結論(30秒でわかる要点)
- 訪問介護での特定技能外国人雇用は2025年4月21日から正式解禁
- 受け入れには実務経験1年以上・初任者研修修了・5つの遵守事項が必要
- 人手不足解消の切り札として期待される一方、適切な体制整備が不可欠
- 対象者:訪問介護事業所の経営者・管理者・人事担当者向け
- 注意:制度は更新されるため最新の厚生労働省資料で確認が必要
はじめに
訪問介護業界では深刻な人手不足が続いており、有効求人倍率は15.53倍と施設系介護職員の約4倍に達しています。「いつになったら特定技能外国人を訪問介護で雇用できるのか」「どのような要件を満たせば受け入れ可能なのか」といった疑問をお持ちの事業者様も多いのではないでしょうか。
2025年4月21日、ついに特定技能外国人による訪問介護サービスが解禁されました。これにより、人手不足に悩む訪問介護事業所にとって新たな選択肢が生まれています。
この記事でわかること
- 特定技能外国人の訪問介護解禁の具体的時期と背景
- 受け入れに必要な要件と遵守すべき5つの事項
- 実際の導入における注意点とメリット・デメリット
訪問介護における特定技能外国人雇用の基礎知識
用語の定義
「訪問介護 特定技能 いつから」とは、特定技能外国人が訪問介護サービスに従事できる制度の開始時期と要件に関する情報を指します。
解禁の背景と現状
訪問介護業界の人手不足は危機的状況にあります。厚生労働省の調査によると、訪問介護事業所の81.9%が人手不足を感じており、訪問介護員の平均年齢は54.4歳、65歳以上が24.4%を占めています。
この深刻な状況を受け、政府は2024年6月19日の有識者検討会で訪問介護サービスへの特定技能外国人導入を解禁する方針を決定しました。従来は施設介護のみに限定されていた特定技能外国人の活用範囲を、訪問系サービスまで拡大することになったのです。
解禁に至った要因
- 人材確保の困難さ:訪問介護員の有効求人倍率15.53倍という数値
- 高齢化の進行:2040年には約32,000人の訪問介護員不足が見込まれる
- 事業所の廃業増加:人手不足により新規利用者受け入れを断る事業所の増加
- 若手人材の不足:20~29歳の訪問介護員の割合はわずか3.9%
特定技能外国人の訪問介護解禁:具体的な開始時期と要件
解禁時期の詳細
特定技能外国人による訪問介護サービスは2025年4月21日から正式に開始されました。技能実習生については同年4月1日から解禁されており、わずかな時期の違いはありますが、両制度ともに2025年春からの運用開始となっています。
Step1:外国人側の基本要件
特定技能外国人が訪問介護に従事するための前提条件は以下の通りです:
- 特定技能「介護」の在留資格保有
- 介護職員初任者研修課程等の修了
- 介護事業所等での実務経験1年以上(原則)
Step2:受け入れ事業所の準備
事業所側は以下の準備を完了させる必要があります:
- 適合確認申請の提出(介護分野における特定技能協議会宛)
- 研修・指導体制の整備
- ICT環境の構築
- ハラスメント防止体制の確立
Step3:利用者・家族への説明と同意取得
サービス提供前に、利用者・家族に対して以下の説明を行い、同意を得る必要があります:
- 特定技能外国人の資格・経験・能力
- 実施予定の研修・指導体制
- 同行訪問の期間と方法
- 緊急時の対応方法と連絡体制
受け入れ事業所が遵守すべき5つの重要事項
1. 訪問介護の業務基本事項研修の実施
外国人介護人材に対し、以下の内容を含む研修を必ず実施します:
- 利用者の居宅でのサービス提供基本事項
- 生活支援技術の習得
- 利用者・家族とのコミュニケーション方法
- 日本の生活様式の理解
2. 同行訪問によるOJTの実施
実際の訪問介護現場での実地指導が必要です:
- サービス提供責任者や先輩職員による一定期間の同行
- 段階的な業務移行(見学→一部担当→主体的実施)
- 外国人材が単独で適切なサービス提供ができるまでの継続指導
3. キャリアアップ計画の作成
外国人介護人材と共同で以下を含む計画を策定します:
- 介護技能修得目標の設定
- 資格取得・研修受講目標
- 将来のキャリア目標
- 定期的な面談による進捗確認と計画見直し
4. ハラスメント防止対策
包括的な防止体制の構築が求められます:
- 専任相談員の配置(可能であれば多言語対応)
- 匿名相談受付体制の整備
- ハラスメント防止マニュアルの作成
- 定期的な研修の実施
5. ICT活用による環境整備
一人での対応が基本となる訪問介護では、ICT活用が特に重要です:
- GPS機能付きスマートフォンの配布
- ビデオ通話システムの整備
- 緊急時の即座連絡体制構築
- AI翻訳ツールの提供
実際の導入事例と成功のポイント
成功事例①:段階的な受け入れ体制構築
関西のある訪問介護事業所では、特定技能外国人2名の受け入れに向けて半年前から準備を開始しました。まず日本人職員向けの多文化理解研修を実施し、受け入れ体制を整備。その後、ICTツールの導入と操作研修を行い、緊急時対応マニュアルを多言語化しました。
結果として、外国人介護士の定着率が向上し、利用者満足度も高水準を維持しています。成功の要因は「事前準備の徹底」と「職員全体での受け入れ意識の共有」でした。
成功事例②:メンター制度の導入
東京都内のある事業所では、日本人職員によるマンツーマンのメンター制度を導入しました。技術指導だけでなく、日本語学習支援や生活面でのサポートも含む包括的な支援体制を構築。
この取り組みにより、外国人介護士のスキル向上が早まり、6か月後には単独での訪問が可能になりました。利用者からも「丁寧で心のこもったケア」として高い評価を得ています。
よくある質問(専門家に聞く)
Q1. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
Q2. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
制度に関するよくある質問
Q1. 訪問介護で特定技能外国人を雇用する際、介護福祉士の資格は必要ですか?
現時点(2025年)では、介護福祉士の資格は不要です。出入国在留管理庁からも、介護福祉士資格を持たない方でも一定の基準を満たせば従事可能との回答が出ています。ただし、介護職員初任者研修課程等の修了は必須要件となっています。
Q2. 実務経験1年未満の特定技能外国人でも訪問介護に従事できますか?
例外的に可能ですが、以下の追加要件があります:
- N2相当の日本語能力を有すること
- より長期間の同行訪問(週1回利用者の場合は原則6か月)
- ICT機器を活用した常時連絡体制の構築
- 利用者・家族への詳細な説明と同意取得
Q3. 訪問介護での特定技能外国人雇用にかかる費用はどのくらいですか?
主な費用項目は以下の通りです:
- 適合確認申請費用:数万円程度
- 研修実施費用:10-30万円程度
- ICT機器導入費用:1人あたり5-15万円程度
- 登録支援機関委託費用:月額2-5万円程度
具体的な金額は事業所の規模や導入するシステムにより異なります。
Q4. 利用者や家族が外国人介護士を拒否した場合はどうなりますか?
利用者・家族への事前説明と同意取得が必須要件となっているため、同意が得られない場合は該当利用者への特定技能外国人によるサービス提供は行えません。丁寧な説明により理解を得ることが重要です。
Q5. 特定技能外国人が訪問介護で働ける期間はどのくらいですか?
特定技能1号の在留期間は最大5年間です。その後、介護福祉士資格を取得すれば在留資格「介護」に変更し、長期的に日本で働くことが可能になります。事業所としては、介護福祉士取得支援を含むキャリアアップ計画の策定が求められています。
まとめ
- 解禁時期:2025年4月21日から特定技能外国人の訪問介護従事が正式開始
- 基本要件:実務経験1年以上・初任者研修修了・5つの遵守事項クリアが必須
- 成功のカギ:事前準備の徹底・職員全体での受け入れ体制構築・長期的視点での育成
訪問介護での特定技能外国人雇用は、深刻な人手不足解消の有効な手段となります。ただし、適切な体制整備と継続的なサポートが成功の前提条件です。まずは制度の詳細を理解し、自事業所での受け入れ可能性を検討することから始めましょう。
【YMYL注意】最終的な判断は最新の厚生労働省資料および専門家への確認が必要です。
出典・参考
- 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービスへの従事について」…制度概要と要件の根拠
- 出入国在留管理庁「特定技能制度運用状況」…特定技能外国人の統計データ
- 厚生労働省「介護人材確保の現状について」…人手不足の現状データ
- 公益財団法人介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」…訪問介護の人手不足状況
- 厚生労働省「職業安定業務統計」…有効求人倍率のデータ
- 国際厚生事業団ホームページ…適合確認申請の手続き方法
- 厚生労働省「外国人介護人材の業務の在り方に関する検討会 中間まとめ」…解禁決定の背景
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。

コメント