結論(30秒でわかる要点)
- 特定技能でのネパール人在留者数は5,386人(2024年6月末時点、出入国在留管理庁公表)
- 前年同期比57.1%増と急激な増加傾向で、今後さらなる拡大が予想される
- 主要分野は飲食料品製造業、工業製品製造業、建設業、介護分野の順
- 雇用には海外労働保険・海外労働者社会福祉基金への加入が必要
- 制度は随時更新されるため、最新の公的資料での確認が必要
はじめに

「特定技能でネパール人を雇用したいけど、実際の人数はどのくらい?」「他の国と比べてネパール人の特定技能者は多いの?」そんな疑問をお持ちの企業担当者の方も多いのではないでしょうか。
近年、日本の人手不足解消の切り札として注目される特定技能制度。その中でもネパール人材は、勤勉な国民性と日本語適応力の高さから、多くの企業で重宝されています。しかし、実際の受け入れ人数や推移、雇用時の注意点など、詳細な情報を把握している企業はまだ少ないのが現状です。
この記事では、出入国在留管理庁の最新統計データを基に、特定技能におけるネパール人の正確な人数と推移を詳しく解説します。さらに、雇用を検討している企業が知っておくべき手続きや注意点まで、実践的な情報をお届けします。
この記事でわかること
- 特定技能ネパール人の最新人数と推移データ
- 分野別・地域別の詳細な受け入れ状況
- ネパール人雇用時の具体的な手続きと費用
特定技能におけるネパール人数の現状と推移

用語の定義
特定技能 ネパール 人数とは:特定技能1号・2号の在留資格でネパール国籍者が日本に在留している人数を指し、出入国在留管理庁が定期的に公表する公式統計データのこと。
最新の在留者数データ
出入国在留管理庁の公表データによると、2024年6月末時点での特定技能におけるネパール人在留者数は5,386人となっています。これは特定技能全体(251,747人)の約2.1%を占める数字です。
年次推移(特定技能1号)
- 2024年6月:5,386人
- 2023年12月:4,430人(前年同期比46.5%増)
- 2023年6月:3,428人
- 2022年12月:2,340人
- 2022年6月:1,401人
この推移を見ると、ネパール人の特定技能在留者数は一貫して増加傾向にあり、特に2023年以降の伸び率が顕著です。2022年6月から2024年6月までの2年間で約3.8倍に増加しており、他国と比較しても高い成長率を示しています。
国別順位での位置づけ
特定技能全体の国別ランキング(2024年6月末時点)では、ネパールは以下の位置にあります:
- ベトナム:126,832人(50.4%)
- インドネシア:44,305人(17.6%)
- フィリピン:25,311人(10.1%)
- ミャンマー:19,059人(7.6%)
- 中国:15,696人(6.2%)
- タイ:5,178人(2.1%)
- カンボジア:5,461人(2.2%)
- ネパール:5,386人(2.1%) 内「介護の割合は3602人」
ネパールは第8位に位置し、全体に占める割合は小さいものの、成長率の高さが注目されています。
分野別・地域別の受け入れ状況

主要受け入れ分野
ネパール人特定技能者の分野別分布については、全体的な傾向として以下の分野での受け入れが多いとされています:
主要分野(推定)
- 飲食料品製造業:全体の約28%を占める最大分野
- 工業製品製造業:製造業全般での需要が高い
- 建設業:技能実習からの移行者も多い
- 介護分野:36,719人(全分野合計、2024年6月時点)
地域別分布
都道府県別の特定技能在留者数(全国籍合計、2024年6月末時点)では:
- 愛知県:20,757人
- 大阪府:16,543人
- 埼玉県:15,530人
- 千葉県:15,185人
- 東京都:14,920人
これらの地域では、製造業や建設業の集積地であることから、ネパール人材の受け入れも活発に行われていると推測されます。
増加要因の分析
ネパール人特定技能者数が急増している背景には、以下の要因があります:
経済的要因
- ネパールの平均月額賃金:約14,000円
- 日本の特定技能平均賃金:約30万円(約22倍の格差)
- 家族への送金需要の高さ
制度的要因
- 技能実習制度からの移行者増加
- 特定技能2号対象分野の拡大(2023年)
- 新型コロナウイルス入国制限の完全解除(2023年4月)
ネパール人雇用の具体的手続きと注意点
雇用企業が満たすべき基本要件
ネパール人を特定技能で雇用する際、企業側は以下の要件を満たす必要があります:
必須要件一覧
- 適正な報酬の支払い(日本人と同等以上)
- 適切な労働環境の整備
- 日本語教育の実施支援
- 生活支援体制の整備
- 登録支援機関への委託または自社支援体制構築
ネパール特有の手続き
ネパール人材を雇用する場合、他国にはない特有の手続きがあります:
海外労働保険への加入
- 保険料率:約0.5%〜2.5%(職種・年齢により変動)
- 負担者:受け入れ企業
- 目的:ネパール国内での労働者保護
海外労働者社会福祉基金への支払い
- 掛金率:0.5%〜1.5%(企業規模により変動)
- 負担方法:企業と労働者で折半
- 管理機関:ネパール労働・雇用・社会保障省
採用ルートと手続きの流れ
海外からの直接採用の場合
- 求人活動
- 自社ウェブサイト・求人サイトでの募集
- ネパール大使館の特定技能求人情報提供システム活用
- 雇用契約締結
- 労働条件の明確化
- 契約書の作成(ネパール語併記推奨)
- 在留資格認定証明書交付申請
- 出入国在留管理局への申請
- 審査期間:約1〜3ヶ月
- 査証発給申請
- 在ネパール日本国大使館での手続き
- 必要書類:在留資格認定証明書、パスポート等
- 健康診断・出国前オリエンテーション
- 胸部X線検査等の健康診断
- 出国前2週間以内の実施が必要
- 特定手続き(ネパール特有)
- 海外労働保険・海外労働者社会福祉基金への支払い
- 海外労働許可証の取得
- 入国・就労開始
雇用時の費用概算
ネパール人材雇用にかかる主な費用は以下の通りです:
初期費用
- 登録支援機関委託費:月額2〜3万円
- 送り出し機関手数料:10〜20万円程度
- 在留資格申請書類作成費:10〜20万円程度
- 収入印紙代:4,000円
- 渡航費:約5〜6万円
- 健康診断費用:1〜3万円
継続費用
- 給与:月額20〜30万円(同等日本人以上)
- 海外労働保険料:給与の0.5〜2.5%
- 海外労働者社会福祉基金:給与の0.5〜1.5%(折半)
ネパール人雇用の成功事例と効果
製造業での活用事例
関東のある食品製造会社では、2022年からネパール人特定技能者3名を雇用開始。当初は言語の壁に苦労したものの、以下の取り組みで定着に成功しています:
成功要因
- 先輩日本人職員によるマンツーマン指導体制
- 月1回の日本語学習支援
- ネパール料理の社員食堂メニュー導入
- 宗教的配慮(礼拝時間の確保)
得られた効果
- 生産性の向上:残業時間20%削減
- 職場の国際化:日本人職員の意識変化
- 長期雇用の実現:3名全員が継続勤務中
建設業での活用事例
九州のある建設会社では、技能実習から特定技能に移行したネパール人2名を雇用。以下の工夫で戦力化に成功しています:
取り組み内容
- 安全教育の多言語対応
- 技能検定取得支援制度
- 家族との定期的なビデオ通話時間確保
成果
- 安全事故ゼロの継続
- 技能レベルの向上
- 他の外国人材のロールモデル化
よくある質問(専門家に聞く)
Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
Q. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
制度に関するよくある質問
Q1. 特定技能でネパール人を雇用する際の最低賃金はありますか?
A. 特定技能では、同等の技能を有する日本人と同額以上の報酬を支払う必要があります。最低賃金法に加え、地域の相場賃金を考慮した適正な給与設定が求められます。厚生労働省の調査では、特定技能者の平均月額賃金は約20〜30万円となっています。
Q2. ネパール人特定技能者の転職は可能ですか?
A. 可能です。特定技能1号では、同一分野内での転職が認められています。ただし、転職先企業での受け入れ体制整備や在留資格変更手続きが必要です。転職回数に制限はありませんが、適切な手続きを経ることが重要です。
Q3. 特定技能2号への移行はネパール人も対象ですか?
A. はい、対象です。2023年の制度改正により、介護分野以外の11分野で特定技能2号の受け入れが開始されました。ネパール人も技能試験に合格すれば特定技能2号への移行が可能で、家族帯同や在留期間の上限撤廃などのメリットがあります。
Q4. ネパール人雇用時の宗教的配慮は必要ですか?
A. ネパールは多宗教国家(ヒンドゥー教約81%、仏教約9%等)のため、個人の信仰に応じた配慮が望ましいです。具体的には、礼拝時間の確保、食事制限への理解、宗教的祭日への配慮などが挙げられます。事前に本人と相談し、可能な範囲での対応を検討しましょう。
Q5. ネパール人材の日本語能力はどの程度必要ですか?
A. 特定技能では日本語能力試験N4以上または国際交流基金日本語基礎テストの合格が必要です。ただし、技能実習2号を良好に修了した場合は日本語試験が免除されます。実際の業務では、継続的な日本語学習支援が定着率向上に重要です。
まとめ
特定技能におけるネパール人数は、2024年6月末時点で5,386人と着実に増加しており、今後も成長が期待される重要な人材源です。主なポイントを整理すると:
- 急成長する人材市場:前年同期比57.1%増の高い伸び率を示し、企業の関心も高まっている
- 多様な分野での活躍:製造業、建設業、介護分野を中心に幅広い業種で受け入れが進んでいる
- 特有の手続きに注意:海外労働保険や海外労働者社会福祉基金など、ネパール特有の制度への対応が必要
ネパール人材の雇用を検討している企業は、まず制度の正確な理解と適切な受け入れ体制の構築から始めることが重要です。文化的な違いを理解し、長期的な視点で人材育成に取り組むことで、企業にとって貴重な戦力となることでしょう。
【重要】制度は随時更新されるため、実際の雇用検討時は最新の出入国在留管理庁資料や専門家への確認を必ず行ってください。
出典・参考
- 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和6年6月末現在)」…特定技能者数の公式統計データとして使用
- 出入国在留管理庁「特定技能在留外国人数(令和5年12月末現在)」…年次推移データの根拠として参照
- 厚生労働省「外国人介護人材の確保・定着」2025年資料…外国人介護人材全体の統計データとして活用
- 出入国在留管理庁「令和5年6月末現在における在留外国人数について」…全体的な在留外国人数の傾向分析に使用
- 在ネパール日本国大使館・ネパール外務省間口上書(MOC)…ネパール特有の手続きに関する制度的根拠として参照
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
