結論(30秒でわかる要点)
特定技能「介護」で働くには、介護技能評価試験と介護日本語評価試験、さらに基本的な日本語試験(JFT-BasicまたはJLPT N4以上)の合格が必要です。
- 試験は2種類:介護技能評価試験(45問・60分)と介護日本語評価試験(15問・30分)、各2,000円
- 合格基準は60%以上:難易度は高くなく、しっかり準備すれば合格できる水準
- 国内外で受験可能:日本国内47都道府県+13か国で実施、CBT方式でほぼ毎日受験できる
この記事は、特定技能「介護」の試験を受けようとしている外国人本人、または外国人介護士の採用を検討している施設担当者の方に向けた内容です。
⚠️ 試験制度・受験料・実施国などは随時更新されます。最新情報は必ず厚生労働省や試験実施機関の公式サイトでご確認ください。
はじめに

「特定技能 介護テストって、どんな試験なの?」「合格するのは難しい?」「施設として採用する際、どこを見ればいいの?」
こうした疑問を持つ方は、外国人本人・施設担当者を問わず非常に多いです。2019年に特定技能制度が始まって以来、介護分野への外国人材の参入は急増しており、2024年12月末時点で特定技能1号の介護分野在留者数は44,367人(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)に達しています。
しかし、「試験の全体像がわからない」「どうやって準備すればいいかわからない」という声は今も絶えません。
この記事では、以下のポイントを網羅的に解説します。
- 特定技能「介護」に必要なテストの種類と内容
- 受験の申し込み方法と当日の流れ
- 試験免除になるケースとその条件
- 合格に向けた効果的な学習方法
ひとつひとつ丁寧に説明しますので、ぜひ最後までお読みください。
特定技能「介護」テストの基礎知識|なぜ試験が必要なのか

「特定技能 介護テスト」とは何か
定義:特定技能「介護」テストとは、在留資格「特定技能1号(介護)」を取得するために外国人が受験する、介護の技能と日本語能力を測る評価試験の総称です。
介護分野の人材不足は、日本社会が直面する深刻な課題のひとつです。厚生労働省の調査によれば、2022年時点で介護職員数は215万人でしたが、2026年には240万人(+25万人)、2040年には272万人(+57万人)が必要とされています(出典:厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)。
こうした背景から、政府は2019年に特定技能制度を創設。介護分野でも一定の専門性・技能を持つ外国人材を受け入れる仕組みが整えられました。ただし、「誰でも入れる」制度ではなく、所定の試験に合格した人材のみが就労資格を得られるという点が重要です。
特定技能「介護」の対象業務と受入施設
特定技能「介護」で従事できる業務は、利用者の心身の状況に応じた入浴・食事・排泄などの身体介護、およびレクリエーションの実施や機能訓練の補助などです。
受入施設の種別(上位5位)は以下のとおりです(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日、2024年7月19日時点)。
| 順位 | 施設種別 | 件数 |
|---|---|---|
| 1位 | 特別養護老人ホーム | 7,827件 |
| 2位 | 病院 | 2,446件 |
| 3位 | 認知症対応型共同生活介護 | 2,340件 |
| 4位 | 特定施設入居者生活介護 | 1,996件 |
| 5位 | 介護老人保健施設 | 1,931件 |
なお、原則として訪問系サービスは対象外でしたが、令和7年4月からは、介護職員初任者研修を修了し1年以上の実務経験を持つ外国人介護士については、条件付きで訪問介護等への従事が認められるようになりました。
試験が免除されるケース
以下のいずれかに該当する方は、技能試験・日本語試験が免除されます。
- 介護分野の第2号技能実習を修了した方
- 介護福祉士養成施設を修了した方
- EPA介護福祉士として就労・研修に適切に従事(3年10か月以上)し、
直近の介護福祉士国家試験で合格基準点の5割以上かつ全科目群で得点があった方
特定技能 介護テストの種類と試験内容

必要な試験は3つ(または2つ)
特定技能「介護」の取得には、以下の試験への合格が必要です。
- 介護技能評価試験(技能試験)
- 介護日本語評価試験(介護特有の日本語試験)
- 国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)A2以上 または 日本語能力試験(JLPT)N4以上
他の特定技能分野と異なり、介護分野では日本語試験が2本立てになっている点が特徴です。「介護の現場で使う日本語」を別途確認する目的で、介護日本語評価試験が設けられています。
介護技能評価試験の詳細
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題数 | 45問(学科40問+実技5問) |
| 試験時間 | 60分 |
| 実施方法 | CBT方式(コンピューター試験) |
| 受験料 | 2,000円(令和8年4月実施分から。改定前1,000円) |
| 合格基準 | 総得点の60%以上 |
| 試験言語 | 日本語・英語・ベトナム語・インドネシア語など13言語対応 |
学科試験の出題科目(40問)
- 介護の基本:10問
- こころとからだのしくみ:6問
- コミュニケーション技術:4問
- 生活支援技術:20問(最多・最重要)
実技試験(5問)
判断等試験の形式による実技試験課題が出題されます。実際の介護場面を想定したシナリオに基づき、適切な対応を選択する形式です。
介護日本語評価試験の詳細
| 項目 | 内容 |
|---|---|
| 問題数 | 15問 |
| 試験時間 | 30分 |
| 実施方法 | CBT方式 |
| 受験料 | 2,000円(令和8年4月実施分から。改定前1,000円) |
| 合格基準 | 総得点の60%以上 |
| 試験言語 | 日本語のみ |
出題科目(15問)
- 介護のことば:5問
- 介護の会話・声かけ:5問
- 介護の文書:5問
介護技能評価試験と同日に受験することが可能です。
日本語試験(JFT-BasicまたはJLPT)
基本的な日本語能力を確認するための試験として、以下のいずれかへの合格が必要です。
国際交流基金日本語基礎テスト(JFT-Basic)
- 約50問・60分・CBT方式
- 受験料:7,000円
- 合格基準:総合得点200点以上(A2レベル以上)
日本語能力試験(JLPT)N4
- 言語知識(文字・語彙)25分、言語知識(文法)・読解55分、聴解35分
- 受験料:6,500円
- 合格基準:180点満点中90点以上かつ各パートで基準点以上
受験申し込みの手順と当日の流れ

Step1:プロメトリックIDを取得する
介護技能評価試験・介護日本語評価試験は、プロメトリック株式会社が実施主体となっています。受験申し込みにはプロメトリックIDの取得が必須です。
- 一人で複数のIDを取得することは禁止されています
- パスポート情報またはe-KTP情報は、本人確認書類の記載どおりに入力する必要があります
- ベトナムの送出機関経由で申し込む場合は、送出機関から指定されたメールアドレスを登録してください
Step2:試験を予約する
IDを取得したら、試験の予約を行います。
- 予約可能期間:試験日の59日前から最短で試験日の3営業日前23:59(日本時間)まで
- 試験日が土・日・祝日の場合は4営業日前まで
- 国内受験の場合は顔写真のアップロードも必要
Step3:試験当日の準備
必要書類
- 確認書(予約サイトのマイページから印刷)
- 本人確認書類(パスポートまたは在留カードの原本)
- ※スマートフォン画面やコピーは不可
当日のスケジュール
- 試験開始の45分前から会場入場が可能
- 試験開始の30分前までに会場へ到着すること(遅刻した場合は受験不可)
- 本人確認後、荷物はすべてロッカーへ
注意点・コツ
- 不合格だった場合、試験日の翌日から起算して45日間は同じ科目を再受験できません
- 言語が異なっても科目が同じであれば「同一試験」とみなされ、再受験規定の対象となります
- 試験結果は受験後翌日~5営業日以内にマイページで確認可能
- 合格した試験を再度受験することはできません
試験の実施場所と国籍別動向

国内・海外での実施状況
2019年4月〜2025年1月の累計データによると(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日):
介護技能評価試験
- 累計合格者:120,220人
- 国内:40,722人 / 海外:79,498人
介護日本語評価試験
- 累計合格者:113,572人
- 国内:40,553人 / 海外:73,019人
海外での合格者が国内を大きく上回っており、母国で試験を受けてから来日するケースが主流になっています。また、令和4年度→令和5年度の比較では、海外合格者が約2倍に増加しています。
試験実施国(海外13か国+日本)
日本(47都道府県)のほか、フィリピン・カンボジア・ネパール・インドネシア・モンゴル・タイ・ミャンマー・インド・スリランカ・ウズベキスタン・バングラデシュ・パキスタン・ベトナムで実施されています。
国籍別の受入状況
2024年12月末時点(計44,367人)の国籍別内訳は以下のとおりです(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。
| 順位 | 国籍 | 人数 | 割合 |
|---|---|---|---|
| 1位 | インドネシア | 12,242人 | 27.6% |
| 2位 | ミャンマー | 11,717人 | 26.4% |
| 3位 | ベトナム | 8,910人 | 20.1% |
| 4位 | フィリピン | 4,538人 | 10.2% |
| 5位 | ネパール | 3,602人 | 8.1% |
上位5か国で全体の9割以上を占めており、アジア圏からの人材が中心です。
合格後のキャリアパスと介護福祉士への道

特定技能から介護福祉士へ
特定技能「介護」は1号のみ(最長5年)の在留資格ですが、在留期間中に介護福祉士の国家資格を取得すれば、在留期間の制限がなくなり、長期雇用が可能になります。
ただし、介護福祉士国家試験の合格率は、日本語能力によって大きく異なります(出典:令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」)。
| 日本語能力レベル | 合格率 |
|---|---|
| N1保有者 | 86.7% |
| N2保有者 | 53.4% |
| N3保有者 | 25.2% |
| N4保有者 | 25.0% |
| N5保有者 | 12.5% |
N2以上を目指すことが、介護福祉士合格への近道といえます。施設側としても、日本語支援の投資対効果が非常に高いことがこのデータから読み取れます。
外国人介護士が国家試験を受ける理由
令和6年度の調査(複数回答)によると、外国人介護士が国家試験を受けた主な理由は以下のとおりです:
- 日本で介護職として働き続けるため:68.9%
- 日本で長く住み続けたいため:55.2%
- 専門職として介護の知識技術を得るため:51.7%
長期的に日本で働く意欲を持つ人材が多いことがわかります。
施設からの支援内容
同調査によれば、外国人介護士が職場から受けた支援として多かったのは:
- 施設職員に勉強を教えてもらった:36%
- 日本語の先生に教えてもらった:26.7%
- 勤務時間やシフトの調整:24.8%
施設側の積極的なサポートが、定着率向上や国家試験合格につながっています。
よくある質問(専門家に聞く)
元看護師・介護福祉士であり、GENSAI Career Consulting Corp代表の大町潤一氏に、施設担当者が特に気になる疑問についてお聞きしました。
Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
Q. 元看護師・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
制度に関するよくある質問
Q1. 特定技能 介護テストは何回でも受験できますか?
A. 不合格の場合、試験日の翌日から起算して45日間は同じ科目を再受験できません。また、言語が異なっても科目が同じであれば同一試験とみなされます。合格した試験は再受験できません。45日の待機期間を有効に使い、弱点を補強してから再挑戦することをおすすめします。
Q2. 特定技能 介護テストの受験料はいくらですか?
A. 介護技能評価試験・介護日本語評価試験はそれぞれ2,000円です(令和8年4月実施分から改定)。別途必要な日本語試験については、JFT-Basicが7,000円、JLPTのN4が6,500円となっています。最新の受験料は必ず公式サイトでご確認ください。
Q3. 特定技能 介護テストに合格すれば、すぐに就労できますか?
A. 試験に合格しても、それだけで特定技能の在留資格が付与されることは保証されていません。在留資格認定証明書の交付申請や在留資格変更許可申請が必要であり、必ずしも許可が下りるわけではない点に注意が必要です。合格はあくまで要件のひとつです。
Q4. 特定技能「介護」の受入上限はありますか?
A. はい、5年間の受入見込数(上限)は135,000人と定められています(出典:厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日)。2024年12月末時点では44,367人が在留しており、制度開始から約5年で大幅に増加しています。
Q5. 特定技能 介護テストの学習教材はありますか?
A. 厚生労働省のホームページでは、介護技能評価試験・介護日本語評価試験のサンプル問題が公開されています。また、学習用テキストは各国言語に翻訳されたものも閲覧可能です。CBT体験版も用意されており、試験形式に慣れるための事前練習ができます。
まとめ
特定技能「介護」のテストについて、この記事でお伝えしたポイントを整理します。
- 必要な試験は3本立て:介護技能評価試験(45問・60分)、介護日本語評価試験(15問・30分)、日本語試験(JFT-BasicまたはJLPT N4以上)。合格基準はいずれも60%以上。
※総得点の一定割合以上(難易度により補正。資料により60〜80%と幅あり)で、
準備をしっかり行えば合格できる水準です。 - 国内外でほぼ毎日受験可能:CBT方式のため日程の柔軟性が高く、不合格でも45日後に再挑戦できます。試験言語も13言語に対応しており、母国語で受験できる環境が整っています。
- 合格後のキャリアパスが明確:特定技能1号(最長5年)から介護福祉士資格取得へとつながるルートがあり、長期雇用・キャリアアップの道が開けています。施設側の日本語支援が合格率を大きく左右するため、積極的なサポートが定着率向上にも直結します。
まずは厚生労働省の公式サイトやプロメトリックの試験ページでサンプル問題・試験日程を確認することから始めてみてください。外国人介護士の採用や受け入れについてお悩みの施設担当者の方は、専門家への無料相談を活用するのもひとつの方法です。
【YMYL注意】本記事の情報は執筆時点のものです。特定技能制度・試験内容・受験料・実施国などは随時変更される可能性があります。最終的な判断は、厚生労働省・出入国在留管理庁の最新の公的資料、または専門家(行政書士・登録支援機関等)にご確認ください。
出典・参考
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日(https://www.mhlw.go.jp/content/12000000/001459170.pdf)…特定技能受入上限・国籍別ランキング・受入施設種別・在留者数推移・試験合格者数の根拠
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…2026年・2040年の介護職員必要数データの根拠
- 厚生労働省「介護分野における特定技能外国人の受入れについて」(https://www.mhlw.go.jp/stf/newpage_000117_00003.html)…試験概要・対象施設・受験資格・試験結果の公式情報
- 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語能力レベル別合格率・国家試験受験理由・施設からの支援内容の根拠
- プロメトリック株式会社「介護特定技能評価試験 受験案内」(https://pf.prometric-jp.com/testlist/care/index.html)…受験申し込み手順・ID取得・試験当日の流れの根拠
- 出入国在留管理庁「特定技能1号試験日程」(https://www.moj.go.jp/isa/applications/ssw/nyuukokukanri07_00003.html)…試験実施日程・実施国の根拠
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
