結論(30秒でわかる要点)
- 特定技能1号は通算最大5年、特定技能2号は上限なしで更新可能
- 1号から2号への移行により永住権取得への道筋が開ける
- 産休・育休・災害等の不可抗力期間は通算期間から除外可能
- 2号試験不合格でも条件を満たせば最大6年まで延長申請できる
- 制度は随時更新されるため最新の出入国在留管理庁資料で確認が必要
はじめに

「特定技能制度の在留期間は何年なの?」「1号と2号でどう違うの?」といった疑問は、外国人雇用を検討する企業や、日本で働きたい外国人にとって最も重要な関心事の一つです。
2019年に創設された特定技能制度は、深刻な人手不足に直面する産業分野において、一定の専門性・技能を有する外国人材を受け入れることを目的としています。しかし、在留期間のルールは複雑で、近年の制度改正により新たな特例措置も設けられています。
この記事では、特定技能1号・2号それぞれの在留期間の仕組み、更新手続きの方法、制度間の移行ルール、そして最新の制度改正内容まで、実務に必要な知識を網羅的に解説します。
この記事でわかること
- 特定技能1号・2号の在留期間の違いと上限
- 通算期間の計算方法と除外される期間
- 在留期間更新の手続きと必要書類
特定技能制度における在留期間の基本構造

用語の定義
「特定技能制度 在留期間」とは、特定技能1号・2号の在留資格で日本に滞在できる期間と、その更新・延長に関する制度の総称です。
特定技能1号と2号の基本的な違い
特定技能制度には「1号」と「2号」の2種類があり、在留期間の取り扱いが大きく異なります。
特定技能1号の特徴
- 通算在留期間:最大5年(原則)
- 1回の許可期間:6か月、1年、1年6か月のいずれか
- 対象分野:16分野(介護、ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、自動車運送業、鉄道、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業、林業、木材産業)
- 家族帯同:基本的に不可
特定技能2号の特徴
- 通算在留期間:上限なし(更新により継続可能)
- 1回の許可期間:3年、1年、6か月のいずれか
- 対象分野:11分野(介護分野は対象外)
- 家族帯同:配偶者・子の帯同が可能
通算期間の計算方法
特定技能1号の「通算5年」は、同一分野・職種における累積期間として計算されます。例えば、建設分野で2年間働いた後、一時帰国して再度建設分野で働く場合、前回の2年間も通算期間に含まれます。
ただし、分野を変更した場合(例:外食業から宿泊業への変更)は、通算期間がリセットされる場合があります。
在留期間更新の手続きと要件

更新申請のタイミングと流れ
在留期間の更新申請は、在留期間満了の3か月前から申請可能です。審査期間は通常1〜3か月程度かかるため、余裕を持った準備が必要です。
更新手続きの基本的な流れ
- 申請書類の準備(満了4か月前から着手推奨)
- 出入国在留管理局への申請(満了3か月前から可能)
- 審査期間(1〜3か月)
- 結果通知・新しい在留カードの受領
受け入れ企業が準備する必要書類
更新申請には、企業側で準備する書類が10点以上あります。主要な書類は以下の通りです。
- 特定技能雇用契約書の写し
- 雇用条件書の写し
- 企業の登記事項証明書
- 決算書類(直近年度)
- 特定技能外国人の活動状況に関する届出書
- 支援計画書
- 労働保険料等納付証明書
- 社会保険料納入状況回答票(24か月分)
- 税務署発行の納税証明書(直近2年分)
特定技能外国人が準備する必要書類
外国人本人が準備する書類も同様に多岐にわたります。
- 在留期間更新許可申請書
- 写真(4cm×3cm)
- パスポート及び在留カードの写し
- 住民票の写し
- 健康診断書
- 技能検定合格証明書等の写し
- 日本語能力を証明する資料
- 給与明細書の写し(直近3か月分)
通算期間から除外される特例措置

不可抗力による離脱期間の除外
2024年の制度改正により、本人の責任によらない事情で就労できなかった期間は、通算5年から除外できる制度が設けられました。
対象となるケース
- 自然災害による再入国不可
- 航空便キャンセルによる帰国遅延
- 感染症流行による入国制限
- 産前産後休業・育児休業
- 傷病による長期休業
これらの期間を除外するには、在留期間満了の3か月前までに申立書と疎明資料を提出する必要があります。
産前産後休業・育児休業の特例
特定技能外国人が日本で出産・子育てをする場合、産前産後休業・育児休業期間は通算5年に含まれません。
必要な申立書類
- 休業期間に関する申立書
- 母子健康手帳の写し
- 産前産後休業又は育児休業を取得したことを疎明する資料
- 休業期間中のタイムカード又は出勤簿の写し
- 休業期間中の給与明細書の写し
特定技能2号への移行と6年延長制度
特定技能2号移行の条件
特定技能1号から2号への移行には、以下の要件を満たす必要があります。
- 対象分野における特定技能2号技能測定試験の合格
- 安定した勤務実績(定着性や評価)
- 日本語能力要件の確認(分野により異なる)
特定技能2号に移行すると、在留期間に上限がなくなり、家族帯同も可能になります。また、永住権申請への道筋も開けます。
2号試験不合格時の6年延長制度
特定技能2号試験に不合格となった場合でも、一定の条件を満たせば最大6年まで在留期間を延長できる制度があります。
延長の要件
- 合格基準点の8割以上の得点を取得していること
- 外国人本人が以下を誓約すること
- 2号試験合格に向けて努力し受験すること
- 合格時は速やかに在留資格変更申請を行うこと
- 不合格時は速やかに帰国すること
- 受け入れ企業が以下を満たすこと
- 継続雇用の意思があること
- 試験合格に向けた指導・研修体制を有すること
技能実習からの移行と在留期間の関係
技能実習から特定技能への移行パターン
技能実習2号を良好に修了した外国人は、技能試験と日本語試験が免除され、特定技能1号への移行がスムーズに行えます。
この場合、技能実習期間(通常3年)と特定技能1号期間(最大5年)を合わせて、最長8年間の日本滞在が可能になります。
移行時の注意点
技能実習から特定技能への移行では、以下の点に注意が必要です。
- 技能実習の職種・作業と特定技能の業務に関連性があること
- 技能実習2号を計画通りに修了していること
- 評価書など必要書類が整備されていること
- 在留資格変更手続きに1〜2か月かかるため、余裕を持ったスケジュール管理
よくある質問(専門家に聞く)
Q1. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
Q2. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
制度に関するよくある質問
Q1. 特定技能1号の在留期間更新に必要な費用はどのくらいですか?
A. 更新費用は申請方法により異なります。企業が自社で申請する場合、証明書取得費用約300〜600円と出入国在留管理局での手数料4,000円(収入印紙代)で合計約4,300〜4,600円です。行政書士に委託する場合は5〜10万円、登録支援機関に委託している場合は月額支援委託料(2〜3万円)に含まれるのが一般的です。
Q2. 特定技能2号への移行が可能な分野はどこですか?
A. 2025年時点で特定技能2号に移行可能な分野は11分野です。ビルクリーニング、工業製品製造業、建設、造船・舶用工業、自動車整備、航空、宿泊、農業、漁業、飲食料品製造業、外食業が対象です。介護分野は他の在留資格(在留資格「介護」)への移行が可能なため、特定技能2号の対象外となっています。
Q3. 在留期間の更新申請はいつから可能ですか?
A. 在留期間満了の3か月前から申請可能です。審査期間が1〜3か月かかるため、必要書類の準備期間を含めて4か月前から準備を始めることが推奨されます。特に4月は外国人の入社が多く審査に時間がかかる傾向があるため、余裕を持ったスケジュール管理が重要です。
Q4. 通算5年を超えて在留できるのはどのような場合ですか?
A. 以下のケースで通算5年を超える在留が認められる場合があります。1)産前産後休業・育児休業期間の除外、2)自然災害等による再入国不可期間の除外、3)特定技能2号試験で合格基準点の8割以上を取得したが不合格の場合の6年延長。いずれも事前の申立てと疎明資料の提出が必要です。
Q5. 特定技能1号から2号への移行で永住権は取得できますか?
A. 特定技能2号では永住権申請の要件を満たす可能性があります。ただし、永住権取得には在留期間以外にも素行、独立生計、国益適合性などの要件があり、個別の状況により判断されます。特定技能1号では永住権取得の要件を満たすことはできません。
まとめ
特定技能制度の在留期間について、重要なポイントを整理します。
- 特定技能1号は通算最大5年:原則として同一分野・職種で最大5年間の在留が可能
- 特定技能2号は上限なし:更新により長期滞在が可能で、家族帯同や永住権申請への道筋も開ける
- 特例措置の活用:産休・育休、災害等の不可抗力期間は通算期間から除外可能
外国人材の受け入れを検討する企業にとって、在留期間の仕組みを正しく理解することは、長期的な人材戦略を立てる上で不可欠です。特に特定技能2号への移行を見据えた育成計画を立てることで、安定的な人材確保につながります。
制度は随時更新されるため、最新情報は出入国在留管理庁の公式資料で確認し、必要に応じて専門家に相談することをお勧めします。
【YMYL注意】 在留資格に関する最終的な判断は、最新の法令・通達および出入国在留管理庁の判断によります。個別のケースについては必ず専門家にご相談ください。
出典・参考
- 出入国在留管理庁「特定技能制度」…特定技能制度の基本情報・在留期間の規定
- 出入国在留管理庁「通算在留期間」…通算期間の計算方法・除外期間の申立て制度
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日…特定技能受入上限・国籍別ランキング・都道府県別受入状況の根拠
- 出入国在留管理庁「在留資格変更許可申請」…在留資格変更の手続き方法
- 出入国在留管理庁「在留期間更新許可申請」…更新申請の必要書類・手続き方法
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。