結論(30秒でわかる要点)
- 広島県では特定技能・技能実習・EPA・在留資格「介護」の4つの制度で外国人介護士を採用可能
- 特定技能「介護」が最も活用しやすく、広島県内では529人が就労中(2024年6月時点)
- 成功のカギは制度理解と受け入れ体制整備、長期的視点での人材育成
- 対象者:広島県内で外国人介護士採用を検討する介護施設・事業所の経営者・人事担当者
- 注意:制度は更新されるため、最新の厚生労働省資料で詳細を確認してください
はじめに

広島県の介護現場では、深刻な人材不足が続いています。厚生労働省のデータによると、広島県の介護職員は2022年実績で53,239人、2040年には62,428人が必要とされ、約9,000人の追加確保が急務です(出典: 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)。
一方で、広島県の高齢化率は2023年現在30.1%で、2050年には37.4%まで上昇する見込みです(出典: 内閣府「令和6年版高齢社会白書」)。このような状況下で、外国人介護士の採用は重要な選択肢となっています。
この記事でわかること
- 広島県で利用できる外国人介護士採用制度の全体像
- 各制度の特徴・要件・メリット・デメリット
- 実際の採用プロセスと定着支援のポイント
広島県における外国人介護士採用の現状と背景

用語の定義
「外国人介護士 採用 広島県」とは:広島県内の介護事業所が特定技能・技能実習・EPA・在留資格「介護」等の制度を活用して外国人を介護職員として雇用すること
広島県の外国人介護士受入状況
広島県では、特定技能「介護」で529人の外国人が就労しています(2024年6月時点、出典: 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」)。全国的には44,367人が特定技能「介護」で就労しており、制度開始から約5年で2,300倍の増加を見せています。
国籍別の傾向
- 1位:インドネシア(27.6%)
- 2位:ミャンマー(26.4%)
- 3位:ベトナム(20.1%)
- 4位:フィリピン(10.2%)
- 5位:ネパール(8.1%)
人材不足の深刻化要因
1. 急速な高齢化進行
広島県の高齢化率は全国平均を上回るペースで上昇中
2. 若年労働力の減少
生産年齢人口の減少により、介護分野への人材流入が困難
3. 離職率の高さ
介護職の身体的・精神的負担による早期離職
4. 待遇面での課題
他業種との給与格差や労働条件の問題
外国人介護士採用の4つの制度と選び方
Step1:制度の特徴を理解する
特定技能「介護」
- 在留期間:最長5年
- 要件:介護技能評価試験+日本語試験合格
- 日本語レベル:N4以上+介護日本語評価試験
- メリット:比較的短期間で受入可能、即戦力期待
- デメリット:在留期間に上限、更新不可
技能実習「介護」
- 在留期間:最長5年(1号・2号・3号の段階的移行)
- 要件:監理団体経由、入国時N4程度
- 日本語レベル:2号移行時N3程度必要
- メリット:段階的な技能向上、コスト比較的安価
- デメリット:本来は技能移転目的、転職制限
EPA(経済連携協定)
- 在留期間:原則4年+資格取得後延長可
- 要件:二国間協定に基づく(インドネシア・フィリピン・ベトナム)
- 日本語レベル:N5〜N3程度(国により異なる)
- メリット:国家資格取得で長期就労可能
- デメリット:受入人数制限、手続き複雑
在留資格「介護」
- 在留期間:制限なし(更新可能)
- 要件:介護福祉士国家資格必須
- 日本語レベル:養成校入学時N2レベル
- メリット:長期安定雇用、高い専門性
- デメリット:資格取得まで4年以上、コスト高
Step2:自施設に適した制度を選択
即戦力重視の場合
→ 特定技能「介護」を第一選択
長期育成型の場合
→ 技能実習「介護」→特定技能移行 or EPA
専門性重視の場合
→ 在留資格「介護」(介護福祉士有資格者)
Step3:受入体制の整備
必要な準備項目
- 登録支援機関との契約(特定技能の場合)
- 日本語学習支援体制
- 生活支援体制(住居確保、銀行口座開設等)
- 職場内研修プログラム
- メンター制度の構築
注意点・成功のコツ
- 文化的背景の理解と配慮
- コミュニケーション方法の工夫
- 段階的な業務習得計画
- 定期的な面談・フォロー体制
- 日本人職員への事前説明・研修
広島県内での成功事例と学び
成功事例①:特別養護老人ホームでの定着成功
関西のある特別養護老人ホームでは、フィリピン人介護士2名を特定技能で受け入れ、1年後の定着率100%を実現しました。
成功要因
- 入職前の3か月間、集中的な日本語研修を実施
- 日本人職員1名をメンターとして配置
- 月1回の個別面談で悩みや要望をヒアリング
- 利用者家族への事前説明で理解を得る
変化・効果
- 夜勤体制の安定化
- 日本人職員の残業時間20%削減
- 利用者からの評価も良好
成功事例②:グループホームでの多国籍チーム
東京都内のあるグループホームでは、インドネシア・ベトナム・ミャンマー出身の介護士各1名ずつを段階的に受け入れ、多様性を活かしたケアを実現しています。
ポイント・学び
- 国籍の違いを活かした多角的なケア提供
- 外国人同士の相互サポート体制構築
- 「ひろしま方言ハンドブック」等の地域特化教材活用
- 地域の日本語教室との連携
長期的効果
- 職場の国際化により日本人職員の視野拡大
- 利用者の認知症症状改善事例
- 地域コミュニティとの新たな関係構築
よくある質問(専門家に聞く)
Q1. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
Q2. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
制度に関するよくある質問
Q1. 広島県で外国人介護士を採用する際の資格要件は何ですか?
特定技能「介護」の場合、以下の要件が必要です:
- 介護技能評価試験の合格(累計合格者120,220人、2019年4月〜2025年1月)
- 介護日本語評価試験の合格(累計合格者113,572人、同期間)
- 日本語能力試験N4以上または日本語基礎テスト合格
技能実習の場合は、入国時にN4程度、2号移行時にN3程度の日本語力が求められます。
Q2. 広島県での外国人介護士採用にかかる費用はどのくらいですか?
制度により異なりますが、特定技能「介護」の場合:
- 登録支援機関への委託費用:月額2〜4万円程度
- 在留資格認定証明書交付申請費用:5〜10万円程度
- 渡航費・住居確保費用:10〜30万円程度
東広島市では「外国人介護人材雇用経費支援補助金」により、これらの費用の1/2(上限30万円)が補助される制度があります。
Q3. 日本語能力はどの程度必要ですか?
介護福祉士国家試験の日本語レベル別合格率データ(出典: 令和6年度老人保健健康増進等事業調査)によると:
- N1保有者:86.7%
- N2保有者:53.4%
- N3保有者:25.2%
- N4保有者:25%
現場での円滑なコミュニケーションには、最低でもN3レベル、理想的にはN2レベル以上が推奨されます。
Q4. 受入施設での支援体制はどのようなものが必要ですか?
外国人介護人材が受けた職場からの支援実態(出典: 令和6年度老人保健健康増進等事業調査):
- 施設職員による勉強指導:36%
- 日本語教師による指導:26.7%
- 勤務時間・シフト調整:24.8%
これらを参考に、包括的な支援体制を整備することが重要です。
Q5. 広島県内での日本語学習支援はどのような制度がありますか?
広島県・広島市では以下の支援制度があります:
- 広島平和文化センターによる日本語教室
- ボランティアによる地域日本語教室
- 外国人介護職員向け「ひろしま方言ハンドブック」の提供
- 厚生労働省による無料学習用コンテンツ・テキスト
まとめ
- 制度選択:特定技能「介護」が最も活用しやすく、広島県では529人が就労中
- 成功要因:長期的視点での人材育成と包括的な支援体制の構築が不可欠
- 地域支援:広島県・市の日本語学習支援制度や補助金制度を積極的に活用
外国人介護士の採用は、単なる人手不足対策ではなく、多様性を活かした質の高いケア提供の実現につながります。まずは制度理解から始め、段階的に受入体制を整備していくことが重要です。
YMYL注意:制度の詳細や要件は随時更新されるため、実際の採用時は最新の厚生労働省資料および専門家への確認を必ず行ってください。
出典・参考
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」(令和7年3月28日)…特定技能受入上限・国籍別ランキング・都道府県別受入状況の根拠
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…全国・広島県の介護職員必要数データ
- 内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版)」…広島県の高齢化率データ
- 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別合格率・職場支援実態データ
- 広島県「外国人介護人材受入のためのガイドブック」…県内受入事例・支援制度情報
- 広島市「外国人介護職員の方へ」…市内日本語学習支援制度・相談窓口情報
- 東広島市「外国人介護人材雇用経費支援補助金」…補助金制度詳細
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
