結論(30秒でわかる要点)
- 福井県では外国人介護士採用に特化した支援制度と監理団体が充実している
- 特定技能・技能実習制度を活用し、県独自の補助金で受入コストを軽減可能
- 県社協運営の「ふくい外国人介護職員支援センター」が介護特化サポートを提供
- 対象者:福井県内で外国人介護士採用を検討する介護施設・事業者
- 注意:制度は更新されるため最新の公的資料で確認が必要
はじめに

福井県内の介護施設で人手不足にお悩みの施設長や経営者の皆様、外国人介護士の採用は「難しそう」「手続きが複雑」と感じていませんか。実は福井県は、全国でも珍しい介護に特化した監理団体を設置し、県独自の補助金制度も整備された、外国人介護士採用に非常に恵まれた環境が整っています。
福井県の高齢化率は31.5%(出典: 内閣府「令和6年版高齢社会白書」)と全国平均を上回る一方、介護職員必要数は2022年実績13,693人から2040年には12,802人と微減予測(出典: 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)されていますが、現場では依然として人手不足が深刻です。
この記事でわかること
- 福井県で利用できる外国人介護士採用の制度と支援体制
- 具体的な申請手順と必要書類、費用相場
- 成功事例と専門家による実践的なアドバイス
福井県の外国人介護士採用制度の基礎

用語の定義
福井県における外国人介護士採用とは:県内介護事業所が特定技能・技能実習等の在留資格を持つ外国人を介護職員として雇用し、県独自の支援制度を活用して受入環境を整備すること。
福井県の外国人介護士受入状況
福井県の特定技能「介護」外国人受入者数は166人(2024年6月時点、出典: 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」)と、全国的には中規模ながら、受入支援体制は全国トップクラスの充実度を誇ります。
全国の特定技能「介護」在留者数は44,367人(2024年12月末時点)で、国籍別では:
- 1位:インドネシア 12,242人(27.6%)
- 2位:ミャンマー 11,717人(26.4%)
- 3位:ベトナム 8,910人(20.1%)
- 4位:フィリピン 4,538人(10.2%)
- 5位:ネパール 3,602人(8.1%)
福井県独自の支援体制の特徴
1. 介護特化監理団体の存在
- 福井県社会福祉協議会内に「ふくい外国人介護職員支援センター」を設置
- 県内初の介護に特化した監理団体として2021年2月に許可取得
- 常勤タイ語通訳による相談対応を実施
2. 現地教育から継続支援まで
- 現地への福井県講師派遣による介護導入講習
- 入国後講習による実習準備支援
- 技能実習から特定技能移行時の継続サポート
3. 県独自補助金制度
- 外国人労働者受入環境整備事業補助金(補助率1/3)
- 住宅改修費、教育費、備品購入費等が対象
外国人介護士採用の具体的手順と活用方法

Step1:受入制度の選択と要件確認
主要な受入制度
- 特定技能1号「介護」
- 受入上限:135,000人(5年間)
- 直接雇用のみ、訪問系サービス対象外
- 介護技能評価試験・介護日本語評価試験合格が必要
- 技能実習「介護」
- 監理団体経由での受入
- 3年間(優良実習実施者は5年間)
- 入国前6か月以上の日本語学習が必要
- 在留資格「介護」
- 介護福祉士資格取得者
- 在留期間の更新制限なし
- 訪問系サービスも従事可能
Step2:福井県補助金の申請準備
外国人労働者受入環境整備事業補助金の要件
- 福井県内事業所での外国人労働者雇用(予定含む)
- パートナーシップ構築宣言の登録
- 社員ファースト企業宣言(賃金引上げ含む)
- ふくい女性活躍推進企業への登録
対象経費(補助率1/3)
- 講師謝金・旅費
- 住宅改修工事費・不動産購入費
- 教材費・備品購入費
- 母国語作業マニュアル作成委託料
Step3:監理団体・登録支援機関との契約
ふくい外国人介護職員支援センターの活用
- 監理責任者:山城康雄(福祉人材課統括課長)
- 職員7名(介護福祉士、タイ語通訳含む)
- 特定監理事業許可(介護職種)
- 登録支援機関として特定技能移行時も継続支援
監理費用の目安
- 詳細は監理費表(2025年7月版)で確認
- 入国前講習、入国後講習、定期訪問指導を含む
- タイ語通訳による相談対応も料金に含まれる
注意点とコツ
受入準備のポイント
- 住環境整備(個室確保、生活用品準備)
- 日本語学習支援体制の構築
- 文化・宗教への配慮(食事、休暇等)
- 既存職員への事前説明と協力体制作り
長期定着のコツ
- 定期的な面談とフィードバック
- キャリアパス設計の共有
- 地域コミュニティとの交流機会提供
- 母国語での相談窓口確保
成功事例と効果的な活用法

成功事例①:県内特別養護老人ホームでの技能実習生受入
ある福井県内の特別養護老人ホームでは、2022年にタイ人技能実習生2名を受入れ。ふくい外国人介護職員支援センターの現地教育を受けた実習生は、入国後3か月で基本的な介護業務を習得し、6か月後には夜勤業務も担当できるレベルに到達しました。
成功要因
- 入国前の現地介護導入講習による基礎技術習得
- 常勤タイ語通訳による定期的な相談対応
- 既存職員による丁寧なOJT指導体制
効果と変化
- 職員の残業時間20%削減
- 利用者満足度向上(多様な文化交流)
- 既存職員のモチベーション向上
成功事例②:県内グループホームでの特定技能移行支援
県内のあるグループホームでは、技能実習を修了したフィリピン人介護士が特定技能1号に移行。ふくい外国人介護職員支援センターの登録支援機関サービスを活用し、継続雇用を実現しました。
ポイント・学び
- 技能実習期間中の計画的な日本語能力向上支援
- 介護福祉士国家試験受験に向けた学習サポート
- 長期的なキャリア形成への投資意識
現在の状況
- リーダー的役割を担う中核職員として活躍
- 新人職員の指導にも参画
- 地域の国際交流イベントでの活動も展開
よくある質問(専門家に聞く)
Q1. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
Q2. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
制度に関するよくある質問
Q3. 外国人介護士採用にかかる福井県での費用はどのくらいですか?
A. 制度や受入方法により大きく異なりますが、主要な費用構成は以下の通りです:
技能実習の場合
- 監理費:月額3-5万円程度(3年間)
- 入国時費用:30-50万円程度(渡航費、講習費等)
- 住環境整備:20-100万円程度(県補助金1/3活用可能)
特定技能の場合
- 登録支援機関委託費:月額2-4万円程度
- 人材紹介料:50-100万円程度
- 各種申請費用:10-20万円程度
福井県の外国人労働者受入環境整備事業補助金(補助率1/3)を活用することで、初期費用を大幅に軽減できます。
Q4. 外国人介護士の日本語能力はどの程度必要ですか?
A. 制度により異なる要件が設定されています:
技能実習「介護」
- 入国時:日本語能力試験N4程度以上
- 入国前6か月以上の日本語学習が必要
- 入国後1年以内にN3取得が求められる
特定技能1号「介護」
- 介護日本語評価試験の合格が必要
- 日本語能力試験N4程度以上が目安
参考データ:介護福祉士国家試験の日本語レベル別合格率(出典: 令和6年度老人保健健康増進等事業調査)
- N1保有者:86.7%
- N2保有者:53.4%
- N3保有者:25.2%
ふくい外国人介護職員支援センターでは、継続的な日本語学習フォローアップも提供しています。
Q5. 外国人介護士が働ける介護サービスに制限はありますか?
A. 在留資格により従事可能な業務が異なります:
制限がある場合
- 特定技能1号「介護」:訪問系サービス(訪問介護等)は対象外
- 技能実習「介護」:実習計画に基づく業務のみ
制限がない場合
- 在留資格「介護」(介護福祉士):すべての介護サービスに従事可能
福井県内の特定技能外国人受入施設種別(全国データ)では:
- 1位:特別養護老人ホーム 7,827件
- 2位:病院 2,446件
- 3位:認知症対応型共同生活介護 2,340件
- 4位:特定施設入居者生活介護 1,996件
- 5位:介護老人保健施設 1,931件
まとめ
- 福井県は介護特化監理団体と県独自補助金制度により、全国トップクラスの外国人介護士受入支援体制を整備
- ふくい外国人介護職員支援センターの活用で、現地教育から継続支援まで一貫したサポートが受けられる
- 成功の鍵は「一緒に成長する仲間」として受け入れる長期的視点と、文化の違いを理解した環境整備
次のステップ:まずは福井県社会福祉協議会「ふくい外国人介護職員支援センター」への相談から始めましょう。専門スタッフが施設の状況に応じた最適な受入方法をご提案します。
【YMYL注意】 制度の詳細や申請要件は変更される可能性があります。最終的な判断は最新の公的資料および専門家にご確認ください。
出典・参考
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」(令和7年3月28日)…特定技能受入上限・国籍別ランキング・都道府県別受入状況の根拠
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…福井県介護職員必要数データの根拠
- 内閣府「令和6年版高齢社会白書(全体版)」…福井県高齢化率データの根拠
- 福井県社会福祉協議会「ふくい外国人介護職員支援センター」…監理団体概要・受入体制の根拠
- 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別合格率の根拠
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
