特定活動と特定技能の違いとは?目的・在留期間・移行準備をわかりやすく解説

目次

結論(30秒でわかる要点)

特定技能は「人手不足解消のための就労ビザ」、特定活動は「多様な目的に対応する柔軟な在留資格」であり、設立目的・在留期間・家族帯同の可否の3点で大きく異なる。

  • 特定技能は19分野に限定(2026年1月の閣議決定で3分野追加。新3分野は2027年頃受入開始見込み)、在留期間は1号が最長5年・2号は上限なし
  • 特定活動は50種類以上あり、目的に応じて3ヶ月〜5年の幅広い期間が設定される
  • 特定技能への移行準備期間として特定活動(原則6ヶ月)を活用するケースがある

対象読者: 外国人採用を検討している介護施設・企業の担当者、または在留資格の違いを整理したい方

⚠️ 注意: 在留資格制度は法改正により随時変更されます。最新情報は出入国在留管理庁の公式資料でご確認ください。

はじめに

「特定技能と特定活動、名前が似ていてどう違うのかわからない」——外国人採用を初めて検討する企業担当者や介護施設の方から、こうした声をよく耳にします。確かに、どちらも「特定」という言葉が入っており、ぱっと見ただけでは区別がつきにくいのが正直なところです。

しかし、この2つの在留資格は、制度の目的から在留期間、就労できる業種まで、根本から異なる性質を持っています。違いを正確に理解せずに採用を進めると、在留資格の不一致による法的トラブルや、せっかく採用した外国人材が働けないといった事態にもなりかねません。

この記事では、以下の点をわかりやすく整理します。

  • 特定活動と特定技能、それぞれの制度の目的と概要
  • 在留期間・家族帯同・対象業種の具体的な違い
  • 特定技能への移行準備として特定活動を活用する方法と注意点
  • 介護分野における外国人材受け入れの現状と活用のヒント
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特定活動・特定技能の違い|3つの核心ポイント

特定活動・特定技能の違い|3つの核心ポイント|介護現場のイメージ

設立目的がまったく異なる

「特定技能」と「特定活動」の最大の違いは、なぜその在留資格が作られたかという目的にあります。

特定技能(2019年4月創設)

  • 目的:日本国内で人材確保が困難な産業分野の人手不足を解消するため
  • 対象:介護・建設・製造業・外食業など16分野
  • 特徴:技能試験・日本語試験への合格が原則必要

特定活動(入管法上の在留資格)

  • 目的:他の在留資格に当てはまらない多様な活動に対応するため
  • 対象:業種制限なし(活動内容ごとに異なる)
  • 特徴:法務大臣が個別に活動内容・期間を指定する柔軟な仕組み

特定技能が「人手不足分野への即戦力確保」という明確な政策目的で設計されているのに対し、特定活動は「その他の在留資格に収まらない活動全般」を包括的にカバーする受け皿的な性格を持っています。

在留期間の違い

在留期間にも大きな差があります。以下の表で比較してみましょう。

在留資格最長在留期間一度に許可される期間
特定技能1号通算最長5年1年・6ヶ月・4ヶ月のいずれか
特定技能2号上限なし(更新可)3年・1年・6ヶ月のいずれか
特定活動最長5年(法務大臣が指定)5年・3年・1年・6ヶ月・3ヶ月、または個別指定

特定活動は活動の種類によって在留期間が大きく異なります。たとえばワーキングホリデー(告示5号)は原則1年、インターンシップ(告示9号)は3ヶ月〜1年、特定技能への移行準備目的の場合は原則6ヶ月といった具合です。

家族帯同の可否

家族を日本に呼び寄せられるかどうかも、両者で異なります。

  • 特定技能1号: 家族帯同は原則不可
  • 特定技能2号: 配偶者と子どもの帯同が可能
  • 特定活動: 原則不可。ただし、活動内容によって個別に判断される

特定活動で家族帯同が認められるケースとしては、EPA(経済連携協定)による看護師・介護福祉士候補者や、J-Find(外国大学卒業者向けの就職活動・起業準備活動制度)などが挙げられます。

特定技能とは|19分野・1号・2号の詳細

特定技能とは|16分野・1号・2号の詳細|介護現場のイメージ

特定技能の基本概要

特定技能とは: 2019年4月に創設された、人手不足が深刻な特定産業分野において外国人が就労するための在留資格。

対象となる当初16分野から現在は19分野に拡大。今後も業種は増える見込みです。
詳細は以下のとおりです。

  • 介護、ビルクリーニング、工業製品製造業
  • 建設、造船・舶用工業、自動車整備
  • 航空、宿泊、農業、漁業
  • 飲食料品製造業、外食業
  • 自動車運送業、鉄道、林業、木材産業
  • リネンサプライ、物流倉庫、資源循環(新3分野は2027年頃受入開始見込み)

特定技能1号と2号の違い

項目特定技能1号特定技能2号
技能水準技能試験+日本語試験(N4以上またはJFT-Basic A2以上)に合格より高度な技能試験+一定の実務経験が必要
在留期間通算最長5年上限なし(更新可)
家族帯同原則不可配偶者・子どもの帯同可
支援義務所属機関または登録支援機関による支援が必須支援義務なし
永住ビザへの道在留期間が通算5年で上限のため困難継続在留で永住申請の要件を満たす可能性あり

なお、介護分野については特定技能2号ではなく、既存の在留資格「介護」への移行が想定されています。

介護分野の受け入れ状況

厚生労働省の公表データによると、特定技能1号「介護」の在留者数は急速に増加しています。

  • 制度開始(2019年12月31日時点):19人
  • 2023年12月31日時点:28,400人
  • 2024年12月31日時点:44,367人(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)

約5年間で約2,300倍という驚異的な増加ペースです。国籍別ではインドネシアが12,242人(全体の27.6%)でトップ、次いでミャンマー11,717人(26.4%)、ベトナム8,910人(20.1%)と続きます。

一方、日本全体の介護職員必要数は、2022年実績の215万人から2040年には272万人(57万人増)が必要と推計されており(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)、外国人材の受け入れは今後ますます重要な課題となっています。

参考:外食業の新規受入停止 (2026年4月

外食業は受け入れ人数の上限到達見込みにより2026年4月13日以降、
特定技能による外国人労働者を新規受入が原則停止中です。

特定活動とは|3種類の分類と主な活用ケース

特定活動の3つの分類

特定活動は大きく以下の3種類に分けられます。

① 法定特定活動(入管法で規定)

  • 特定研究活動
  • 特定情報処理活動
  • 上記2つの外国人の家族滞在活動

② 告示特定活動(法務省が告示で定める)
現在50種類以上が定められており、主な例は以下のとおりです。

  • ワーキングホリデー(告示5号):休暇・観光目的で入国しながら旅行資金補充のための就労が可能
  • インターンシップ(告示9号):海外大学在籍中の学生が日本企業で報酬を得て就業
  • 特定活動46号:日本の大学を卒業し、高い日本語能力を持つ外国人が幅広い業務に従事

③ 告示外特定活動(個別に法務大臣が許可)
あらかじめ告示された活動には該当しないが、個別事情により認められるケース。代表例は以下のとおりです。

  • 卒業後の就職活動継続(最長1年)
  • 特定技能1号への変更準備が期限内に間に合わない場合の猶予措置
  • 技能実習修了後の求職活動期間

特定技能への移行準備として特定活動を活用する方法

特定活動が活用されるケース

技能実習修了後や留学ビザの期限が迫っている状況で、特定技能1号への変更手続きが在留期間内に完了できない場合、特定活動(原則6ヶ月)への切り替えが認められることがあります。

また、特定技能「自動車運送業」を目指す外国人が日本の運転免許取得・新任運転者研修を修了するまでの準備期間として、特定活動で滞在するケースも増えています。

移行準備のための特定活動申請に必要な書類

申請にあたって、一般的に以下の書類が求められます。

  1. 在留資格変更許可申請書(特定活動への変更である旨を明記)
  2. 申請理由書(なぜ特定活動が必要か、移行スケジュール・準備内容・今後の見通しを記載)
  3. 技能試験・日本語試験の合格証明書(取得済みの場合)
  4. 受け入れ企業の協力書類(雇用予定の証明、報酬水準の確認書など)
  5. その他、入管から求められる追加書類(銀行残高証明、経費負担誓約書など)

申請には受け入れ企業の協力が不可欠です。企業側も書類準備に積極的に関与する必要があります。

特定技能移行準備目的の特定活動における注意点

以下の5点は特に重要なので、事前に確認しておきましょう。

  1. 滞在期間は原則6ヶ月以内。準備・手続きはすべてこの期間内に完了できるよう計画を立てること
  2. 特定活動で滞在した期間も、特定技能1号の通算在留期間(上限5年)に算入される
  3. すでに特定技能1号として4年6ヶ月以上在留している場合は、この移行準備特定活動の対象外
  4. 特定技能1号と同等以上の報酬水準が求められる(日本人と同等以上)
  5. 申請が認められるには「変更申請が困難な合理的な理由」が必要

具体的な活用シーン|どちらを選ぶべきか

具体的な活用シーン|どちらを選ぶべきか|介護現場のイメージ

ケース①:即戦力として長期雇用したい場合

介護施設が外国人を長期的に雇用したいと考える場合、特定技能1号が適しています。技能評価試験と日本語評価試験に合格した人材は、即日から介護業務に従事できます。

厚生労働省の公表データによると、介護技能評価試験の累計合格者数は120,220人(2019年4月〜2025年1月)、介護日本語評価試験の累計合格者数は113,572人(同期間)に達しており、試験を経た即戦力人材のプールは着実に拡大しています。

受け入れ施設の種別では、特別養護老人ホームが7,827件でトップ、次いで病院2,446件、認知症対応型共同生活介護2,340件と続いています(2024年7月時点)。

ケース②:試験合格前の外国人を一時的に受け入れたい場合

技能実習を修了したが特定技能への変更手続きが間に合わない、あるいは試験合格を目前に控えているという場合には、特定活動(移行準備目的) の活用を検討します。ただし、この期間も特定技能1号の5年間に算入されるため、計画的な運用が不可欠です。

ケース③:日本の大学を卒業した外国人を採用したい場合

日本の大学を卒業し、高い日本語能力(目安としてN1〜N2レベル)を持つ外国人であれば、特定活動46号を活用することで、特定の業種に限定されず幅広い業務に従事させることができます。介護分野との親和性も高く、日本語力を活かした利用者対応が期待できます。

よくある質問(専門家に聞く)

介護ケアジャパンおよびGENSAI Career Consulting Corp代表の大町潤一氏(元看護師・介護福祉士)に、外国人介護士の受け入れに関する現場目線の疑問をお聞きしました。

Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?

「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。

一番伝えたいこと

「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」

私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。

それは:

1. 受け入れる側の覚悟

  • 最初は時間がかかることを理解する
  • 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
  • 文化の違いを楽しむ心

2. 外国人介護士のポテンシャル

  • 真面目で一生懸命
  • 学ぶ意欲が高い
  • 利用者様を大切にする心

3. 長期的な視点

  • すぐに結果を求めない
  • 信頼関係を築くのに時間をかける
  • 3年、5年後の姿を一緒に描く

「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」

「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」

最後に

「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」

「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」

Q. 看護師・介護福祉士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?

「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。

元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:

1. 現場目線での人材選考

  • 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
  • 技術だけでなく、人柄や適性を重視
  • 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ

2. 実践的な教育プログラム

  • 現場で本当に必要な技術を優先
  • 教科書的な知識より、実際の動きを重視
  • 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える

3. 施設側の悩みに寄り添える

  • 「受け入れる側」の大変さを理解している
  • 現実的なアドバイスができる
  • 一緒に問題を解決する姿勢

「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」

制度に関するよくある質問

Q1. 特定活動から特定技能への移行は、誰でもできますか?

A. 誰でも移行できるわけではありません。移行準備目的の特定活動が認められるには、①在留期間の満了日までに特定技能1号への変更申請が困難な合理的な理由があること、②受け入れ機関で特定技能1号に該当する業務に従事する予定であること、③特定技能1号と同等以上の報酬を受けること、④必要な技能試験・日本語試験に合格していること(免除対象者を除く)、という要件をすべて満たす必要があります。

Q2. 特定活動で就労できる業種に制限はありますか?

A. 特定活動の種類によって異なります。たとえばワーキングホリデー(告示5号)は比較的幅広い就労が認められますが、特定技能移行準備目的の特定活動では、受け入れ機関における特定技能1号相当の業務に限定されます。在留カードに添付される「指定書」に活動内容が明記されるため、採用前に必ず確認することが重要です。

Q3. 特定技能1号の介護分野では、どのような日本語能力が求められますか?

A. 特定技能1号の介護分野では、日本語能力試験(JLPT)N4以上または国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2レベル以上の合格に加え、介護日本語評価試験への合格も必要です。なお、技能実習2号を良好に修了した場合は日本語試験が免除されます。介護福祉士国家試験の合格率はN2保有者で53.4%、N1保有者では86.7%というデータもあり(出典:令和6年度老人保健健康増進等事業調査)、日本語力が定着率や資格取得に大きく影響することがわかります。

Q4. 特定技能「介護」の受け入れ人数に上限はありますか?

A. 特定技能「介護」には、5年間で135,000人という受入見込数(上限)が設定されています(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。また、訪問系サービスは2025年(令和7年)4月から一定の要件(介護職員初任者研修修了・実務経験1年以上・同行訪問等)を満たせば従事可能になりました(従来は対象外)。特定技能は直接雇用のみが認められています。事業所単位でも受け入れ人数の枠が設定されているため、採用計画の段階で確認が必要です。

Q5. 特定活動46号と特定技能の違いは何ですか?

A. 特定活動46号は「日本の大学を卒業し、高い日本語能力を持つ外国人が幅広い業務に従事できる」在留資格で、業種の制限が少ない点が特徴です。一方、特定技能は対象16分野に限定されますが、技能試験合格者であれば学歴不問で取得できます。介護分野では、特定活動46号を取得した日本の大学卒業者が介護補助的な業務に就くケースもありますが、介護の専門業務(身体介護など)に従事するには特定技能1号または在留資格「介護」が必要です。

まとめ

この記事では、特定活動と特定技能の違いについて、設立目的・在留期間・家族帯同・移行準備の活用方法まで詳しく解説しました。最後に要点を整理します。

  • 特定技能は「人手不足解消のための就労ビザ」。16分野に限定され、技能試験・日本語試験の合格が必要。1号は最長5年、2号は更新上限なし
  • 特定活動は「多様な目的に対応する柔軟な在留資格」。50種類以上の活動に対応し、在留期間は活動内容によって3ヶ月〜5年と幅広い
  • 特定技能への移行準備として特定活動を活用できるが、原則6ヶ月以内で、この期間も特定技能1号の通算5年に算入される点に注意が必要

外国人材の採用を検討している介護施設や企業の方は、まず自社の採用目的・受け入れ体制・対象分野を整理したうえで、どちらの在留資格が適切かを専門家に相談することをお勧めします。制度の詳細は随時変更されるため、最新情報は必ず出入国在留管理庁や厚生労働省の公式資料でご確認ください。

【YMYL注意】 在留資格に関する最終判断は、出入国在留管理庁の最新情報および行政書士等の専門家にご確認ください。本記事は情報提供を目的としており、個別の在留資格申請の可否を保証するものではありません。

出典・参考

  • 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日(https://www.mhlw.go.jp/)…特定技能「介護」の受入上限(135,000人)・国籍別ランキング・在留者数推移・施設種別受入状況の根拠
  • 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…2026年・2040年の介護職員必要数(240万人・272万人)の根拠
  • 厚生労働省「外国人介護人材の確保・定着」2025年資料…特定技能1号(44,367人)・技能実習(15,909人)・在留資格「介護」(12,227人)・EPA(3,180人)の在留者数データの根拠
  • 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別国家試験合格率・国家試験受験理由・職場支援内容の根拠
  • 出入国在留管理庁「在留資格一覧」(https://www.moj.go.jp/isa/)…特定技能・特定活動の在留資格制度の根拠
  • 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数の公表」…特定技能外国人の在留者数・推移データの根拠

この記事の監修者

大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。

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