結論(30秒でわかる要点)
- 介護特定技能の技能評価試験合格率は約60〜70%、日本語評価試験は約80%
- 外国人介護福祉士国家試験の合格率は在留資格により30〜40%台と低水準
- 日本語能力(N1〜N5)により合格率が大幅に変動(N1:86.7%、N5:12.5%)
- 施設側の継続的な学習支援と環境整備が合格率向上の鍵
- 制度は更新されるため、最新の公的資料での確認が必要
はじめに

外国人介護人材の受け入れを検討している施設の皆様にとって、「介護 特定技能 合格率」は最も気になる情報の一つではないでしょうか。人手不足が深刻化する中、外国人材の活用は避けて通れない選択肢となっていますが、実際の合格率や成功要因について正確な情報を得るのは困難です。
厚生労働省のデータによれば、2026年には介護職員が250,000人、2040年には570,000人不足すると予測されています(出典: 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)。一方で、特定技能1号の在留者数は44,367人(2024年12月31日時点)まで増加しており、外国人材への期待は高まっています。
この記事でわかること
- 介護特定技能試験の最新合格率データと傾向分析
- 合格率を左右する具体的要因と改善策
- 施設が実践できる効果的な支援方法
介護特定技能試験の合格率現状と背景

用語の定義
「介護 特定技能 合格率」とは:特定技能1号「介護」の在留資格取得に必要な介護技能評価試験と介護日本語評価試験、および介護福祉士国家試験における外国人受験者の合格率を指します。
最新の合格率データ
介護技能評価試験・介護日本語評価試験
- 介護技能評価試験:約60〜70%(厚生労働省公表データ)
- 介護日本語評価試験:約80%(厚生労働省公表データ)
- 累計合格者数:技能評価試験128,567人、日本語評価試験120,845人(2019年4月〜2025年3月)
介護福祉士国家試験(第37回・2025年1月実施)
- 全体合格率:78.3%
- 外国人在留資格別合格率:
- EPA介護福祉候補者:37.9%
- 技能実習生:32.3%
- 特定技能1号:33.3%
- 留学生:35.1%
合格率に影響する主要因子
1. 日本語能力レベルの決定的影響
令和6年度老人保健健康増進等事業の調査結果によると、日本語レベル別の介護福祉士国家試験合格率は以下の通りです:
- N1保有者:86.7%
- N2保有者:53.4%
- N3保有者:25.2%
- N4保有者:25%
- N5保有者:12.5%
この数値から、N2以上の日本語能力が合格の分岐点となることが明確に示されています。
2. 在留資格による支援体制の差
技能実習生や特定技能の外国人材は学習が本人の自主性に委ねられがちで、施設からのサポートが手薄になる傾向があります。一方、留学生やEPA介護福祉士候補者は、養成校や受入れ調整機関からの外部サポートを受けられる機会が比較的多い状況です。
合格率向上のための具体的解決策

Step1:段階的な学習計画の策定
基礎日本語力の強化(6ヶ月〜1年)
- N4レベルから開始し、段階的にN2以上を目指す
- 介護専門用語の習得を並行して進める
- 読解力・聴解力を重点的に鍛える
専門知識の体系的学習(1年〜1年半)
- 11科目群を3つのパートに分けて学習
- 過去問演習を中心とした実践的対策
- 模擬試験による定期的な習熟度確認
Step2:施設による継続的支援体制の構築
日本語学習支援の実施
- 母国語での解説や質問対応
- 個々のレベルに合わせたサポート
- 週1〜2回の定期的な学習会開催
学習環境の整備
- 仕事と勉強を両立しやすいシフト調整
- 静かな勉強スペースの提供
- 学習教材・参考書の貸出制度
Step3:実践的な試験対策の実行
専門的な試験対策講座
- 介護現場経験のある講師による指導
- 実際の介護場面を想定した演習
- 弱点分野の集中的な補強
継続的なモチベーション管理
- 小さな目標設定と達成感の共有
- 先輩外国人スタッフとの交流機会
- 合格後のキャリアパスの明確化
成功事例から学ぶ合格率向上のポイント

成功事例①:関西地区の特別養護老人ホーム
背景と取り組み
職員数30名規模のある特別養護老人ホームでは、2022年春にフィリピン出身の特定技能外国人2名を受け入れました。当初はN4レベルの日本語力でしたが、施設独自の支援プログラムを実施。
具体的な支援内容
- 週2回の日本語学習会(勤務時間内で実施)
- 日本人職員がマンツーマンでサポート
- 介護専門用語の母国語対訳表を作成
- 月1回の模擬試験で習熟度を確認
結果と変化
2年後の介護福祉士国家試験で2名とも合格を達成。現在は日本人職員と同等の業務を担当し、新人指導にも参加しています。
成功事例②:東京都内のグループホーム
ポイント・学び
20名規模のグループホームでは、ベトナム出身の技能実習生3名に対して「チーム学習方式」を導入。先輩外国人スタッフが後輩をサポートする仕組みを構築し、3年間で全員が介護福祉士試験に合格しました。
成功要因の分析
- 同じ境遇の仲間同士での学び合い
- 母国語でのコミュニケーションによる理解促進
- 施設全体での外国人材受け入れ文化の醸成
- 長期的視点での人材育成投資
よくある質問(専門家に聞く)
Q1. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
Q2. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
制度に関するよくある質問
Q1. 介護特定技能の合格に必要な日本語レベルはどの程度ですか?
A. 特定技能1号「介護」の取得には、日本語能力試験(JLPT)N4以上または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2レベルが必要です。ただし、介護福祉士国家試験の合格を目指す場合は、実質的にN2以上の日本語力が求められます。データによると、N2保有者の合格率は53.4%、N1保有者は86.7%となっており、より高い日本語力が合格率向上に直結します。
Q2. 介護特定技能試験の受験料はどのくらいですか?
A. 介護技能評価試験・介護日本語評価試験ともに、受験料は1,000円です(2025年4月から改定予定)。試験はプロメトリック社が実施し、コンピュータベーステスト(CBT)方式で行われます。不合格の場合、次回受験は45日後から可能です。
Q3. 合格後の在留期間はどのくらいですか?
A. 特定技能1号の在留期間は最大5年間です。ただし、介護福祉士国家試験に合格し在留資格「介護」を取得すれば、更新制限がなくなり、長期的な在留が可能になります。また、将来的な永住申請の道も開かれます。
Q4. 施設側が負担する費用はありますか?
A. 特定技能外国人の受け入れには、登録支援機関への委託費用(月額2〜3万円程度)、住居確保費用、日本語学習支援費用などが発生します。また、介護福祉士試験対策のための教材費や講習費なども考慮する必要があります。ただし、長期的には安定した人材確保につながる投資と考えられます。
Q5. パート合格制度とは何ですか?
A. 2026年1月実施の第38回介護福祉士国家試験から導入される新制度です。11科目を3つのパートに分け、一部のパートのみ合格した場合、翌年以降は未合格パートのみ受験すればよくなります。これにより、外国人受験者の負担軽減と合格率向上が期待されています。
まとめ
- 介護特定技能の合格率は試験種別により大きく異なり、技能評価試験60〜70%、日本語評価試験80%程度
- 介護福祉士国家試験の外国人合格率は30〜40%台と低く、日本語能力が決定的要因
- 施設による継続的な学習支援と環境整備が合格率向上の鍵となる
- 2026年導入のパート合格制度により、今後の合格率改善が期待される
外国人介護人材の活用は、単なる人手不足解消策ではなく、多様性に富んだ質の高い介護サービス提供への投資です。まずは専門機関への相談から始め、長期的視点での人材育成計画を検討することをお勧めします。
【YMYL注意】 制度の詳細や最新の合格率データは変更される可能性があります。実際の受け入れ検討時は、厚生労働省の最新資料や専門家への確認を必ず行ってください。
出典・参考
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…全国介護職員必要数の根拠データ
- 厚生労働省「外国人介護人材の確保・定着」2025年資料…外国人介護人材在留者数・試験合格者数データ
- 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別合格率・職場支援状況データ
- 厚生労働省「第37回介護福祉士国家試験合格発表について」…最新の国家試験合格率データ
- 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」…制度概要・試験内容の公式情報
- 社会福祉振興・試験センター…介護福祉士国家試験の実施機関公式データ
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
