結論(30秒でわかる要点)
- 外国人介護士の採用方法は「EPA」「在留資格介護」「技能実習」「特定技能」の4つの制度を活用
- 最も採用しやすいのは特定技能で、即戦力として期待でき、最長5年間雇用可能
- 成功のポイントは長期的視点での教育体制と文化的配慮、適切な支援体制の構築
- 介護施設の人手不足解消と国際貢献を両立できる有効な人材確保手段
- 制度は更新されるため、最新の厚生労働省資料での確認が必要
はじめに
介護業界の深刻な人手不足に直面している施設運営者の皆様、外国人介護士の採用を検討されていませんか?
公益財団法人介護労働安定センターの調査によると、介護事業所の64.7%が人手不足を感じており、2040年度には約69万人の介護職員の追加が必要とされています。一方で、採用が困難と回答した事業所は約90%に上り、同業他社との競争激化が主な要因となっています。
このような状況下で、外国人介護士の採用は有力な解決策の一つとして注目されています。しかし、「どの制度を選べばいいのか」「採用手続きは複雑なのか」「実際に現場で活躍してもらえるのか」といった疑問や不安を抱えている方も多いでしょう。
この記事でわかること:
- 外国人介護士採用の4つの制度と特徴比較
- 各制度の具体的な採用手順と必要期間
- 成功事例から学ぶ効果的な受け入れ方法
- 採用後の支援体制と注意点
外国人介護士採用の基礎知識(制度の全体像)
用語の定義
「外国人介護士 採用方法」とは、日本の介護現場で働く外国人材を確保するための4つの在留資格制度(EPA、在留資格「介護」、技能実習、特定技能)を活用した人材採用手法のことです。
介護業界の人材不足の現状
介護分野で働く外国人労働者は2024年10月末現在で85,537人となっており、年々増加傾向にあります。内訳は以下の通りです:
- 特定技能:28,400人(2023年12月末時点)
- 技能実習:15,011人(2022年6月末時点)
- 特定活動(EPA介護福祉士):11,610人(2023年6月末時点)
- 在留資格「介護」:8,093人(2023年6月末時点)
外国人介護士採用が注目される背景
- 急速な高齢化社会の進行:2025年問題、2040年問題への対応
- 介護需要の増加:要介護者数の継続的な増加
- 労働力人口の減少:少子化による働き手不足
- 制度環境の整備:特定技能制度の新設により採用しやすさが向上
4つの採用方法と選び方(具体的手順)
EPA(経済連携協定)による採用
Step1:受け入れ要件の確認
- 医療法人または社会福祉法人であること
- 常勤職員50人以上の施設(例外あり)
- 過去3年間の離職率が20%以下
Step2:JICWELSへの登録
公益社団法人国際厚生事業団への登録が必須で、年1回の募集に応募します。登録料は360,000円(税込)が必要です。
Step3:面接・マッチング
- 現地またはオンラインでの面接実施
- 双方の意思確認によるマッチング
- 日本語研修期間を経て配属(最短2.5か月後)
特徴:
- 対象国:インドネシア、フィリピン、ベトナム
- 在留期間:4年間(介護福祉士試験合格で永続可能)
- 日本語レベル:N3程度が必要
在留資格「介護」による採用
Step1:人材の確保
- 介護福祉士養成学校との連携
- 既に介護福祉士資格を取得した外国人の採用
- 留学生のアルバイト雇用から正職員への登用
Step2:直接採用活動
専門機関によるマッチング制度がないため、施設が自主的に採用活動を行う必要があります。
特徴:
- 在留期間:制限なし(更新可能)
- 家族帯同:可能
- 即戦力:介護福祉士資格保有者のため高い専門性
- 課題:対象人数が少ない(5,339人の実績)
技能実習による採用
Step1:監理団体の選定
- 優良認定を受けた監理団体の選択
- 送り出し国とのネットワーク確認
- サポート体制の評価
Step2:技能実習計画の作成
- 外国人技能実習機構への計画提出
- 認定取得後に実習生受け入れ可能
- 実習開始6か月前から準備開始
Step3:受け入れ準備
- 住居の確保
- 日本語・介護基礎講習の実施(1~2か月)
- 配属後の指導体制構築
特徴:
- 在留期間:最長5年(優良認定時)
- 目的:技能移転・人材育成
- 制約:転職不可、夜勤制限あり
特定技能による採用
Step1:人材の確保
- 人材紹介会社の活用
- 専用求人媒体での募集
- 技能実習修了者の採用
Step2:在留資格手続き
- 国内在住者:3~4か月で勤務開始
- 海外在住者:5~7か月で勤務開始
- 介護技能評価試験、日本語試験N4、介護日本語評価試験の合格が必要
Step3:支援体制の構築
自社での支援または登録支援機関への委託を選択し、以下の支援を実施:
- 事前ガイダンス
- 住居確保・生活契約支援
- 生活オリエンテーション(8時間以上)
- 定期的な面談(3か月に1回以上)
特徴:
- 在留期間:最長5年
- 業務範囲:幅広い介護業務に従事可能
- 夜勤:1人夜勤も可能
- 2025年4月から訪問介護も解禁
成功事例と活用のポイント(実践的な取り組み)
成功事例①:段階的な受け入れによる定着率向上
関西のある特別養護老人ホームでは、最初にEPA介護福祉士候補者2名を受け入れ、その後特定技能外国人を追加採用する段階的なアプローチを採用しました。
取り組み内容:
- 先輩外国人職員によるメンター制度
- 日本語学習支援の継続実施
- 文化的配慮を含む職場環境の整備
結果:
- 3年間の定着率95%を達成
- 日本人職員のモチベーション向上
- 利用者様からの評価も高い
成功事例②:ICT活用による効率的な教育体制
東京都内のある介護老人保健施設では、ICT機器を活用した外国人介護士の教育体制を構築しました。
具体的な工夫:
- 翻訳アプリの活用による円滑なコミュニケーション
- 動画教材を使った技術指導
- オンライン日本語学習プログラムの提供
効果:
- 教育期間の短縮(従来の半分の期間で戦力化)
- 指導者の負担軽減
- 標準化された教育品質の確保
活用のポイント
1. 長期的視点での投資
- 初期費用は日本人採用より高いが、定着率の高さで回収可能
- 3~5年後の戦力化を見据えた計画的な受け入れ
2. 文化的配慮の重要性
- 宗教的な配慮(礼拝時間、食事制限等)
- 家族との連絡時間の確保
- 母国の祝日への理解
3. チーム全体での受け入れ体制
- 日本人職員への事前説明と理解促進
- 偏見や先入観の排除
- 多様性を活かした職場づくり
よくある質問(専門家に聞く)
Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
Q. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
制度に関するよくある質問
Q1. 外国人介護士 採用方法で最も費用対効果が高い制度はどれですか?
A. 特定技能制度が最も費用対効果が高いと考えられます。初期費用は50~100万円程度ですが、即戦力として活用でき、最長5年間の雇用が可能です。EPAは初期費用36万円と安価ですが、4年間の制限があり、技能実習は教育期間が長く、実際の戦力化まで時間がかかります。
Q2. 外国人介護士 採用方法の手続きにはどのくらいの期間が必要ですか?
A. 制度により大きく異なります。特定技能の場合、国内在住者なら3~4か月、海外在住者なら5~7か月です。EPAは面接からマッチング後、日本語研修を経て最短2.5か月で配属可能です。技能実習は計画作成から認定まで含めて6か月以上の準備期間が必要です。
Q3. 外国人介護士 採用方法で訪問介護に従事できる制度はありますか?
A. 2025年4月から特定技能外国人も訪問介護に従事可能となりました。これまでは在留資格「介護」保持者とEPA介護福祉士のみに限定されていましたが、特定技能、技能実習、EPA候補者も対象となり、約4万6,000人の外国人介護士が訪問介護サービスに携わることができるようになります。
Q4. 外国人介護士 採用方法における日本語能力の要件はどの程度ですか?
A. 制度により異なります。EPAはN3程度、特定技能はN4レベルの日本語能力試験合格と介護日本語評価試験合格が必要です。在留資格「介護」は介護福祉士試験合格が前提のため、より高い日本語能力が求められます。技能実習は入国時の要件は比較的低く設定されています。
Q5. 外国人介護士 採用方法で家族帯同が可能な制度はありますか?
A. 在留資格「介護」のみ家族(配偶者・子)の帯同が可能です。EPA、技能実習、特定技能では家族帯同は認められていません。ただし、特定技能から在留資格「介護」への変更は、介護福祉士試験合格により可能となります。
採用時の注意点と支援体制
法的手続きの重要性
1. 外国人雇用状況の届出
外国人を雇用する際は、ハローワークへの届出が義務付けられています。雇用開始時と離職時の両方で手続きが必要です。
2. 在留資格の管理
- 在留期限の1か月前までに更新手続き
- 就労可能な業務範囲の確認
- 資格外活動許可の必要性確認
文化的配慮の具体例
宗教的配慮:
- イスラム教徒の礼拝時間確保
- ハラール食材への対応
- 断食期間中の勤務調整
コミュニケーション支援:
- 翻訳アプリの導入
- 多言語対応の業務マニュアル作成
- 定期的な面談による悩み相談
継続的な支援体制
日本語学習支援:
- 日本語教室への通学支援
- 職場内での日本語指導時間設定
- 介護福祉士試験対策の実施
生活支援:
- 住居確保のサポート
- 生活必需品購入の同行
- 医療機関受診時の通訳支援
まとめ
外国人介護士の採用は、深刻な人手不足に直面する介護業界にとって重要な解決策となります。4つの制度それぞれに特徴がありますが、特に特定技能制度は採用しやすさと即戦力性を兼ね備えた有効な選択肢です。
重要なポイント:
- 制度選択は施設の状況と長期計画に基づいて決定
- 文化的配慮と継続的な支援体制が成功の鍵
- 長期的視点での投資として捉え、焦らずに育成
成功事例からも明らかなように、適切な準備と支援体制があれば、外国人介護士は施設の貴重な戦力となり、利用者様にも質の高いサービスを提供できます。まずは自施設に最適な制度を選択し、専門機関と連携しながら受け入れ準備を進めることをお勧めします。
【YMYL注意】 在留資格や雇用に関する制度は法改正により変更される可能性があります。実際の採用検討時は、最新の厚生労働省資料や出入国在留管理庁の情報を確認し、専門家にご相談ください。
出典・参考
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れについて」…外国人介護士採用の4制度概要
- 公益財団法人介護労働安定センター「令和5年度介護労働実態調査」…人手不足の現状データ
- 出入国在留管理庁「特定技能制度の受入れ見込数の再設定」…特定技能の受け入れ拡大方針
- 厚生労働省「第8期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…将来的な人材不足予測
- 外国人技能実習機構「令和2年度業務統計」…技能実習生の受け入れ状況
- 公益社団法人国際厚生事業団(JICWELS)…EPA制度の運営機関情報
- 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」…特定技能制度の詳細要件
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。

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