結論(30秒でわかる要点)
- 在留資格「介護」は外国人が日本で介護職として長期就労できる最も安定した資格
- 介護福祉士国家資格取得者のみ対象で、高い日本語能力(N2レベル)と専門技術を保有
- 在留期間に制限なく、家族帯同可能で永住権取得への道筋も明確
- 人手不足解消・国際貢献・職場活性化の3つの主要メリットを実現
- 制度は更新されるため、最新の厚生労働省資料で詳細を確認すること
はじめに

介護業界の深刻な人手不足が続く中、外国人介護人材の受け入れが注目を集めています。特に「在留資格『介護』」は、2017年に新設された制度で、外国人が日本で介護職として長期的に活躍できる重要な仕組みです。
しかし、「どんなメリットがあるのか」「他の在留資格との違いは何か」「採用にはどんな手続きが必要か」など、多くの疑問を抱えている介護施設の方も多いのではないでしょうか。
この記事でわかること
- 在留資格「介護」の具体的なメリットと特徴
- 他の在留資格(特定技能、技能実習、EPA)との比較
- 採用から受け入れまでの実践的な流れ
在留資格「介護」の基礎知識とメリット

用語の定義
在留資格「介護」とは:介護福祉士の国家資格を取得した外国人が、日本で介護業務に従事するために必要な在留資格で、2017年9月に新設された制度です。
制度の背景・現状
厚生労働省の統計によると、日本の介護職員は2022年実績で2,150,000人ですが、2026年には2,400,000人(+250,000人)、2040年には2,720,000人(+570,000人)が必要とされています(出典: 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)。
在留資格「介護」で働く外国人は12,227人(2024年12月31日時点)と、まだ少数ですが、高い専門性と安定した就労が可能な制度として期待されています(出典: 厚生労働省「外国人介護人材の確保・定着」2025年資料)。
在留資格「介護」の主要メリット
1. 永続的な就労が可能
- 在留期間の更新回数に制限がなく、希望すれば永続的に日本で働ける
- 5年以上就労し、10年以上日本に滞在すれば永住権申請も可能
2. 家族帯同が認められる
- 配偶者や子供が「家族滞在」の在留資格で日本に住める
- 家族と一緒に生活できるため、定着率が高い
3. 業務制限がない
- 日本人介護福祉士と同様の業務に従事可能
- 訪問介護、夜勤、管理業務など幅広い業務に対応
在留資格「介護」取得の要件と流れ

取得要件(Step1〜3)
Step1: 介護福祉士国家資格の取得
- 日本の介護福祉士養成校を卒業(2年以上)
- または実務経験3年以上+介護福祉士国家試験合格
Step2: 日本語能力の証明
- 日本語能力試験N2相当の語学力が必要
- 養成校入学時または資格取得時に要求される
Step3: 雇用契約の締結
- 日本の介護施設との雇用契約
- 日本人と同等以上の報酬条件が必須
取得までの3つのルート
1. 留学生ルート
- 留学生として介護福祉士養成校に入学
- 2年間学習後、介護福祉士国家試験に合格
- 卒業と同時に在留資格「介護」に変更
2. 技能実習ルート
- 技能実習生として3年間実務経験を積む
- 介護福祉士国家試験に合格
- 在留資格「介護」に変更
3. 特定技能・EPAルート
- 特定技能またはEPAで就労中に介護福祉士資格取得
- 在留資格「介護」に変更
注意点・成功のコツ
- 国家試験対策: 合格率向上のため、日本語レベル別の対策が重要(N1保有者86.7%、N2保有者53.4%の合格率)
- 施設側のサポート: 勤務時間調整、日本語学習支援が定着に効果的
- 長期的視点: 資格取得まで数年かかるため、継続的な支援体制が必要
他の在留資格との比較と選び方
在留資格「介護」vs特定技能1号
在留資格「介護」の優位性
- 在留期間:無制限 vs 最長5年
- 家族帯同:可能 vs 不可
- 業務範囲:制限なし vs 訪問介護は条件付き
- 日本語レベル:N2レベル vs N4レベル
特定技能1号の優位性
- 人材確保の容易さ:44,367人在留 vs 12,227人在留
- 即戦力性:試験合格で就労開始 vs 国家資格取得が必要
在留資格「介護」vs技能実習
在留資格「介護」の優位性
- 転職:自由 vs 原則不可
- 夜勤:制限なし vs 2年目以降、同僚配置必要
- 配置基準:即座に算入可能 vs 6ヶ月後(N2未満の場合)
在留資格「介護」vsEPA
在留資格「介護」の優位性
- 対象国:制限なし vs 3ヶ国限定(インドネシア、フィリピン、ベトナム)
- 在留期間:無制限 vs 4年以内に国家試験合格が必要
成功事例と体験談
成功事例①:関西の特別養護老人ホーム
概要: 20〜30名規模の特別養護老人ホームで、フィリピン出身の介護福祉士2名を採用
変化:
- 夜勤体制の安定化により、日本人職員の負担軽減
- 利用者様との丁寧なコミュニケーションで満足度向上
- 職場の国際化により、スタッフのモチベーション向上
成功事例②:東京都内のグループホーム
ポイント・学び:
- 入職前の3ヶ月間、集中的な日本語研修を実施
- メンター制度により、日本人職員とのペアリング
- 文化的背景を理解し、宗教的配慮も含めた環境整備
結果: 3年間の定着率100%を達成し、現在はリーダー職として活躍
よくある質問(専門家に聞く)
Q: 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
Q: これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
制度に関するよくある質問
Q1. 在留資格「介護」のメリットを活用するために必要な準備期間はどのくらいですか?
A. 採用ルートによって大きく異なります。既に介護福祉士資格を持つ外国人の場合は3〜6ヶ月程度で受け入れ可能ですが、養成校卒業生の場合は2年間の学習期間が必要です。技能実習や特定技能からの移行の場合、3年以上の実務経験と国家試験合格が前提となるため、長期的な計画が重要です。
Q2. 在留資格「介護」のメリットを最大化する採用費用はどのくらいですか?
A. 初期費用として約100〜200万円程度が目安です。内訳は、紹介手数料(50〜100万円)、住居準備費(20〜50万円)、研修費用(10〜30万円)などです。ただし、長期就労が可能なため、年間コストで考えると他の在留資格より効率的な場合が多いです。
Q3. 在留資格「介護」のメリットを活用した外国人の定着率はどの程度ですか?
A. 在留資格「介護」取得者の定着率は他の在留資格と比較して高く、3年定着率は80%以上とされています。家族帯同が可能で永続的就労ができるため、安定した生活基盤を築きやすいことが主な要因です。
Q4. 在留資格「介護」のメリットを享受できる業務範囲に制限はありますか?
A. 業務制限は一切ありません。日本人介護福祉士と全く同じ業務に従事でき、身体介護、生活援助、訪問介護、夜勤、管理業務なども可能です。これは他の在留資格にはない大きなメリットです。
Q5. 在留資格「介護」のメリットを活用する際の施設側の義務はありますか?
A. 主な義務として、日本人と同等以上の報酬支払い、適切な労働環境の提供、在留資格更新手続きの支援などがあります。また、継続的な日本語学習支援や専門技術向上のための研修機会提供も推奨されています。
まとめ
在留資格「介護」は、外国人介護人材の受け入れにおいて最も安定性とメリットの大きい制度です。
重要な3つのポイント
- 永続的就労と家族帯同により、長期的な人材確保が実現
- 介護福祉士資格保有により、即戦力として幅広い業務に対応可能
- 他の在留資格からの移行も可能で、段階的な人材育成にも活用できる
次のステップ
まずは近隣の介護福祉士養成校への問い合わせや、既存の技能実習生・特定技能外国人の国家試験サポートから始めることをお勧めします。
YMYL注意: 在留資格制度は法改正により変更される可能性があります。最終的な判断は最新の出入国在留管理庁および厚生労働省の公式資料で確認し、必要に応じて行政書士等の専門家にご相談ください。
出典・参考
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…全国介護職員必要数データの根拠
- 厚生労働省「外国人介護人材の確保・定着」2025年資料…外国人介護人材在留者数データの根拠
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日…特定技能受入上限・国籍別ランキング・都道府県別受入状況の根拠
- 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別合格率・受験理由・職場支援データの根拠
- 出入国在留管理庁「在留外国人統計」…在留資格別外国人数の根拠
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
