フィリピン人介護人材を紹介で採用する方法|費用・在留資格・定着支援を解説

目次

結論(30秒でわかる要点)

フィリピン人介護人材の紹介サービスを活用すれば、深刻な人手不足を抱える介護施設でも、意欲・語学力ともに高い人材を安定的に確保できます。

  • ポイント①:フィリピン人は特定技能・EPA・介護ビザなど複数の在留資格で採用可能
  • ポイント②:紹介会社選びでは「POEA(DMW)認定」「定着支援の充実度」が重要
  • ポイント③:採用から就労開始まで通常約6か月、計画的な準備が成功の鍵

対象読者:介護施設の施設長・採用担当者、外国人介護人材の受け入れを初めて検討している方

> ⚠️ 本記事の制度情報は執筆時点のものです。在留資格・受入制度は随時更新されるため、最新情報は厚生労働省・出入国在留管理庁の公式資料でご確認ください。

はじめに|フィリピン介護人材紹介が注目される理由

はじめに|フィリピン介護人材紹介が注目される理由|フィリピン人介護士のイメージ

「求人を出しても応募がこない」「せっかく採用しても離職が続く」——そんな悩みを抱える介護施設は、全国に数多くあります。厚生労働省の試算によれば、2026年には介護職員が全国で約240万人必要とされており、2022年実績の215万人からさらに25万人の上乗せが求められます(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)。

こうした背景から、フィリピンをはじめとする海外からの介護人材紹介サービスへの関心が急速に高まっています。

この記事では、次の疑問にすべてお答えします。

  • フィリピン介護人材紹介とはどんな仕組みか
  • 在留資格の種類と選び方
  • 採用の具体的な手順とかかる費用感
  • 定着率を高めるためのポイント
  • 紹介会社を選ぶ際のチェックポイント

初めて外国人介護人材の受け入れを検討する施設でも、この記事を読めば全体像をしっかり把握できます。

無料診断ツール
特定技能介護 かんたん受け入れ診断
たった3問で貴施設の受け入れ可否がわかる

施設種別・職員数を入力するだけで、特定技能「介護」の受け入れ可否をその場で確認できます。

1施設種別 2職員数 3結果表示
今すぐ無料診断 →

フィリピン介護人材紹介とは|基礎知識と現状

フィリピン介護人材紹介とは|基礎知識と現状|フィリピン人介護士のイメージ

用語の定義

フィリピン介護人材紹介とは、フィリピン国内で育成した介護・看護人材を、日本の介護施設に対して在留資格取得から就労定着まで一貫してマッチング・支援するサービスのことです。

フィリピン人介護士が選ばれる3つの理由

フィリピン人介護人材が日本の施設に選ばれる背景には、明確な強みがあります。

  • 介護教育機関の充実:フィリピン国内には介護士・看護師を育成する専門学校が多数あり、質の高い候補者を継続的に輩出しています
  • 英語・日本語学習への親和性:英語を公用語とするフィリピン人は言語習得能力が高く、N3レベル以上の日本語力を持つ人材も増えています
  • ホスピタリティ精神:「思いやり」を重んじる国民性は、利用者様への細やかなケアに直結します

在留者数の現状と国籍別ランキング

2024年12月末時点で、特定技能「介護」の在留者数は44,367人に達しています。制度開始直後の2019年末には19人だったことを考えると、約5年で約2,300倍という驚異的な伸びです(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。

国籍別では、フィリピンは4位(4,538人・全体の10.2%)に位置しています。

順位 国籍 人数 全体比
1位 インドネシア 12,242人 27.6%
2位 ミャンマー 11,717人 26.4%
3位 ベトナム 8,910人 20.1%
4位 フィリピン 4,538人 10.2%
5位 ネパール 3,602人 8.1%

数の上ではインドネシアやミャンマーが多いですが、フィリピンはEPA(経済連携協定)という独自の公的ルートを持つ点が大きな特徴です。

フィリピン介護人材を受け入れる施設種別

特定技能「介護」の受入施設として最も多いのは特別養護老人ホーム(7,827件)で、次いで病院(2,446件)、認知症対応型共同生活介護(2,340件)と続きます。上位5施設で全体の75.6%を占めており、施設入所系サービスでの活用が主流です(出典:同上、2024年7月時点)。

フィリピン介護人材の在留資格と採用ルート|4つの選択肢

フィリピン介護人材の在留資格と採用ルート|4つの選択肢|フィリピン人介護士のイメージ

在留資格の比較表

フィリピン人介護人材を採用する場合、主に4つの在留資格があります。施設の状況や求める人材像によって、最適なルートは異なります。

在留資格 目的 在留期間 業務範囲 特徴
特定技能1号 人材確保 最長5年 身体介護・関連業務(訪問系除く) 試験合格が条件・直接雇用のみ
技能実習(育成就労) 技能習得 最長5年(新制度3年) 施設介護全般(訪問除く・夜勤は2年目以降) 移行期間中・送り出し機関必要
特定活動(EPA) 経済連携・国家資格取得 最長4年 介護施設での就労・研修 公的機関(JICWELS)経由のみ
在留資格「介護」 介護福祉士として就労 最長5年(更新可) 制限なし(夜勤・訪問介護も可) 介護福祉士資格取得が条件

Step 1:自施設に合う在留資格を選ぶ

どの在留資格を選ぶかは、施設の状況によって変わります。

  • すぐに即戦力がほしい、新設施設でも採用したい → 特定技能1号
  • 育成から関わりたい、長期的な定着を図りたい → 技能実習(育成就労)
  • 公的支援を受けながら国家資格取得を目指す人材を採用したい → EPA(特定活動)
  • 業務範囲や在留期間の制限なく長く働いてほしい → 在留資格「介護」

特定技能1号の場合、5年間の受入見込数として国全体で135,000人という上限が設けられています。訪問系サービスは対象外で、直接雇用のみが認められている点も押さえておきましょう(出典:同上)。

Step 2:紹介会社・送り出し機関を選ぶ

フィリピン人を現地から採用する場合、DMW(旧POEA:フィリピン移住労働省)が認定したエージェントを介する必要があります。日本の施設はエージェントからDMWの審査書類を受け取り、MWO(旧POLO:日本の出先機関)に提出・面接を行います。

紹介会社を選ぶ際のチェックポイントは以下の通りです。

  • DMW(旧POEA)の認定を受けているか
  • 日本語教育・介護教育のカリキュラムが充実しているか
  • 入職後のフォロー体制(定期面談・生活支援など)があるか
  • 介護現場の知識を持つスタッフが在籍しているか
  • 定着率の実績データを公開しているか

Step 3:採用から就労開始までの流れ

  1. 問い合わせ・ヒアリング:施設のニーズ・受入条件の確認
  2. 人材紹介・書類選考:日本語力・人柄・経験を確認、オンライン面接
  3. 内定・雇用契約締結:合意のうえで雇用契約を締結
  4. 在留資格申請:認定証明書(COE)の取得手続き
  5. ビザ申請・OEC取得:フィリピン側でビザ申請・海外雇用許可証を取得
  6. 来日・受入準備:住居確保、オリエンテーション、研修実施
  7. 勤務開始・定着支援:定期面談、継続的な日本語・介護教育

お問い合わせから就労開始まで、通常約6か月程度かかります。余裕をもったスケジュールで進めることが大切です。

注意点・よくある落とし穴

  • EPA(特定活動)ルートは、国内唯一の調整機関であるJICWELS(国際厚生事業団)経由のみ。民間の紹介会社に依頼することはできません
  • 特定技能は訪問介護サービスへの従事不可。訪問系を主力とする事業所は別のルートを検討する必要があります
  • 技能実習は新制度「育成就労制度」への移行期間中。最新の制度動向を随時確認してください

フィリピン介護人材の受け入れ事例|定着に成功する施設の共通点

フィリピン介護人材の受け入れ事例|定着に成功する施設の共通点|フィリピン人介護士のイメージ

成功事例①:育成プログラムと日本語支援の充実

近畿地方のある特別養護老人ホームでは、フィリピン人介護士を複数名採用した後、週1回のオンライン日本語授業と、日本人スタッフによる業務報告書の添削指導を継続的に実施しました。その結果、入職から2年以内にJLPT N3を取得する職員が増え、利用者様とのコミュニケーションが格段にスムーズになったと報告されています。

この事例から学べるポイントは次の通りです。

  • 就労後も学習支援を継続する仕組みを作ることが定着率に直結する
  • 日本語力の向上が業務の質と自信につながり、離職防止にもなる
  • 追加費用をかけずに登録支援費に含まれるプランを選ぶことでコストを抑えられる

成功事例②:長期的なキャリアパスを示した採用

中部地方のある介護老人保健施設では、採用時から「介護福祉士国家資格の取得支援」を明示し、フィリピン人介護士が将来的に在留資格「介護」へ移行できるキャリアパスを共有しました。

介護福祉士国家試験の合格率は日本語能力と強い相関があります。N2保有者の合格率は53.4%、N1では86.7%に達する一方、N3では25.2%と大きく下がります(出典:令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」)。日本語支援と資格支援をセットで提供することが、長期定着への近道です。

また、外国人介護人材が国家試験を受けた理由として、「日本で介護職として働き続けるため(68.9%)」「日本で長く住み続けたいため(55.2%)」という回答が上位を占めており、多くの方が長期的な在日就労を望んでいることがわかります(出典:同上)。

よくある質問(専門家に聞く)

フィリピン介護人材の紹介・採用について、元看護師・介護福祉士でGENSAI Career Consulting Corp代表の大町潤一氏に聞きました。

Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?

「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。

一番伝えたいこと

「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」

私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。

それは:

1. 受け入れる側の覚悟

  • 最初は時間がかかることを理解する
  • 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
  • 文化の違いを楽しむ心

2. 外国人介護士のポテンシャル

  • 真面目で一生懸命
  • 学ぶ意欲が高い
  • 利用者様を大切にする心

3. 長期的な視点

  • すぐに結果を求めない
  • 信頼関係を築くのに時間をかける
  • 3年、5年後の姿を一緒に描く

「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」

「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」

最後に

「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」

「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」

Q. 元看護師・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?

「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。

元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:

1. 現場目線での人材選考

  • 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
  • 技術だけでなく、人柄や適性を重視
  • 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ

2. 実践的な教育プログラム

  • 現場で本当に必要な技術を優先
  • 教科書的な知識より、実際の動きを重視
  • 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える

3. 施設側の悩みに寄り添える

  • 「受け入れる側」の大変さを理解している
  • 現実的なアドバイスができる
  • 一緒に問題を解決する姿勢

「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」

フィリピン介護人材紹介に関するよくある質問

Q1. フィリピン介護人材紹介の費用はどのくらいかかりますか?

紹介会社によって異なりますが、一般的な目安として紹介料は1人あたり30万円前後、登録支援機関への業務委託料は月額1.5〜3万円程度が相場です。EPA(特定活動)ルートの場合は、国際厚生事業団(JICWELS)への手数料が別途発生します。初期費用を抑えたい場合は、成功報酬型(初期費用なし)のプランを提供している紹介会社もあります。費用の内訳(渡航費・住居費・ビザ申請費など)を事前に明確に確認することが重要です。

Q2. フィリピン介護人材紹介で特定技能を利用する場合、試験は必要ですか?

はい、特定技能1号の場合は「介護技能評価試験」と「介護日本語評価試験」の両方に合格していることが条件です。2025年1月時点の累計合格者数は、介護技能評価試験が120,220人、介護日本語評価試験が113,572人に達しており、フィリピン(マニラ・セブ・ダバオ)でも試験が実施されています(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。すでに合格済みの人材を紹介してもらえる会社を選ぶと、採用までの期間を短縮できます。

Q3. フィリピン介護人材紹介でEPAを利用する場合、民間会社に依頼できますか?

EPA(経済連携協定)に基づく受け入れは、国内唯一の調整機関である国際厚生事業団(JICWELS)経由のみです。民間の職業紹介会社や労働者派遣会社に候補者のあっせんを依頼することはできません。EPAルートは公的な枠組みのため、フィリピン政府との二国間協定に基づく特例的な受け入れとなります(出典:厚生労働省 EPA受入れ概要ページ)。

Q4. 特定技能「介護」で受け入れられる人数に上限はありますか?

特定技能「介護」分野の5年間の受入見込数(上限)は全国で135,000人と設定されています。ただし、施設単位での受入人数は「同一事業所の日本人等介護職員の総数を超えないこと」という条件があります。訪問系サービスへの従事は認められていないため、訪問介護事業所は特定技能1号を利用できない点にご注意ください(出典:同上)。

Q5. フィリピン介護人材を採用する際、施設側が準備すべきことは何ですか?

スムーズな受け入れのために、施設側が事前に準備すべき主な項目は以下の通りです。

  • 住居の確保:入居可能な住居(家賃補助の有無も含めて検討)
  • 受入担当者の選定:日常的な相談窓口となる担当者を明確にする
  • オリエンテーション資料の整備:施設のルール・業務手順をわかりやすく整理
  • 日本語学習支援の仕組み:勤務時間・シフト調整、学習機会の確保
  • 多文化理解の社内共有:既存スタッフへの事前説明と意識醸成

外国人介護人材が職場から受けた支援として、「施設職員に勉強を教えてもらった(36%)」「日本語の先生に教えてもらった(26.7%)」「勤務時間やシフトの調整(24.8%)」が上位に挙がっており、職場全体での支援体制が定着率を左右します(出典:令和6年度老人保健健康増進等事業調査)。

まとめ|フィリピン介護人材紹介を成功させる3つのポイント

フィリピン介護人材の紹介サービスを活用して人材確保を成功させるには、次の3点が特に重要です。

  • 在留資格の特性を理解して自施設に合ったルートを選ぶ(特定技能・EPA・介護ビザなど)
  • DMW認定の信頼できる紹介会社を選び、入職後のフォロー体制まで確認する
  • 「穴埋め採用」ではなく長期的な育成・定着を前提に、施設全体で受け入れ体制を整える

2040年には介護職員が全国で272万人必要とされる時代を見据えると、フィリピン介護人材の活用は「今だけの対策」ではなく、施設の持続的な運営を支える戦略的な選択です。まずは紹介会社への無料相談から、一歩を踏み出してみてください。

> ⚠️【YMYL注意】本記事の制度情報・数値データは執筆時点のものです。在留資格・受入制度・試験要件は法改正等により変更されることがあります。実際の採用判断にあたっては、厚生労働省・出入国在留管理庁の最新公式資料、または行政書士・社会保険労務士などの専門家にご確認ください。

出典・参考

  • 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…2022年実績215万人・2026年240万人・2040年272万人の根拠
  • 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日…特定技能受入上限135,000人・国籍別ランキング・在留者数推移・試験実施国の根拠
  • 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別合格率・国家試験受験理由・職場支援内容の根拠
  • 厚生労働省「EPA(経済連携協定)に基づく外国人看護師・介護福祉士候補者の受入れ概要」…EPAルートの仕組み・JICWELS経由の根拠(厚生労働省公式サイト)
  • 出入国在留管理庁「特定技能1号の各分野の仕事内容(Job Description)」…特定技能介護の業務範囲・訪問系除外の根拠
  • 国際厚生事業団(JICWELS)公式サイト…EPA受入調整機関としての根拠・手続き情報
  • JICA「フィリピン初の日本式介護システムを実践する介護施設がパシグ市で開所」2025年5月…フィリピンにおける介護人材育成・日本式介護普及の動向参考

この記事の監修者

大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。

よかったらシェアしてね!
  • URLをコピーしました!
  • URLをコピーしました!
目次