・2,720,000人)の根拠
  • 出入国在留管理庁「特定技能制度」(https://www.moj.go.jp/isa/)…特定技能1号・2号の定義、在留資格の種類・要件に関する根拠
  • 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別介護福祉士国家試験合格率・職場支援内容の根拠
  • 時事通信「外食『特定技能』受け入れ停止 上限到達、人手不足に拍車」2026年5月7日…外食分野での上限到達・受入停止事例の根拠

この記事の監修者

大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。

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