結論(30秒でわかる要点)
- 熊本県では2040年までに約9,827人の介護職員不足が予測され、外国人介護士の採用が急務
- 特定技能・技能実習・EPA・在留資格「介護」の4つの制度で外国人介護士を受け入れ可能
- 熊本県独自の住居借上支援・留学生奨学金支援など手厚い補助制度を活用できる
- 対象者:熊本県内の介護施設経営者・人事担当者・外国人介護士採用を検討する方
- 注意:制度は随時更新されるため、最新の公的資料で詳細を確認してください
はじめに

熊本県の介護現場で深刻化する人手不足に、多くの施設が頭を悩ませているのではないでしょうか。令和5年時点で熊本県の高齢化率は32.3%に達し、2050年には38.8%まで上昇する見込みです。(出典:内閣府「令和6年版高齢社会白書」)一方で、介護職員の必要数は2040年までに約9,827人の増員が必要とされており、従来の人材確保だけでは限界があるのが現実です。
そんな中、外国人介護士の採用は有効な解決策として注目を集めています。しかし「どの制度を選べばいいのか」「熊本県ではどんな支援が受けられるのか」「実際の採用プロセスはどうなるのか」といった疑問を抱える施設も多いでしょう。
この記事でわかること
- 熊本県で利用できる外国人介護士採用制度の全体像
- 各制度のメリット・デメリットと選び方
- 熊本県独自の支援制度と活用方法
- 実際の採用から定着までの具体的な流れ
熊本県における外国人介護士採用の現状と背景

用語の定義
外国人介護士 採用 熊本県とは:熊本県内の介護施設が、特定技能・技能実習・EPA・在留資格「介護」の制度を活用して外国人介護人材を雇用し、適切な教育・支援を行いながら介護現場で活躍してもらう人材確保の取り組みです。
熊本県の介護人材不足の深刻度
熊本県の介護職員必要数は以下の通り推移する見込みです:
- 2022年実績:32,297人
- 2026年必要数:37,228人(2022年比 +4,931人)
- 2040年必要数:42,124人(2022年比 +9,827人)
(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)
この数字が示すように、熊本県では今後18年間で約1万人の介護職員を新たに確保する必要があります。従来の採用手法だけでは到底追いつかない規模であり、外国人介護士の活用は避けて通れない課題となっています。
熊本県の外国人介護士受入状況
現在、熊本県では特定技能「介護」外国人を509人受け入れており(2024年6月時点)、九州・沖縄地方の中でも積極的な受け入れを進めています。(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」)
全国的には以下の国籍の外国人介護士が活躍しています:
- インドネシア:12,242人(27.6%)
- ミャンマー:11,717人(26.4%)
- ベトナム:8,910人(20.1%)
- フィリピン:4,538人(10.2%)
- ネパール:3,602人(8.1%)
外国人介護士採用の4つの制度とその選び方

Step1:制度の種類を理解する
熊本県で外国人介護士を採用する際は、以下4つの制度から選択できます:
1. 特定技能1号「介護」
- 対象者:介護技能評価試験・介護日本語評価試験に合格した外国人
- 在留期間:最長5年
- 特徴:即戦力として期待でき、直接雇用のみ可能
2. 技能実習「介護」
- 対象者:技能実習機構認定の技能実習計画に基づく実習生
- 在留期間:最長5年
- 特徴:技能移転が目的、段階的な技能習得
3. EPA(経済連携協定)
- 対象国:インドネシア、フィリピン、ベトナム
- 在留期間:原則4年(介護福祉士合格で永続就労可能)
- 特徴:国家資格取得を目指す候補者
4. 在留資格「介護」
- 対象者:介護福祉士国家資格取得者
- 在留期間:最長5年(更新制限なし)
- 特徴:最も安定した雇用形態
Step2:施設の状況に応じた制度選択
即戦力が必要な場合
- 特定技能1号または在留資格「介護」を選択
- 日本語能力と介護技能が一定レベル以上
長期的な人材育成を重視する場合
- 技能実習またはEPAを選択
- 時間をかけて施設の文化に馴染んでもらう
安定した雇用を求める場合
- EPAまたは在留資格「介護」を選択
- 国家資格取得により長期就労が可能
Step3:採用プロセスの準備
各制度共通で必要な準備項目:
- 外国人雇用に関する社内体制整備
- 住居確保(熊本県の住居借上支援活用可能)
- 日本語学習支援体制の構築
- 文化的配慮を含む職場環境の整備
- 在留資格申請手続きの理解
熊本県独自の外国人介護士支援制度
外国人介護人材住居借上支援事業
熊本県では、外国人介護士の住居確保を支援する独自の補助制度を実施しています。
補助対象者
- 県内の介護保険法に基づく指定・許可を受けた介護サービス事業者
- 外国人介護人材用の住居を借り上げ、居住させている事業者
補助内容
- 1戸あたり月額15,000円を上限として家賃・共益費の1/2を補助
- 1施設につき年間200,000円が交付限度額
- 補助期間は入居から最長1年間
この制度により、施設側の初期負担を大幅に軽減できます。
外国人留学生奨学金等支給支援事業
介護福祉士を目指す外国人留学生への支援も充実しています。
補助対象経費
- 学費:年額600,000円以内(基準額の1/3を補助)
- 生活費:年額360,000円以内(居住費・食費・光熱費等)
- 入学準備金:200,000円以内(1回限り)
- 就職準備金:200,000円以内(1回限り)
この制度を活用することで、将来の介護福祉士候補者を長期的に育成できます。
技能実習生等介護人材受入支援事業
県では技能実習生や特定技能外国人を対象とした研修も実施しており、介護技能の向上と県内での円滑な就労・定着を支援しています。
成功事例から学ぶ外国人介護士採用のポイント
成功事例①:段階的な受け入れで定着率向上
九州地方のある特別養護老人ホームでは、最初に1名の特定技能外国人を受け入れ、3か月の試行期間を経て追加で2名を採用しました。
成功のポイント
- 最初の1名に日本人職員がマンツーマンでサポート
- 利用者様やご家族への事前説明を丁寧に実施
- 文化的な違いを理解し、食事や宗教的配慮を提供
結果
- 3名全員が1年以上継続勤務
- 日本人職員のモチベーション向上
- 利用者様からの評価も良好
成功事例②:地域連携による包括的支援
関西地方のグループホームでは、地域の日本語学校と連携し、フィリピン人介護士2名の日本語能力向上を図りました。
成功のポイント
- 週2回の日本語レッスンを勤務時間内に設定
- 地域住民との交流イベントを定期開催
- 熊本県の住居借上支援を活用し、施設近くにアパートを確保
結果
- 日本語能力試験N2レベルに到達
- 地域コミュニティとの良好な関係構築
- 介護福祉士国家試験への挑戦意欲向上
よくある質問(専門家に聞く)
Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
Q. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
制度に関するよくある質問
Q1. 外国人介護士 採用 熊本県で利用できる在留資格の違いは何ですか?
A. 主な違いは在留期間と就労制限です。特定技能1号は最長5年で直接雇用のみ、技能実習は最長5年で技能移転が目的、EPAは4年間で国家資格取得を目指し、在留資格「介護」は更新制限なしで最も安定しています。施設の方針と受け入れ体制に応じて選択することが重要です。
Q2. 外国人介護士 採用 熊本県での住居確保はどのように進めればよいですか?
A. 熊本県の外国人介護人材住居借上支援事業を活用することで、月額15,000円を上限として家賃の1/2を補助してもらえます。施設から通勤しやすい立地で、文化的配慮(ハラール対応キッチンなど)も考慮した物件選びが重要です。地域の不動産業者と連携し、外国人入居可能な物件を事前にリストアップしておくことをお勧めします。
Q3. 外国人介護士 採用 熊本県での日本語能力はどの程度必要ですか?
A. 制度により異なりますが、特定技能では介護日本語評価試験合格レベル(N4程度)、EPAでは入国時にN5程度、在留資格「介護」では介護福祉士国家試験合格レベル(N2程度)が目安です。ただし、現場では利用者様との円滑なコミュニケーションが重要なため、継続的な日本語学習支援が必要です。
Q4. 外国人介護士 採用 熊本県での費用はどのくらいかかりますか?
A. 制度や紹介会社により異なりますが、一般的に初期費用として50万円~100万円程度、月額の管理費として3万円~5万円程度が相場です。ただし、熊本県の各種支援制度を活用することで、住居費や教育費の負担を軽減できます。長期的な人材確保コストと比較して検討することが重要です。
Q5. 外国人介護士 採用 熊本県で失敗を避けるための注意点は何ですか?
A. 最も重要なのは「文化の違いを理解し、時間をかけて信頼関係を築く」ことです。即戦力を期待しすぎず、3~6か月の適応期間を設けること、宗教的配慮や食事の配慮を行うこと、日本人職員への事前説明を徹底することが成功の鍵です。また、定期的な面談を通じて悩みや不安を早期に発見し、適切にサポートすることが定着率向上につながります。
まとめ
熊本県における外国人介護士採用は、深刻な人材不足解決の重要な手段として位置づけられています。本記事でお伝えした主要なポイントは以下の通りです:
- 制度選択:特定技能・技能実習・EPA・在留資格「介護」から施設の状況に応じて最適な制度を選択
- 県独自支援:住居借上支援や留学生奨学金支援など、熊本県の手厚い補助制度を最大限活用
- 長期的視点:即戦力を期待するのではなく、文化の違いを理解し、時間をかけて信頼関係を構築
外国人介護士の採用は単なる人手不足の解決策ではなく、多様性に富んだ職場環境の構築と、国際的な視野を持った介護サービスの提供につながります。まずは制度の理解と受け入れ体制の整備から始め、段階的に取り組みを進めていくことをお勧めします。
【YMYL注意】 外国人介護士採用に関する制度や補助金は随時更新される可能性があります。実際の採用を検討される際は、最新の公的資料や専門家への相談を通じて詳細をご確認ください。
出典・参考
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日…特定技能受入上限・国籍別ランキング・都道府県別受入状況の根拠
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…熊本県の介護職員必要数推計の根拠
- 内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版)」表1-1-10 都道府県別高齢化率の推移…熊本県の高齢化率データの根拠
- 熊本県公式サイト「外国人介護人材について」…県の支援制度概要の根拠
- 熊本県公式サイト「外国人介護人材住居借上支援事業費補助金」…住居支援制度の詳細根拠
- 熊本県公式サイト「外国人留学生奨学金等支給支援事業費補助金」…留学生支援制度の詳細根拠
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
