結論(30秒でわかる要点)
- 日本で働く外国人介護士は約5.5万人(令和4年時点)で、年々増加傾向にある
- 特定技能と技能実習が約8割を占め、在留資格「介護」は2割未満が現状
- 施設の80~90%が外国人介護士の受け入れを「増やしたい」または「維持したい」と回答
- 対象者:外国人介護士の採用を検討している介護施設の管理者・人事担当者
- 注意:制度は更新されるため、最新の公的資料で詳細を必ず確認してください
はじめに
介護現場の深刻な人手不足に直面している施設管理者の皆様にとって、外国人介護士の活用は避けて通れない選択肢となっています。しかし、「実際にどのくらいの外国人介護士が働いているのか」「どの在留資格が最適なのか」といった基本的な疑問から、採用後の定着率や教育方法まで、不安を感じている方も多いのではないでしょうか。
本記事では、外国人介護士の人数に関する最新データと、効果的な採用・活用方法について、現場経験を踏まえて詳しく解説します。
この記事でわかること
- 外国人介護士の正確な人数と在留資格別の内訳
- 各在留資格の特徴と採用時の注意点
- 成功している施設の具体的な取り組み事例
外国人介護士の現状と人数データ
用語の定義
外国人介護士の人数とは、日本国内で介護職に従事している外国人労働者の総数を指し、在留資格別に分類されて統計が取られています。
最新の人数統計
厚生労働省の資料によると、2023年12月末現在、日本では約5.5万人の外国人介護職員が働いています。この数字は前年と比較して大幅に増加しており、介護現場での外国人材の重要性が高まっていることを示しています。
令和5年時点での在留資格別内訳は以下の通りです:
- 特定技能「介護」:28,400人(最も多い)
- 技能実習「介護」:15,909人
- 在留資格「介護」:9,328人
- EPA介護福祉士・候補者:約3,257人
増加傾向の背景
外国人介護士の人数が急激に増加している主な要因:
- 深刻な人材不足:2025年には約32万人の介護職員が不足すると予測
- 制度の拡充:2024年度介護報酬改定で受け入れ要件が緩和
- 施設側のニーズ:全国老施協の調査で80~90%の施設が受け入れ拡大を希望
- 訪問介護への拡大:2025年4月から技能実習生・特定技能外国人も訪問系サービスに従事可能
在留資格別の特徴と採用戦略
Step1:目的に応じた在留資格の選択
外国人介護士の採用を成功させるには、まず施設の状況と目的に最適な在留資格を選択することが重要です。
即戦力を求める場合
- 在留資格「介護」:介護福祉士資格保有者で専門性が高い
- EPA介護福祉士:4年間の実務経験と資格取得済みで安定性抜群
人数を確保したい場合
- 特定技能「介護」:最大5年間、受け入れ人数制限が緩い
- 技能実習「介護」:最長5年間、基礎学力と日本語能力が一定水準
Step2:受け入れ体制の整備
各在留資格に応じた受け入れ要件を満たす必要があります:
共通要件
- 日本人職員と同等以上の労働条件
- 適切な指導体制の構築
- 安全対策の組織的実施
技能実習特有の要件
- 技能実習責任者、指導員、生活指導員の選任
- 技能実習生5名につき指導員1名以上配置
- うち1名以上は介護福祉士または同等の資格者
Step3:長期的な人材育成計画
外国人介護士の定着率向上のためには、段階的な成長支援が不可欠です:
- 入職後3ヶ月:基本的な日本語と介護技術の習得
- 6ヶ月~1年:チームワークの構築と専門技術の向上
- 2年目以降:リーダーシップの発揮と後輩指導
採用時の注意点とコツ
- 日本語能力の適切な評価:N4レベルでも実践的なコミュニケーション能力を重視
- 文化的背景の理解:宗教的配慮や食事制限への対応準備
- 住居確保の支援:生活基盤の安定が定着率に直結
- 定期的なフォロー体制:月1回以上の面談で不安や悩みを早期発見
成功事例と実践的な活用方法
成功事例①:段階的な受け入れで定着率90%を実現
関西のある特別養護老人ホームでは、最初に特定技能外国人2名を受け入れ、1年間かけて受け入れ体制を整備しました。その結果:
導入前の課題
- 日本人職員の離職率が高い
- 夜勤体制の維持が困難
- 利用者様への十分なケア時間確保が難しい
実施した取り組み
- 日本語学習支援(週2回の個別指導)
- メンター制度の導入(日本人職員1名が専属でサポート)
- 文化交流イベントの開催(月1回、職員全体で実施)
成果
- 外国人介護士の定着率90%を達成
- 日本人職員の離職率も30%減少
- 利用者様からの満足度向上
成功事例②:EPA制度活用で専門性の高いチーム構築
東京都内の介護老人保健施設では、EPA制度を活用してフィリピン人介護福祉士を3名採用し、専門性の高いケアチームを構築しました:
重要なポイント
- 4年間の学習支援体制を事前に整備
- 介護福祉士試験対策の専門講師を配置
- 合格後のキャリアパスを明確化
得られた効果
- 3名全員が介護福祉士試験に合格
- 他の職員のスキルアップにも貢献
- 施設全体のケアの質が向上
よくある質問(専門家に聞く)
Q1. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
Q2. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
制度に関するよくある質問
Q3. 外国人介護士の人数制限はありますか?
A. 在留資格により異なります。特定技能では事業所単位で日本人等の常勤職員数を超えない範囲、技能実習では技能実習生5名につき指導員1名以上の配置が必要です。EPA制度は国別の受け入れ上限が設定されています。
Q4. 外国人介護士の採用にかかる費用はどのくらいですか?
A. 在留資格や紹介機関により大きく異なりますが、一般的に初期費用として50~150万円程度、月額の支援費用として5~15万円程度が相場です。ただし、長期的な人材確保効果を考慮すると投資対効果は高いと言えます。
Q5. 外国人介護士の日本語能力はどの程度必要ですか?
A. 最低限N4レベル(特定技能・技能実習)からN2レベル(在留資格「介護」)まで幅があります。重要なのは試験レベルよりも実際のコミュニケーション能力で、現場での実践を通じて向上していくケースが多いです。
Q6. 訪問介護で外国人介護士を活用できますか?
A. 2025年4月から技能実習生および特定技能外国人も訪問系サービスに従事可能となりました。ただし、利用者・家族への事前説明と書面での同意取得、ICT機器の活用などの条件があります。
Q7. 外国人介護士の定着率を向上させる方法は?
A. 定着率向上のポイントは、①適切な日本語学習支援、②メンター制度の導入、③文化的配慮、④キャリアパスの明確化、⑤定期的な面談によるフォロー体制です。特に最初の6ヶ月間の支援が重要です。
外国人介護士は今後も増加する見込み
日本の介護分野では、今後も人材不足が続くことが確実視されています。厚生労働省の推計では、2040年までに約57万人の介護職員が不足するとされており、国内人材だけでこの不足を補うことは困難と考えられています。
このような背景から、特定技能・技能実習・在留資格「介護」などの制度を活用した外国人介護士の受け入れは、今後さらに拡大していく見込みです。実際に、外国人介護職員の人数はここ数年で大きく増加しており、多くの介護施設において重要な人材確保の選択肢となっています。
また、制度の整備や受け入れ体制の改善も進んでおり、外国人介護士は単なる補助的な人材ではなく、長期的に介護現場を支える存在として位置付けられつつあります。適切な採用と育成体制を整えることで、安定した人材確保と質の高い介護サービスの提供につながることが期待されています。
まとめ
- 現状把握:外国人介護士約5.5万人が活躍し、特定技能と技能実習が主流
- 戦略的採用:施設の目的に応じた在留資格選択と段階的な受け入れ体制構築が成功の鍵
- 長期視点:人手不足の解決だけでなく、一緒に成長する仲間として迎え入れる姿勢が重要
外国人介護士の活用は、単なる人手不足対策ではなく、多様性のある職場づくりと質の高いケア提供につながる重要な取り組みです。まずは小規模から始めて、段階的に受け入れ体制を整備していくことをお勧めします。
【YMYL注意】 制度の詳細や最新の要件については、厚生労働省や出入国在留管理庁の公式資料で最新情報を確認し、専門家にご相談ください。
出典・参考
- 厚生労働省「外国人介護職員の受入れと活躍支援に関するガイドブック」…外国人介護士の人数統計と制度概要の根拠
- 法務省「職種・作業別 在留資格『技能実習』に係る在留者数」…技能実習生の正確な人数データ
- 全国老人福祉施設協議会「令和4年度外国人介護人材に関する実態調査」…施設側の受け入れ意向調査結果
- 公益社団法人日本介護福祉士会「在留資格『介護』の実態把握等に関する調査研究事業報告書」…介護福祉士資格保有者の詳細分析
- 三菱UFJリサーチ&コンサルティング「外国人介護職員の受入れと活躍支援に関するガイドブック」…制度比較と活用方法の指針
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
外国人介護士の採用をご検討中の施設様へ
介護人材不足は今後さらに深刻化します。
外国人介護士の採用は、制度理解と適切な支援体制が重要です。
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