結論(30秒でわかる要点)
- 海外介護士の採用は「特定技能」「技能実習」「EPA」「在留資格『介護』」の4つのルートから選択可能
- 採用から就労開始まで国内在住者で3~4か月、海外在住者で5~7か月の期間が必要
- 人手不足解消と国際貢献を同時に実現できる有効な人材確保手段
- 対象者:介護施設経営者・人事担当者・採用検討中の管理者
- 注意:制度は更新されるため最新の公的資料で確認が必要
はじめに

介護業界の深刻な人手不足に直面している施設経営者の皆様にとって、海外介護士の採用は重要な選択肢となっています。厚生労働省の統計によると、2026年には約25万人、2040年には約57万人の介護職員が不足する見込みです(出典: 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」)。
一方で、海外介護士の採用は複雑な制度や手続きが多く、「どこから始めればよいかわからない」という声も多く聞かれます。実際、特定技能「介護」の在留者数は44,367人(2024年12月末時点)と急激に増加しており、多くの施設が成功事例を積み重ねています。
この記事でわかること
- 4つの在留資格の特徴と選び方
- 採用から就労開始までの具体的な流れ
- 成功事例と注意すべきポイント
海外介護士採用の基礎知識(制度の全体像)

用語の定義
「海外介護士 採用の流れ」とは:外国人介護人材を雇用するための在留資格選択から就労開始まで一連のプロセスを指します。
4つの在留資格制度の概要
海外介護士を受け入れる制度は以下の4つに分類されます:
- 特定技能「介護」:一定の技能を有する外国人の受け入れ制度(最長5年)
- 技能実習:技能移転を目的とした制度(最長5年、段階的研修あり)
- EPA(経済連携協定):二国間協定に基づく介護福祉士候補者受け入れ
- 在留資格「介護」:介護福祉士資格取得者の長期就労制度
現在の受け入れ状況
厚生労働省「外国人介護人材の確保・定着」2025年資料によると:
- 特定技能1号:44,367人(2024年12月末時点)
- 技能実習:15,909人(2023年12月末時点)
- 在留資格「介護」:12,227人(2024年12月末時点)
- EPA:3,180人(2025年4月時点)
特定技能「介護」は2019年の制度開始以降、継続的に増加し、約5年で約2,300倍に拡大しています。
採用の流れとプロセス(具体的手順)

Step1:在留資格の選択と要件確認
特定技能「介護」を選ぶ場合
- 介護技能評価試験と介護日本語評価試験の合格が必要
- または技能実習2号の良好修了
- 就労開始日から人員配置基準にカウント可能
技能実習を選ぶ場合
- 320時間の講習義務あり
- 人員配置基準算定まで8か月必要
- 段階的な技能習得プログラム
Step2:採用ルートの決定
国内在住者の場合(所要期間:3~4か月)
- 求人募集・面接実施
- 在留カード・在留資格の確認
- 雇用契約締結
- 在留資格変更許可申請
- 就労開始
海外在住者の場合(所要期間:5~7か月)
- 海外での試験合格確認
- 在留資格認定証明書交付申請
- 来日手続き
- 雇用契約締結
- 就労開始
Step3:必要な支援体制の整備
特定技能外国人受け入れには10項目の支援が義務付けられています:
- 事前ガイダンス
- 出入国時の送迎
- 住居確保・生活に必要な契約支援
- 生活オリエンテーション
- 公的手続等への同行
- 日本語学習の機会の提供
- 相談・苦情への対応
- 日本人との交流促進
- 転職支援
- 定期的な面談・行政機関への通報
成功事例と実践的ポイント

成功事例①:段階的受け入れによる定着率向上
関西のある特別養護老人ホームでは、複数名での採用が定着率向上につながった事例があります。同じ国籍の職員を同時期に受け入れることで、相互サポート体制が構築され、孤立感の軽減に成功しました。
成功のポイント
- 複数名同時採用による心理的安定
- 日本人職員との交流機会の創出
- 段階的な業務習熟プログラム
成功事例②:ICT活用による業務効率化
東京都内のある介護施設では、多言語対応の介護記録ソフトウェアと携帯型翻訳機を導入し、外国人介護士の記録作業負担を大幅に軽減しました。
導入効果
- 記録作業時間の30%短縮
- コミュニケーションエラーの減少
- 日本語学習意欲の向上
実践的な注意点
採用前の準備
- 施設内の受け入れ体制整備
- 日本人職員への事前説明
- 住居確保と生活環境整備
就労開始後のフォロー
- 定期的な面談実施
- 日本語学習支援
- 文化的配慮の徹底
よくある質問(専門家に聞く)
Q. これから外国人介護士を検討する施設に、最初に伝えたいことは何ですか?
「これは、本当に大切なメッセージなので、丁寧にお伝えしたいです」と大町は真剣な表情で語ります。
一番伝えたいこと
「外国人介護士は、『人手不足の穴埋め』ではなく、『一緒に成長する仲間』だと思っています」
私が元看護師・介護福祉士として現場で働いてきた経験、そしてフィリピンで10年以上人材事業を続けてきた中で確信していること。
それは:
1. 受け入れる側の覚悟
- 最初は時間がかかることを理解する
- 「教える」ではなく「一緒に育つ」気持ち
- 文化の違いを楽しむ心
2. 外国人介護士のポテンシャル
- 真面目で一生懸命
- 学ぶ意欲が高い
- 利用者様を大切にする心
3. 長期的な視点
- すぐに結果を求めない
- 信頼関係を築くのに時間をかける
- 3年、5年後の姿を一緒に描く
「私たちは、ただ人を紹介するだけではなく、施設と外国人介護士、両方の『幸せな未来』を一緒に作りたいと思っています」
「不安や疑問があれば、どんなことでも相談してください。一緒に考えましょう」
最後に
「外国人介護士との出会いは、施設にとっても、職員にとっても、そして利用者様にとっても、きっと良い変化をもたらすと信じています」
「一歩を踏み出す勇気を、私たちが全力でサポートさせていただきます」
Q. 元看護士・元介護士が関わると、採用や教育は何が違うのですか?
「これは、私たちの一番の強みだと思っています」と大町は語ります。
元看護師・介護福祉士としての経験があるからこそ:
1. 現場目線での人材選考
- 「この人は現場で活躍できるか」を肌感覚で判断
- 技術だけでなく、人柄や適性を重視
- 受け入れ施設の文化に合う人材を選ぶ
2. 実践的な教育プログラム
- 現場で本当に必要な技術を優先
- 教科書的な知識より、実際の動きを重視
- 日本の介護現場特有の「細やかさ」を教える
3. 施設側の悩みに寄り添える
- 「受け入れる側」の大変さを理解している
- 現実的なアドバイスができる
- 一緒に問題を解決する姿勢
「単なる人材紹介ではなく、『介護の現場を知っているパートナー』として、一緒に良いチームを作っていければと思っています」
制度に関するよくある質問
Q1. 海外介護士 採用の流れで最も時間がかかる部分はどこですか?
A. 在留資格の申請・許可プロセスが最も時間を要します。国内在住者の場合は在留資格変更許可申請に1~3か月、海外在住者の場合は在留資格認定証明書交付申請に2~4か月程度必要です。また、特定技能の場合は試験合格から採用まで、技能実習の場合は監理団体との調整も含めて準備期間を要します。
Q2. 海外介護士 採用の流れにかかる費用はどのくらいですか?
A. 在留資格や採用ルートによって大きく異なります。特定技能の場合、登録支援機関への委託費用が月額2~5万円程度、初期費用として10~30万円程度が一般的です。技能実習の場合は監理団体への管理費として月額3~5万円程度が必要です。その他、住居確保費用、来日時の交通費、各種手続き費用なども考慮する必要があります。
Q3. 海外介護士 採用の流れで失敗しないためのポイントは?
A. 最も重要なのは受け入れ体制の事前準備です。日本人職員への説明と理解促進、住居環境の整備、コミュニケーション支援体制の構築が不可欠です。また、文化的配慮を怠ると早期離職につながるため、宗教的習慣や食事制限への理解も重要です。長期的な視点で関係構築に取り組むことが成功の鍵となります。
Q4. 海外介護士 採用の流れで国籍による違いはありますか?
A. 制度上の違いはありませんが、実務上の特徴があります。厚生労働省データによると、特定技能「介護」ではインドネシア(27.6%)、ミャンマー(26.4%)、ベトナム(20.1%)が上位3か国です。国によって日本語習得速度、文化的背景、宗教的配慮の必要性が異なるため、出身国の特性を理解した受け入れ準備が重要です。
Q5. 海外介護士 採用の流れで訪問介護は可能ですか?
A. 2025年4月から特定技能外国人の訪問介護従事が解禁されました。ただし、一定の条件があります。日本語能力試験N2以上の合格、介護福祉士養成施設卒業または実務経験3年以上などの要件を満たす必要があります。技能実習生についても同様の条件で訪問介護が可能となり、介護現場の選択肢が大幅に拡大しています。
まとめ
海外介護士の採用は、深刻な人手不足に直面する介護業界にとって重要な解決策です。本記事で解説した主要ポイントを以下にまとめます:
- 制度選択:特定技能、技能実習、EPA、在留資格「介護」から施設のニーズに応じて最適な制度を選択
- 採用期間:国内在住者で3~4か月、海外在住者で5~7か月の準備期間を想定した計画立案
- 成功要因:受け入れ体制の事前整備、文化的配慮、長期的な関係構築が定着率向上の鍵
特定技能「介護」の在留者数が44,367人(2024年12月末時点)まで増加していることからも、多くの施設が成功事例を積み重ねていることがわかります。一方で、単なる人手不足の解決策としてではなく、「一緒に成長する仲間」として迎え入れる姿勢が重要です。
YMYL注意:介護制度や在留資格に関する最終的な判断は、最新の公的資料や専門家への確認を必ず行ってください。
出典・参考
- 厚生労働省「外国人介護人材の受入れの現状と今後の方向性について」令和7年3月28日…特定技能受入上限・国籍別ランキング・都道府県別受入状況の根拠
- 厚生労働省「第9期介護保険事業計画に基づく介護職員の必要数について」…介護職員必要数の将来推計
- 厚生労働省「外国人介護人材の確保・定着」2025年資料…在留者数統計・試験合格者数データ
- 令和6年度老人保健健康増進等事業「外国人介護人材の介護福祉士国家資格取得の支援強化に関する調査研究事業」…日本語レベル別合格率・受験理由・職場支援状況
この記事の監修者
大町潤一(看護師・介護福祉士)
GENSAI Career Consulting Corp 代表
フィリピン人介護士の人材紹介・送り出し事業に2015年〜現在(10年以上)携わる。
