結論(30秒でわかる要点)
- 特定技能実習生在留期間は制度により異なり、技能実習は最長5年、特定技能は1号で5年・2号で無制限
- 技能実習1号(1年)→2号(2年)→3号(2年)への移行には技能検定合格が必要
- 技能実習2号修了者は試験免除で特定技能1号に移行可能、通算最長10年の在留が実現
- 対象者:外国人介護人材の受入れを検討する施設・監理団体・人材紹介会社
- 注意:制度は法改正により更新されるため、最新の公的資料で確認が必要
はじめに

外国人介護人材の受入れを検討する際、最も重要な要素の一つが「在留期間」です。技能実習制度と特定技能制度では、それぞれ異なる在留期間と延長条件が設定されており、長期的な人材確保計画を立てる上で正確な理解が欠かせません。
特に介護分野では、厚生労働省の統計によると2040年までに約57万人の介護職員不足が見込まれており(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)、外国人材の戦略的活用が急務となっています。
この記事でわかること
- 技能実習1号・2号・3号の在留期間と移行条件
- 特定技能1号・2号への移行方法と在留期間の違い
- 在留期間延長の具体的手続きと注意点
技能実習生の在留期間の基礎知識

用語の定義
「特定技能実習生在留期間」とは:技能実習制度および特定技能制度における外国人材の日本滞在可能期間を指し、在留資格の種類により1年から無制限まで設定される。
技能実習制度の在留期間構造
技能実習制度では、段階的な在留資格の移行により最長5年間の滞在が可能です。
技能実習1号(入国1年目)
- 在留期間:1年以内
- 実際の実習期間:約10ヶ月(入国後講習2ヶ月を除く)
- 対象職種:幅広い職種・作業で受入れ可能
- 移行条件:技能検定基礎級相当の合格
技能実習2号(入国2~3年目)
- 在留期間:2年以内(1年ごとの更新)
- 対象職種:88職種161作業(2023年12月時点)
- 移行条件:技能検定基礎級の実技・学科試験合格
- 累計滞在期間:最長3年
技能実習3号(入国4~5年目)
- 在留期間:2年以内
- 対象職種:78職種145作業
- 移行条件:3級技能検定または技能実習評価試験の実技試験合格
- 特別要件:優良な実習実施者・監理団体での受入れのみ
- 一時帰国:3号開始前または開始後1年以内に1ヶ月以上1年未満の帰国が必要
- 累計滞在期間:最長5年
特定技能制度の在留期間構造
2019年4月に創設された特定技能制度では、より柔軟な在留期間設定がなされています。
特定技能1号
- 在留期間:通算5年
- 更新頻度:1年、6ヶ月、4ヶ月ごと
- 対象分野:16の特定産業分野
- 技能実習からの移行:2号・3号修了者は試験免除
特定技能2号
- 在留期間:上限なし(実質的な永住可能)
- 更新頻度:3年、1年、6ヶ月ごと
- 対象分野:11分野(介護分野を除く)
- 家族帯同:配偶者・子の帯同が可能
在留期間延長の具体的方法と手続き
Step1:技能実習1号から2号への移行
技能実習1号から2号への移行は、外国人材の長期確保における最初の重要なステップです。
移行要件
- 対象職種での1年間の実習完了
- 技能検定基礎級相当の実技・学科試験合格
- 技能実習計画の認定取得
- 移行申請期間:1号実習期間終了1ヶ月前まで
手続きの流れ
- 技能検定受検申込み(実習期間中)
- 実技・学科試験の受験
- 合格後、在留資格変更許可申請書の作成
- 出入国在留管理局への申請
- 審査・許可後の新在留カード受領
Step2:技能実習2号から3号への移行
3号への移行は、優良な受入れ体制を持つ施設のみに認められる特別な制度です。
移行要件
- 優良な実習実施者・監理団体での受入れ
- 3級技能検定または技能実習評価試験の実技試験合格
- 対象職種での2年間の実習完了
- 一時帰国の実施
注意点
- 2号対象職種の一部は3号移行対象外
- 一時帰国期間の調整が必要
- 優良認定基準の維持が必須
Step3:特定技能への移行
技能実習2号または3号修了者は、特定技能1号への移行により更なる在留期間延長が可能です。
移行のメリット
- 技能実習2号からの移行:通算最長8年の滞在
- 技能実習3号からの移行:通算最長10年の滞在
- 試験免除:技能実習修了者は技能・日本語試験が免除
- 転職可能:同一業務区分内での転職が認められる
移行条件
- 技能実習2号または3号の良好な修了
- 技能実習の職種と特定技能業務の関連性
- 在留資格変更許可申請の承認
成功事例から学ぶ在留期間活用法
成功事例①:段階的な人材育成による定着率向上
関西のある特別養護老人ホームでは、技能実習1号から特定技能1号まで一貫した育成プログラムを構築し、高い定着率を実現しています。
取り組み内容
- 1号期間中:基礎的な介護技術と日本語能力の向上
- 2号期間中:専門的な介護技術の習得と技能検定対策
- 特定技能移行後:リーダー候補としての育成
この施設では、外国人介護士の在留期間を最大限活用することで、投資対効果の高い人材育成を実現し、日本人職員との良好な協働関係も築いています。
成功事例②:複数制度の組み合わせによる長期確保
東京都内のある介護施設グループでは、技能実習と特定技能を戦略的に組み合わせることで、10年間の長期雇用を実現しています。
戦略的ポイント
- 技能実習期間中の徹底的な日本語教育
- 2号から特定技能への早期移行による転職リスク軽減
- 特定技能2号取得に向けた計画的な技能向上支援
この取り組みにより、外国人介護士のキャリアパスが明確化され、モチベーション向上と長期定着を両立しています。
よくある質問(専門家に聞く)
Q1. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
Q2. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
制度に関するよくある質問
Q1. 特定技能実習生在留期間の計算方法で注意すべき点は?
A. 在留期間の計算は「在留カード交付日」を起点とし、雇用開始日ではありません。また、通算期間には日本を離れている期間や休職期間も含まれるため、実際の就労期間とは異なる場合があります。新型コロナウイルスによる入国制限期間は例外的に除外されます。
Q2. 特定技能実習生在留期間の更新手続きはいつから可能ですか?
A. 在留期間更新許可申請は、在留期間満了日の3ヶ月前から申請可能です。申請から許可まで通常1~2ヶ月程度を要するため、余裕を持った申請スケジュールの設定が重要です。
Q3. 技能実習から特定技能への移行時に在留期間はリセットされますか?
A. 技能実習から特定技能1号への移行時、在留期間は新たに5年間付与されますが、これまでの技能実習期間と合算して通算期間として管理されます。つまり、技能実習3年+特定技能5年で最長8年、技能実習5年+特定技能5年で最長10年となります。
Q4. 特定技能2号への移行で在留期間に制限はありますか?
A. 特定技能2号では在留期間の上限が撤廃され、3年・1年・6ヶ月ごとの更新により実質的な永住が可能です。ただし、介護分野は現在2号の対象外のため、介護分野での長期就労には介護福祉士資格の取得が必要です。
Q5. 在留期間中の一時帰国は期間に影響しますか?
A. 短期間の一時帰国は在留期間に影響しませんが、技能実習3号への移行時には1ヶ月以上1年未満の一時帰国が義務付けられています。この期間も通算在留期間にカウントされるため、全体の滞在計画に組み込む必要があります。
まとめ
特定技能実習生在留期間の理解は、外国人介護人材の戦略的活用において不可欠な要素です。
- 段階的な制度活用:技能実習1号→2号→3号→特定技能の流れで最長10年の確保が可能
- 適切な手続き管理:各段階での技能検定合格と期限内申請が延長の鍵
- 長期的な視点:投資対効果を最大化するための計画的な人材育成が重要
外国人介護人材の受入れは、単なる人手不足解消ではなく、多様性豊かな職場環境の構築と質の高いケアサービス提供への投資です。適切な在留期間管理により、施設と外国人材双方にとって価値のある長期的な関係構築を目指しましょう。
YMYL注意:在留資格制度は法改正により変更される可能性があるため、最新の出入国在留管理庁発表資料および専門家への確認をお勧めします。
出典・参考
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…介護職員必要数の根拠
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日…特定技能受入上限・国籍別ランキング・都道府県別受入状況の根拠
- 出入国在留管理庁「新たな外国人技能実習制度について」…技能実習制度の詳細
- 出入国在留管理庁「特定技能ガイドブック」…特定技能制度の概要
- 外国人技能実習機構「令和元年度における技能実習の状況について」…技能検定合格率データ
- 法務省「永住許可に関するガイドライン」令和6年11月18日改訂…永住権取得要件の根拠
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。