結論(30秒でわかる要点)
- 埼玉県は外国人介護士受入数全国5位で、特定技能「介護」1,296人が活躍中
- 主要ルートは特定技能・技能実習・EPA・在留資格「介護」の4つ
- 成功の鍵は長期視点での育成と文化理解、県の補助金活用
- 対象者:埼玉県内の介護事業所管理者・人事担当者・経営者
- 注意:制度は更新されるため最新の公的資料で確認が必要
はじめに

埼玉県内の介護事業所で人手不足に悩んでいませんか?高齢化率が2023年の27.4%から2050年には35.5%まで上昇する中、介護職員の確保は喫緊の課題となっています。
外国人介護士の採用は、この課題解決の有力な選択肢です。実際に埼玉県では1,296人の特定技能「介護」外国人が活躍しており、全国5位の受入実績を誇ります。
この記事でわかること
- 埼玉県における外国人介護士採用の具体的な方法
- 成功事例と失敗を防ぐポイント
- 県の補助金制度と支援体制の活用法
埼玉県の外国人介護士採用の現状と背景

用語の定義
外国人介護士採用とは、特定技能・技能実習・EPA・在留資格「介護」の4つのルートで海外人材を受け入れ、介護現場で働いてもらう人材確保手法です。
埼玉県の深刻な介護人材不足
埼玉県の介護職員必要数は2022年実績98,862人に対し、2026年には121,799人(+22,937人)、2040年には143,812人(+44,950人)が必要とされています(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)。
この数字が示すように、埼玉県は全国でも特に介護人材不足が深刻な地域の一つです。高齢化率の急激な上昇により、従来の日本人職員だけでは需要に対応しきれない状況が続いています。
外国人介護士受入の急速な拡大
埼玉県の特定技能「介護」外国人受入状況は1,296人(2024年6月時点)で全国5位の実績を誇ります(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」)。
国籍別では以下の傾向があります:
- 1位:インドネシア(全国の27.6%)
- 2位:ミャンマー(全国の26.4%)
- 3位:ベトナム(全国の20.1%)
- 4位:フィリピン(全国の10.2%)
- 5位:ネパール(全国の8.1%)
外国人介護士採用の4つのルートと選び方

Step1:採用ルートの選択
特定技能「介護」
- 受入上限:135,000人(5年間)
- 対象:介護技能評価試験・介護日本語評価試験合格者
- メリット:即戦力性が高い、直接雇用のみ
- デメリット:人材確保の競争が激しい
技能実習
- 期間:最大5年(1号→2号→3号)
- 対象:海外の送出機関経由
- メリット:長期育成が可能
- デメリット:初期の日本語レベルが低い場合がある
EPA(経済連携協定)
- 対象国:インドネシア、フィリピン、ベトナム
- 特徴:国家資格取得を目指す
- メリット:政府間協定による安定性
- デメリット:受入数に限りがある
在留資格「介護」
- 対象:介護福祉士資格保有者
- メリット:最も安定した雇用形態
- デメリット:人材数が限定的
Step2:受入体制の整備
言語サポート体制
- 日本語学習支援の仕組み構築
- 多言語対応マニュアルの準備
- 通訳・翻訳体制の確保
生活サポート体制
- 住居の確保(寮・アパート等)
- 生活オリエンテーションの実施
- 地域コミュニティとの橋渡し
Step3:埼玉県の支援制度活用
埼玉県では「外国人介護職員が長く働ける、魅力ある埼玉介護の促進補助金」を提供しています。
補助対象
- 日本語学校の学費
- 地域生活費
- 初期費用(住居確保等)
申請条件
- 県内介護保険サービス実施事業所
- 「埼玉県外国人介護職員応援宣言」への賛同
- 外国人介護職員のキャリアアップ取組実施
成功事例と効果的な活用法

成功事例①:特別養護老人ホームでの定着成功
関東のある特別養護老人ホームでは、フィリピン出身の特定技能「介護」外国人2名を採用。当初は言語の壁に苦労したものの、以下の取り組みで定着に成功しました。
実施した取り組み
- 週2回の日本語学習会開催
- 日本人職員とのペア制導入
- 文化交流イベントの定期開催
成果
- 1年後の定着率100%
- 利用者様からの評価向上
- 日本人職員のモチベーション向上
成功事例②:デイサービスでの業務効率化
埼玉県内のデイサービスでは、ベトナム出身の技能実習生3名を段階的に受け入れ。ICTツールを活用した教育システムで効率的な育成を実現しました。
導入したシステム
- 多言語対応の介護記録システム
- 動画による技術指導プログラム
- オンライン日本語学習ツール
学んだポイント
- 最初の3か月が定着の鍵
- 文化の違いを理解する姿勢が重要
- 長期的な視点での人材育成が必要
よくある質問(専門家に聞く)
これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
制度に関するよくある質問
Q1. 外国人介護士採用に必要な資格や条件はありますか?
A. 採用ルートによって異なります。特定技能「介護」の場合、介護技能評価試験と介護日本語評価試験の合格が必要です。技能実習の場合は、送出機関での基礎研修修了が条件となります。受け入れ施設側は、外国人雇用状況届出書の提出や適切な労働条件の確保が求められます。
Q2. 外国人介護士採用の費用はどのくらいかかりますか?
A. 初期費用として50万円~150万円程度が一般的です。内訳は紹介手数料、住居確保費、研修費、ビザ申請費用等です。埼玉県の補助金制度を活用することで、これらの費用の一部を軽減できます。月額給与は日本人と同等以上の水準が法的に義務付けられています。
Q3. 外国人介護士の日本語レベルはどの程度必要ですか?
A. 特定技能「介護」では介護日本語評価試験合格レベル(N4程度)が最低条件です。ただし、介護福祉士国家試験合格率を見ると、N1保有者86.7%、N2保有者53.4%、N3保有者25.2%となっており、より高い日本語レベルが望ましいとされています。
Q4. 埼玉県内での外国人介護士の受入実績はどうですか?
A. 埼玉県は特定技能「介護」外国人受入数1,296人で全国5位の実績があります。受入施設種別では特別養護老人ホームが最も多く、次いで病院、認知症対応型共同生活介護の順となっています。
Q5. 外国人介護士の定着率を上げるポイントは何ですか?
A. 最も重要なのは最初の3か月間のフォロー体制です。日本語学習支援、文化適応サポート、職場での丁寧な指導が定着率向上の鍵となります。また、長期的なキャリアパスの提示と、介護福祉士資格取得支援も効果的です。
まとめ
- 埼玉県は外国人介護士受入に積極的で、全国5位の実績と充実した支援制度を提供
- 成功の鍵は「人手不足の穴埋め」ではなく「一緒に成長する仲間」として受け入れる姿勢
- 県の補助金制度を活用し、長期的な視点での育成体制構築が重要
外国人介護士の採用は、単なる人手不足解決策ではなく、多様性に富んだより良い介護現場を作る機会です。まずは県の相談窓口や専門事業者への相談から始めてみましょう。
【YMYL注意】最終的な制度詳細や申請方法は、最新の公的資料や専門家への確認が必要です。
出典・参考
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」(令和7年3月28日)…特定技能受入上限・国籍別ランキング・都道府県別受入状況の根拠
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…埼玉県の介護職員必要数データの根拠
- 内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版)」…埼玉県の高齢化率推移データの根拠
- 埼玉県「外国人介護職員が長く働ける、魅力ある埼玉介護の促進補助金」…県の支援制度詳細の根拠
- 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別合格率データの根拠
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
