結論(30秒でわかる要点)
外国人雇用助成金とは、外国人労働者の採用・定着・育成を支援するために国や地方自治体が事業主に支給する助成金・補助金の総称です。外国人を「雇うだけ」で支給される国の制度はなく、職場環境の整備や正社員化など、「取り組み」に対して支給されます。
- 重要ポイント①:外国人専用の国の助成金「就労環境整備助成コース」は、2026年10月1日以降に計画を提出する場合、20万円(一時帰国休暇の整備で最大25万円)に変更。9月30日までに計画を提出済みの事業主は、旧ルール(最大80万円)で進められる
- 重要ポイント②:同じ2026年10月1日に、在留資格の変更・更新の手数料も値上げされた(例:在留期間1年で、一律6,000円から窓口33,000円へ)。助成額は減り、受け入れ側の費用は増えている
- 重要ポイント③:外国人専用ではないが使える国の助成金として、キャリアアップ助成金(正社員化コース:有期から正規へ1人40万円など)、人材開発支援助成金、雇用調整助成金がある
- 重要ポイント④:介護分野では、都道府県が実施する「外国人介護人材獲得強化事業」「外国人介護人材定着促進事業」などの補助が使える。金額・受付期間は都道府県ごとに異なる
- 対象者:外国人労働者を雇用している、または採用を検討している中小企業・介護事業所
- ⚠️ 助成金制度は随時改正されるため、申請前に必ず最新の公的資料(厚生労働省・各自治体)でご確認ください。本記事は2026年10月時点の情報です。
はじめに:外国人雇用助成金を活用すべき理由

「外国人を採用したいけれど、コストが心配」「受け入れ環境を整えたいが、何から手をつければいいかわからない」――そんな声を、多くの企業・介護施設から耳にします。
外国人雇用に伴うコストを軽減できる助成金・補助金は、2026年度も複数あります。ただし、2026年10月には外国人専用の助成金が大きく見直され、「最大80万円」という古い情報が出回っています。あわせて、在留資格の手数料も引き上げられ、受け入れ側の負担は増えています。厚生労働省が2026年1月に公表した「外国人雇用状況の届出状況(令和7年10月末)」では、日本で働く外国人労働者は257万1,037人と過去最多を更新し、外国人を雇用する事業所は37万1,215所に達しました。外国人雇用は、中小企業や介護施設にとっても当たり前の選択肢になりつつあります。
この記事でわかること:
- 2026年度に活用できる国の助成金の種類と金額
- 就労環境整備助成コースの2026年10月改正の内容と申請の流れ
- 2026年10月の改正で、助成金と在留手数料がどう変わったか
- 介護分野で使える都道府県の補助事業と、自治体独自の補助金
- 助成金に共通する注意点(計画の提出順序など)
外国人雇用助成金とは?2026年度の背景と必要性

「外国人雇用助成金」の定義
外国人雇用助成金とは、外国人労働者の採用・職場定着・スキルアップを促進するために、国や地方自治体が事業主に対して支給する補助的な金銭的支援制度の総称である。
日本の労働市場が抱える深刻な課題
外国人雇用助成金が必要とされる背景には、日本の深刻な人手不足があります。厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」によれば、介護職員だけでも2022年実績の215万人から2026年には240万人(2022年比+25万人)が必要とされています。2040年には272万人(同+57万人)が必要と試算されており、外国人労働者の活用は避けて通れない課題です。
(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)
助成金と補助金の違い
助成金と補助金は混同されがちですが、以下の点で異なります。
- 助成金:厚生労働省が所管し、雇用保険料が財源。要件を満たせば原則として支給される
- 補助金:国や自治体の予算枠の範囲で、審査・採択を経て支給される。自治体の外国人受入れ支援は「補助金」の名称が多く、予算の上限に達すると受付が終了することもある
国の助成金と自治体の補助金は、対象経費などが重複しなければ併用できる場合があります。ただし、制度によっては重複受給が認められていないため、要綱の確認が必要です。
外国人雇用が進む主な要因
- 少子高齢化による国内労働力の絶対的不足
- 特定技能制度の拡充により、受け入れ可能な分野・人数が増加
- 特定技能「介護」の在留者数は、2026年6月末時点で79,884人(速報値)と、制度開始から約6年半で約4,200倍に急増(出典:出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)」)
- 2027年4月の育成就労制度の開始に向けた、受け入れ体制づくりの動き
2026年度に活用できる外国人雇用助成金・補助金一覧

国の主要助成金
外国人専用の国の助成金は、「就労環境整備助成コース」だけです。ほかの助成金は外国人専用ではなく、日本人と同じ要件を満たせば外国人にも適用されます。
| 制度名 | 助成額の目安(中小企業) | 主な対象・ポイント |
|---|---|---|
| 人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース) | 20万円、一時帰国休暇の整備で最大25万円(2026年10月1日以降に計画を提出した場合。事業主単位) | 雇用保険被保険者の外国人労働者を雇用する事業主。9月30日までに計画を提出済みの場合は旧ルール(最大80万円) |
| キャリアアップ助成金(正社員化コース) | 有期→正規:1人40万円(重点支援対象者は80万円)/無期→正規:1人20万円(重点支援対象者は40万円) | 有期雇用の外国人を正社員へ転換。技能実習生は対象外 |
| キャリアアップ助成金(賃金規定等改定コース) | 1人4万〜7万円(引上げ率による) | 非正規の外国人の基本給を3%以上増額改定 |
| 人材開発支援助成金 | 訓練経費の一部+訓練期間中の賃金の一部(コースにより異なる) | 職務に関連する研修が対象。生活日本語の講座は対象になりにくい |
| 雇用調整助成金 | 休業手当等の2/3(1人1日あたり上限9,110円。2026年8月1日改定) | 業績悪化時に解雇せず雇用を維持する事業主。国籍は問わない。技能実習生への教育訓練は対象外 |
※金額は2026年10月時点の厚生労働省の公表資料にもとづく目安です。申請前には、最新のリーフレット・支給要領を必ずご確認ください。
最重要:就労環境整備助成コースの2026年10月改正ポイント
「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」は、外国人労働者が働きやすい職場環境を整備し、定着に取り組む事業主を支援する制度です。2026年10月1日に支給要領が改正されました。適用される制度は、就労環境整備計画を提出した日で決まります。
改正前後の主な変更点:
- 支給額の変更:最大80万円 → 20万円(一時帰国のための休暇制度を整備すると5万円加算で最大25万円)。支給は事業主単位で、外国人の人数が増えても増えない
- 必須措置の再編:「苦情・相談体制の整備」が独立した措置としては廃止され、選任した雇用労務責任者による苦情・相談対応が必須の要件に組み込まれた
- 面談要件:雇用労務責任者が、原則として全外国人労働者と3か月ごとに1回以上面談する
- 講習の受講:雇用労務責任者が「外国人労働者雇用労務責任者講習」を受講する
- 多言語化:就業規則または労働協約、労働条件通知書または雇用契約書、社内マニュアルの3区分について、それぞれ1種類以上を多言語化する
- 離職率要件:計画期間終了後6か月の離職率が15%以下であること。責任者講習の受講証明書による離職率要件の免除は廃止された
受給の3ステップ:
- 就労環境整備計画の提出:労働局へ計画書を提出する(措置の実施前に必ず提出)
- 措置の実施:計画に基づき、雇用労務責任者の選任・多言語化・面談等を実施する
- 支給申請:計画期間終了後6か月が経過した時点で、外国人労働者の離職率が15%以下であることを確認して申請する
⚠️ 計画の提出前に措置を始めてしまうと受給できなくなるため、順序を守ることが最重要です。なお、2026年10月時点では、改正後の要領に対応した電子申請は準備中とされており、書類は管轄の労働局へ持参または郵送で提出します。
介護分野で使える都道府県の補助事業
介護分野には、国の助成金に加えて、都道府県が実施する外国人介護人材向けの補助事業があります。「外国人介護人材獲得強化事業」は、2026年度に新設されるものではなく、2023年度から都道府県で実施されている事業です。
- 外国人介護人材獲得強化事業:海外現地の学校・送り出し機関との関係構築、現地での説明会の開催など、海外での人材確保に取り組む介護事業所・介護福祉士養成施設・日本語学校等を支援する
- 外国人介護人材定着促進事業:外国人介護職員の生活支援や、日本語学習・交流の機会づくりなど、受け入れ事業所の定着支援の経費を補助する。たとえば群馬県では、1事業所あたり補助基準額30万円に対して、補助率3/4(上限22.5万円)
- 外国人介護人材受入施設等環境整備事業:地域医療介護総合確保基金による補助(補助率2/3)で、学習支援・生活支援・コミュニケーション支援などの経費が対象
これらは都道府県が実施主体で、上限額・補助率・受付期間は都道府県ごと、年度ごとに異なります。たとえば青森県の令和8年度「外国人介護人材獲得強化事業費補助金」の申請受付は、2026年9月1日から10月16日までと短期間で終わっています。事業所のある都道府県の福祉・介護人材担当課に、年度初めに確認しておくことをおすすめします。
2026年10月の改正で何が変わったか|助成金は減り、在留手数料は増えた
2026年10月1日には、外国人を雇用する企業に関わる2つの制度が同時に変わりました。受け取れる助成額は減り、支払う費用は増えたことになります。
助成金:外国人専用の助成金が減額された
| 項目 | 改正前(9月30日までに計画提出) | 改正後(10月1日以降に計画提出) |
|---|---|---|
| 支給額 | 最大80万円 | 20万円(一時帰国休暇の整備で最大25万円) |
| 責任者との面談 | 計画期間中に1回以上 | 3か月ごとに1回以上 |
| 責任者講習 | 受講証明書で離職率要件を免除できた | 受講が必須。離職率要件の免除は廃止 |
最大で55万円の減額になり、条件も厳しくなりました。一方、キャリアアップ助成金や人材開発支援助成金は、この10月の改正の対象ではありません。
在留手数料:更新・変更の手数料が大幅に値上げされた
在留資格の変更・在留期間の更新の手数料は、一律6,000円(オンライン5,500円)から、許可される在留期間に応じた段階制に変わりました。永住許可は1万円から20万円に引き上げられています。
| 許可される在留期間 | 窓口申請 | オンライン申請 |
|---|---|---|
| 3か月以下 | 10,000円 | 10,000円 |
| 3か月超〜6か月以下 | 18,000円 | 15,000円 |
| 6か月超〜1年未満 | 25,000円 | 21,000円 |
| 1年 | 33,000円 | 27,000円 |
| 1年超〜3年未満 | 48,000円 | 42,000円 |
| 3年以上〜5年未満 | 64,000円 | 56,000円 |
| 5年以上 | 75,000円 | 65,000円 |
※オンライン申請では、別途、決済手数料がかかります。新旧どちらの手数料になるかは、許可日ではなく、入管が申請を受け付けた日で決まります。9月30日までに受け付けられた申請は、許可が10月以降でも旧料金です。
企業への影響と対策
たとえば、在留期間1年が許可される外国人10名分を窓口で更新する場合、手数料は改正前の6万円から33万円に増える計算です(単純計算)。外国人材の人数が多い事業所ほど、負担の差は大きくなります。
- 計画の提出日を確認する:就労環境整備助成コースは、計画の提出日で旧ルールか新ルールかが決まります。すでに9月30日までに提出済みなら、旧ルールで進められます
- 手数料の負担ルールを決めておく:在留資格の更新費用を企業と本人のどちらが負担するかを、雇用契約や社内規程で事前に決めておきましょう
- オンライン申請を検討する:オンライン申請のほうが、手数料が低く設定されています(決済手数料は別途)
- 助成金は「費用の一部補填」と考える:受給額は減りましたが、定着のための取り組み自体は、離職・再採用のコストを抑える効果があります
地方自治体の外国人雇用補助金:国の制度との組み合わせ活用

自治体補助金の特徴と活用メリット
国の助成金でカバーされにくい「特定技能外国人の受入初期費用」「登録支援機関への委託費」「日本語教育費」「寮の家電・住居の確保費用」などは、都道府県・市区町村が独自に補助している例があります。金額や要件は自治体ごとに大きく異なり、年度の途中で予算上限に達して受付が終了することも少なくありません。
参考例:
- 大分県:技能実習生・特定技能外国人等の就業環境や居住環境の整備に取り組む県内企業に、最大100万円を補助(令和8年度「外国人労働者等就業環境等整備促進補助金」。寮の家電・日本語教育などが対象)
- 東京都:後述の「中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金」
東京都の外国人従業員研修等支援助成金(参考例)
東京都産業労働局は、令和8年度も「中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金」を実施しており、受付期間は2026年4月9日から2027年1月14日までです。
- 一般コース:補助率1/2、上限25万円(標準プラン。短時間プランは上限15万円)。日本語教育・ビジネスマナー・異文化理解の研修が対象
- ウクライナ避難民採用企業コース:補助率10/10、上限50万円(標準プラン)
- 対象:日本語能力試験N2レベル以下の外国人従業員を雇用する都内の中小企業等。対象となる在留資格に制限があるため、要綱で必ず確認してください
自治体補助金を探すポイント
- 自社の所在する都道府県・市区町村の公式サイトを確認する
- 「外国人雇用 補助金 ○○県」で検索し、最新の募集状況を調べる
- 商工会議所・中小企業支援センターに相談する
- 補助金ポータルサイトで、地域・対象別に絞り込み検索をする
助成金に共通する5つの注意点|申請で失敗しないために
- 取り組みの前に計画を提出する:就労環境整備計画、キャリアアップ計画など、ほとんどの助成金は取り組みを始める前に労働局へ計画を提出する必要があります
- 雇用保険の適用と、外国人雇用状況の届出:雇用保険の適用事業所であること、外国人の雇入れ・離職をハローワークへ届け出ていることが共通の前提です
- 労働関係法令の遵守:最低賃金の未払い、36協定なしの残業、労働保険の未加入などがあると不支給になります
- 会社都合の解雇等をしていないこと:計画期間の前後の一定期間に会社都合の解雇等を行っていないことが、多くの助成金で要件です
- 支給申請の期限を守る:「取り組みから6か月経過後、2か月以内」など、期限が細かく定められています
助成金は「後から一部が戻ってくるお金」です。取り組みを始めてから入金まで1年以上かかることも珍しくないため、資金計画に組み込みすぎないようにしましょう。
活用モデルケース:助成金の使い方のイメージ

以下は、制度の仕組みを理解するための想定例(モデルケース)です。実在の事業所の事例ではありません。
モデルケース①:就労環境整備で定着を図る中小製造業
外国人労働者の離職が課題の中小製造業が、2026年10月以降に就労環境整備計画を提出し、次の取り組みを進める場合を考えます。
- 雇用労務責任者を選任し、責任者講習を受講する
- 就業規則・労働条件通知書・社内マニュアルを、外国人労働者の母語に多言語化する
- 責任者が全外国人労働者と3か月ごとに面談し、書面に記録する
- 一時帰国のための休暇制度を整備する
計画期間終了後6か月の離職率が15%以下であれば、助成額は最大25万円(事業主単位)です。ポイントは、計画の提出→措置の実施→支給申請の順序を守ることと、面談の記録を継続して残すことです。
モデルケース②:国と自治体の制度を組み合わせる介護事業所
特定技能「介護」外国人を受け入れる20〜30名規模の介護事業所が、次の制度を組み合わせる場合を考えます。
- 国:就労環境整備助成コース(最大25万円)
- 都道府県:外国人介護人材定着促進事業(例:1事業所あたり上限22.5万円)など、事業所のある都道府県の補助事業
この例が示すポイントは次の3つです。
- 国と自治体の制度は、要件や対象経費が重複しなければ併用できる場合がある
- 申請のタイミング(計画提出→措置実施→申請)を、制度ごとに事前に整理しておく
- 都道府県の補助事業は、受付期間が短いため、年度初めに確認しておく
よくある質問(専門家に聞く)
外国人介護士の採用・受け入れに豊富な知見を持つ大町潤一氏(看護師・介護福祉士、GENSAI Career Consulting Corp代表)に、現場目線でのアドバイスをお聞きしました。
Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
Q. 看護師・介護福祉士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
外国人雇用助成金 2026に関するよくある質問
Q1. 就労環境整備助成コースは、どんな事業主が申請できますか?
A. 雇用保険の適用事業所で、雇用保険被保険者である外国人労働者を雇用している事業主が対象です。業種・在留資格・国籍は問いません(特別永住者と、在留資格「外交」「公用」の方は外国人労働者に含まれません)。外国人労働者が雇用保険に加入していない場合は、人数に算入されないことがあるため、申請前に管轄の労働局またはハローワークにご確認ください。
Q2. 「最大80万円もらえる」という情報を見たのですが、本当ですか?
A. 2026年9月30日までに計画を提出した事業主に限った旧ルールの情報です。2026年10月1日以降に計画を提出する場合、支給額は20万円(一時帰国休暇の整備で最大25万円)です。なお、「72万円」は令和6年度以前の経費助成方式の上限額で、「外国人を雇うと毎月もらえる」という制度はありません。ネット上の古い解説記事と混同しないようご注意ください。
Q3. 助成金の申請は自社でできますか?社労士に頼む必要がありますか?
A. 自社での申請も可能ですが、計画提出のタイミング管理、面談記録の整備、講習の受講など、手続きが複雑なため、社会保険労務士(社労士)に依頼するケースが多いです。「計画提出前に措置を始めてしまう」「面談の回数・記録が不足している」「講習の受講を忘れる」といったミスで受給できなくなる事例が多いため、外国人雇用の実務に詳しい専門家への相談をおすすめします。
Q4. 地方自治体の補助金と国の助成金は同時に申請できますか?
A. 対象経費や要件が重複しない範囲で、併用できる場合があります。ただし、自治体によっては「国の助成金との重複受給不可」と定めている場合もあるため、各制度の要綱を必ず確認してください。また、申請のタイミングや対象経費が異なる場合があるため、事前に自治体の窓口に相談することをおすすめします。
Q5. 特定技能「介護」の外国人を採用した場合、介護分野に特化した補助はありますか?
A. 都道府県が実施する「外国人介護人材獲得強化事業」「外国人介護人材定着促進事業」などがあります。上限額・補助率・受付期間は都道府県ごとに異なるため、事業所のある都道府県の担当課にご確認ください。また、国の就労環境整備助成コースも、介護事業所が活用できます。なお、特定技能「介護」については、2025年4月21日施行の制度改正により、一定の要件を満たせば訪問系サービスへの従事も可能になりました。最新情報は厚生労働省の公式資料でご確認ください。
Q6. 2026年10月に、在留資格の手数料も変わったと聞きましたが?
A. はい。2026年10月1日から、在留資格の変更・更新の手数料が、一律6,000円(オンライン5,500円)から、許可される在留期間に応じた段階制(窓口で1万〜7万5,000円、オンラインで1万〜6万5,000円)に引き上げられました。たとえば在留期間1年なら、窓口33,000円、オンライン27,000円です。永住許可は20万円です。入管が申請を受け付けた日で新旧が決まり、9月30日までに受け付けられた申請は旧料金です。在留資格の更新費用を誰が負担するかは、雇用契約や社内規程で事前に決めておくことをおすすめします。
まとめ:外国人雇用助成金 2026を活用するための3ステップ
2026年度の外国人雇用助成金について、重要ポイントを整理します。
- ポイント①:外国人専用の国の助成金「就労環境整備助成コース」は、2026年10月の改正で20万円(最大25万円)に。計画提出→措置実施→申請の順序を守ることが受給の絶対条件
- ポイント②:同じ10月に在留資格の更新手数料も値上げされ、受け入れ側の費用は増えた。手数料の負担ルールを事前に決めておく
- ポイント③:介護分野では、都道府県の「外国人介護人材獲得強化事業」「定着促進事業」などが選択肢。受付期間が短いため、年度初めに確認しておく
- ポイント④:申請ミスを防ぐために、社労士などの専門家に早めに相談することが、費用対効果を高める近道
次のステップとして:
- 自社が対象となる助成金・補助金を確認する(厚生労働省・都道府県・市区町村の公式サイト)
- 管轄の労働局またはハローワークに相談し、就労環境整備計画の提出タイミングを確認する
- 外国人雇用に詳しい専門家(社労士・行政書士・登録支援機関)に相談する
外国人雇用に不安を感じている施設・企業の方は、まず無料相談から始めてみてください。介護分野での外国人採用については、介護ケアジャパン(GENSAI Career Consulting Corp)にお気軽にご相談いただけます。
【YMYL注意】本記事の情報は2026年10月時点のものです。助成金制度・在留手数料は随時改正されるため、申請前には必ず厚生労働省・出入国在留管理庁・各自治体の最新の公的資料および専門家にご確認ください。
出典・参考
- 厚生労働省「人材確保等支援助成金(外国人労働者就労環境整備助成コース)」支給要領・リーフレット(令和8年10月1日版)…就労環境整備助成コースの改正内容・支給額・受給要件の根拠
- 出入国在留管理庁の公表資料(在留許可手数料の改定、2026年10月1日施行)…在留資格の変更・更新、永住許可の手数料の根拠
- 厚生労働省「外国人雇用状況の届出状況(令和7年10月末)」(2026年1月公表)…外国人労働者数257万1,037人・雇用事業所数37万1,215所の根拠
- 厚生労働省「キャリアアップ助成金」「雇用調整助成金」(令和8年度)…正社員化コース・賃金規定等改定コースの助成額、雇用調整助成金の上限額の根拠
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…2026年・2040年の介護職員必要数の根拠
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和8年3月25日…外国人介護人材獲得強化事業・定着促進事業・受入施設等環境整備事業の概要の根拠
- 青森県・群馬県・愛知県の公式ページ(外国人介護人材獲得強化事業・定着促進事業)…都道府県ごとの補助内容・受付期間の例の根拠
- 東京都産業労働局「令和8年度 中小企業の外国人従業員に対する研修等支援助成金」…東京都の助成内容・受付期間の根拠
- 大分県「令和8年度 外国人労働者等就業環境等整備促進補助金」…自治体補助金の例の根拠
- 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和8年6月末)」…特定技能「介護」在留者数79,884人の根拠
- 厚生労働省「外国人介護人材の訪問系サービス従事における留意点について」(社援発0331第40号・老発0331第12号、2025年3月31日付)…特定技能「介護」の訪問系サービス従事要件の根拠
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
