結論(30秒でわかる要点)
特定技能「介護」の受け入れ可能施設は、介護福祉士の受験資格要件で実務経験として認められる施設が基本的な判断軸となります。
- 重要ポイント①:受け入れ可能施設は6つのカテゴリに大別され、一部対象・対象外の施設も存在する
- 重要ポイント②:2025年4月21日から条件付きで訪問介護への従事が解禁された
- 重要ポイント③:受け入れには協議会加入・支援計画作成・上限人数の遵守が必須
対象読者:特定技能介護の受け入れを検討している介護施設の管理者・担当者の方
> ⚠️ YMYL注意:特定技能制度は法改正・省令改正により随時更新されます。最終判断は必ず厚生労働省・出入国在留管理庁の最新公的資料、または専門家にご確認ください。
はじめに

「特定技能介護を受け入れたいが、自施設が対象かどうかわからない」「一覧を見ても、どの施設が該当するのか判断に迷う」——そんな声を現場の担当者からよく耳にします。
厚生労働省の公表データによると、2024年12月末時点で特定技能「介護」の在留者数は44,367人に達しており(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)、制度開始から約5年で急速に普及しています。一方で、「受け入れ可能施設の一覧が複雑すぎてわかりにくい」という混乱も多く見受けられます。
この記事でわかること:
- 特定技能介護の受け入れ可能施設・対象外施設の全一覧
- 受け入れ施設になるための具体的な要件と手順
- 2025年4月解禁の訪問介護に関する最新情報と注意点
制度の基礎から実務的な手順まで、一度でわかるように丁寧に解説します。
特定技能「介護」の基礎知識と受け入れ可能施設一覧

「特定技能介護 受け入れ可能施設一覧」とは
定義:介護福祉士の受験資格要件において実務経験として認められる施設のうち、業務内容に介助業務が付随し、かつ技能実習の対象となる現行制度上の施設・事業所の総称。
特定技能「介護」とは、深刻な人手不足に対応するため、介護技能評価試験・介護日本語評価試験に合格した外国人材を介護現場で受け入れるための在留資格です。2019年4月に創設され、1号特定技能外国人として通算5年の就労が可能です(介護分野は2号が設けられていないため、長期就労を希望する場合は在留資格「介護」への移行が必要です)。
深刻化する介護人材不足と外国人材の現状
日本の介護業界が外国人材に注目する背景には、構造的な人手不足があります。
厚生労働省の推計では、介護職員の必要数は以下のように増加する見込みです(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)。
- 2022年実績:約215万人
- 2026年必要数:約240万人(2022年比+約25万人)
- 2040年必要数:約272万人(2022年比+約57万人)
こうした状況を背景に、特定技能「介護」の在留者数は急増しています。制度開始直後の2019年12月末には19人だった在留者数が、2024年12月末には44,367人に達しており、約5年間で約2,300倍という驚異的な伸びを示しています(出典:同上)。
受け入れ可能施設の6つのカテゴリ
特定技能介護の受け入れが可能な施設・事業は、大きく以下の6つに分類されます。
① 児童福祉法関係の施設・事業(全て対象)
- 児童発達支援
- 放課後等デイサービス
- 障害児入所施設(指定発達支援医療機関を含む)
- 児童発達支援センター
- 居宅訪問型児童発達支援
- 保育所等訪問支援
② 障害者総合支援法関係の施設・事業(全て対象)
- 居宅介護、重度訪問介護、同行援護、行動援護
- 療養介護、生活介護、短期入所
- 重度障害者等包括支援、障害者支援施設
- 自立訓練、就労移行支援、就労継続支援
- 共同生活援助(グループホーム)※外部サービス利用型を除く
- 移動支援事業、地域活動支援センター、福祉ホーム、訪問入浴サービス
③ 老人福祉法・介護保険法関係の施設・事業(一部対象あり)
全て対象となる主な施設:
- 特別養護老人ホーム(指定介護老人福祉施設)
- 介護老人保健施設、介護医療院
- 老人デイサービスセンター、指定通所介護
- 指定認知症対応型共同生活介護(グループホーム)
- 指定短期入所生活介護、指定訪問入浴介護
- 指定通所リハビリテーション、指定短期入所療養介護
- 指定特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型を除く)
一部のみ対象となる施設(※条件あり):
- 養護老人ホーム※1
- 軽費老人ホーム※1
- 有料老人ホーム※1
- 指定小規模多機能型居宅介護※2
- 指定介護予防小規模多機能型居宅介護※2
- 指定看護小規模多機能型居宅介護※2
- サービス付き高齢者向け住宅(サ高住)※3
> ※1:特定施設入居者生活介護(外部サービス利用型を除く)等を行う施設のみ対象
> ※2:訪問系サービスへの従事は除く
> ※3:有料老人ホームとして要件を満たす施設のみ対象
④ 生活保護法関連の施設(全て対象)
- 救護施設
- 更生施設
⑤ その他の社会福祉施設等(全て対象)
- 地域福祉センター、隣保館デイサービス事業
- 独立行政法人国立重度知的障害者総合施設のぞみの園
- ハンセン病療養所
- 原子爆弾被爆者養護ホーム・デイサービス事業・ショートステイ事業
- 労災特別介護施設
⑥ 病院又は診療所(全て対象)
- 病院
- 診療所
受け入れが対象外となる主な施設
以下の施設は受け入れ対象外です。混同しやすいため、注意が必要です。
- 知的障害児施設、自閉症児施設、難聴幼児通園施設など(旧・児童福祉法関係の一部)
- 障害者デイサービス事業(平成18年9月以前の事業)
- 共同生活介護(ケアホーム)※旧制度
- 外部サービス利用型の各種施設
受け入れ施設になるための要件と手順

Step1:介護分野の特定技能協議会に加入する
特定技能「介護」の受け入れ事業所は、「介護分野における特定技能協議会」への加入が必須です。これは、受け入れ後4か月以内に行う必要があります。加入後は協議会の活動に協力する義務も生じます。
Step2:受け入れ機関としての基準を満たす
受け入れ施設(受け入れ機関)が満たすべき主な基準は以下のとおりです。
- 外国人と適切な雇用契約を締結すること(日本人と同等以上の報酬)
- 施設自体が法令に違反していないこと(禁錮以上の刑を受けた者がいないなど)
- 外国人を支援する体制が整っていること
- 保証金の徴収や違約金契約を締結していないこと
- フルタイム(週30時間以上・年間217日以上)の直接雇用であること
Step3:受け入れ可能人数の上限を確認する
1つの介護事業所で受け入れられる特定技能外国人の上限数は、日本人等の常勤介護職員の総数までと定められています。この「日本人等」には、在留資格「介護」を持つ外国人や、介護福祉士国家試験に合格したEPA介護福祉士も含まれます。
たとえば、常勤介護職員が10人いる施設であれば、特定技能外国人の受け入れ上限も10人となります。
Step4:支援計画を作成する
特定技能外国人を受け入れる際には、以下の10項目を含む支援計画書の作成が義務づけられています。
- 事前ガイダンス
- 出入国の際の送迎
- 住居確保・生活に必要な契約支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続き等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援(人員整理等の場合)
- 定期的な面談・行政機関への通報(3か月に1回以上)
支援計画の実施は自社で行うか、登録支援機関に委託することが可能です。初めて受け入れる施設では、登録支援機関の活用が実務的な負担軽減につながります。
注意点・よくある落とし穴
- 「訪問系サービスは原則対象外」だったが2025年4月から条件付きで解禁(後述)
- サ高住は原則対象外だが、デイサービス事業所として運営している部分は対象になる場合がある
- 派遣での雇用は認められない。直接雇用が必須
- 特定技能2号は介護分野に設けられていないため、長期雇用には在留資格「介護」への切り替えが必要
2025年4月解禁:訪問介護への従事と施設側の対応

訪問介護解禁の背景と概要
訪問介護は有効求人倍率が約15倍に達するほど人手不足が深刻で、廃業する事業所も増加しています。こうした状況を受け、2025年4月21日より、特定技能外国人および技能実習生が条件付きで訪問介護に従事できるようになりました(出典:出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -介護分野の基準について-」)。
訪問介護に従事できる外国人の要件
訪問介護に従事できる特定技能外国人には、以下の条件が課されています。
- 介護職員初任者研修課程等を修了していること
- 介護事業所等での実務経験が1年以上あること
- 原則として最低2か月以上のOJT(同行訪問)を経ること
受け入れ施設が守るべき5つの遵守事項
訪問介護に特定技能外国人を従事させる場合、受け入れ施設は以下を遵守する必要があります。
- 利用者・家族への事前説明を行うこと
- 単独での訪問は当初認めず、段階的に移行すること
- 緊急時の連絡体制を整備すること
- 定期的な同行確認・指導を実施すること
- 利用者の意向を最大限尊重すること
訪問介護の解禁はまだ新しい取り組みであり、現場でのルール整備が追いついていない施設も多い状況です。導入前に制度の詳細を十分確認することを強くお勧めします。
受け入れ施設の実態:施設種別の受け入れ状況

厚生労働省の公表データ(2024年7月19日時点)によると、特定技能「介護」外国人の受け入れ施設種別の上位5位は以下のとおりです(合計21,886件・複数回答可)。
| 順位 | 施設種別 | 件数 |
|——|———|——|
| 1位 | 特別養護老人ホーム | 7,827件 |
| 2位 | 病院 | 2,446件 |
| 3位 | 認知症対応型共同生活介護 | 2,340件 |
| 4位 | 特定施設入居者生活介護 | 1,996件 |
| 5位 | 介護老人保健施設 | 1,931件 |
上位5施設で全体の75.6%を占めており、特別養護老人ホームが突出して多いことがわかります。これは、入所型で業務の標準化がしやすく、外国人介護士が安定して業務を習得しやすい環境であることが要因の一つと考えられます。
また、国籍別では2024年12月末時点でインドネシア(12,242人・27.6%)、ミャンマー(11,717人・26.4%)、ベトナム(8,910人・20.1%)が上位3か国を占めており、上位5か国で全体の9割以上を構成しています(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。
よくある質問(専門家に聞く)
元看護師・介護福祉士であり、GENSAI Career Consulting Corp代表の大町潤一氏に、特定技能介護の受け入れを検討する施設が抱えるリアルな疑問についてお聞きしました。
Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
Q. 元看護師・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
制度に関するよくある質問
Q1. 特定技能介護の受け入れ可能施設一覧は、どこで確認できますか?
厚生労働省が公表している「介護分野の1号特定技能外国人を受け入れる対象施設について」(PDF)が一次情報として最も信頼性が高い資料です。また、出入国在留管理庁の「特定技能運用要領・様式等」でも確認できます。制度は随時更新されるため、定期的に最新版を確認することをお勧めします。
Q2. 特定技能介護の受け入れに、費用はどのくらいかかりますか?
受け入れにかかる費用は、採用方法や支援体制によって異なります。主な費用項目としては、①人材紹介手数料(登録支援機関・送り出し機関への費用)、②支援委託費(月額2〜5万円程度が目安)、③在留資格申請関連費用などが挙げられます。また、住居の確保や生活オリエンテーションなどの支援も義務づけられており、初期コストとして一定の準備が必要です。具体的な費用は登録支援機関に相談することをお勧めします。
Q3. 特定技能介護の外国人は、介護福祉士の資格取得後も働き続けられますか?
はい、可能です。特定技能1号の在留期間は通算5年が上限ですが、介護福祉士国家試験に合格すれば在留資格を「介護」に切り替えることができ、在留期間の上限なく日本で就労し続けることができます。なお、外国人介護人材の介護福祉士試験合格率は日本語能力と強い相関があり、N2保有者で53.4%、N1保有者では86.7%という調査結果があります(出典:令和6年度老人保健健康増進等事業調査)。
Q4. 特定技能介護の外国人は、どの業務を担当できますか?
身体介護(入浴・排泄・食事介助など)や生活援助(清掃・洗濯・調理など)、機能訓練の補助、利用者の相談対応など、介護現場で必要とされる幅広い業務を担当できます。ただし、医療行為(喀痰吸引等を除く)は原則として担当できません。また、訪問系サービスへの従事は2025年4月から条件付きで解禁されましたが、一定の実務経験とOJTが必要です。
Q5. 特定技能介護の受け入れを開始してから、協議会への加入はいつまでに行う必要がありますか?
特定技能外国人の受け入れを開始した後、4か月以内に「介護分野における特定技能協議会」への加入手続きを行う必要があります。加入が遅れると制度違反となる可能性があるため、受け入れ準備と並行して手続きを進めることをお勧めします。加入後は、協議会が実施する調査や情報提供への協力が求められます。
まとめ
特定技能介護の受け入れ可能施設一覧と要件について、ここまで詳しく解説してきました。最後に要点を整理します。
3つの重要ポイント:
- 施設の確認が最初の一歩:受け入れ可能施設は6カテゴリに分類され、一部対象・対象外が混在する。自施設の種別を正確に把握したうえで、厚生労働省の最新資料で確認することが不可欠
- 要件は4つのステップで整理できる:協議会加入→基準充足→人数上限確認→支援計画作成という流れで進めると、漏れなく準備できる
- 2025年4月以降は訪問介護も視野に:条件付きながら訪問介護が解禁され、受け入れ可能な事業所の幅が広がった。ただし実務経験・OJT要件の確認が必要
次のステップ:
まずは自施設が受け入れ可能施設に該当するかどうかを確認し、不明点があれば登録支援機関や専門家への相談を検討してみてください。介護ケアジャパン・GENSAI Career Consulting Corpでは、現場経験を持つ専門家が施設の状況に合わせた個別相談に対応しています。
> ⚠️ 【YMYL注意】 特定技能制度の内容は法改正・省令改正により随時更新されます。本記事の情報は執筆時点のものであり、最終判断は必ず厚生労働省・出入国在留管理庁の最新公的資料、または専門家にご確認ください。
出典・参考
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日…特定技能受入上限・国籍別ランキング・都道府県別受入状況・在留者数推移の根拠
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_50670.html)
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…2026年・2040年の介護職員必要数データの根拠
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_32561.html)
- 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」…受け入れ対象施設一覧・試験概要・制度説明資料の根拠
(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117985.html)
- 出入国在留管理庁「特定の分野に係る特定技能外国人受入れに関する運用要領 -介護分野の基準について-」…訪問介護解禁・支援計画・雇用契約要件の根拠
- 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別介護福祉士合格率・職場支援内容の根拠
- 出入国在留管理庁「在留資格一覧表」…在留資格「介護」への切り替え・特定技能1号の在留期間上限の根拠
(https://www.moj.go.jp/isa/applications/status/)
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。